独ソ戦 の商品レビュー
入門書としては満点。非常に分かりやすく、入門書として素晴らしい。ただこの手の書籍として仕方ないが、一定の知識がないとややしんどい。
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第二次世界大戦の中でも、空前絶後の被害を出した独ソ戦。ナチス・ドイツにとってそれは、ボリシェヴィズムの撲滅とスラヴ人の征服であり、生存圏の確保であった。一方のスターリンは、ドイツの侵攻を間近に感じながらそれを黙殺し、大粛清により軍は万全の状態を欠いていた。 1941年に侵攻を開始...
第二次世界大戦の中でも、空前絶後の被害を出した独ソ戦。ナチス・ドイツにとってそれは、ボリシェヴィズムの撲滅とスラヴ人の征服であり、生存圏の確保であった。一方のスターリンは、ドイツの侵攻を間近に感じながらそれを黙殺し、大粛清により軍は万全の状態を欠いていた。 1941年に侵攻を開始したドイツは表面的には勝利を重ねたが、実際には打撃を与える戦力を着実に消耗していた。そしてスターリングラードでの大敗後、坂を転がるように敗戦へと向かっていく。 ナチス・ドイツによる「通常戦争」「絶滅戦争」「収奪戦争」の側面を持つ独ソ戦。独ソ双方の読み間違えや油断・慢心の結果甚大なる人的被害を生み出してしまう。まさにこの世の地獄。戦争についての詳細で生々しい記述というよりは、掲げられたイデオロギーの恐ろしさなどが際立っている。「絶滅戦争」故に、捕虜や民間人の取り扱いが非情でそれもこの戦争の恐ろしさを表している。
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二次大戦時の日本の人口 8000万人 死者数 300万人 二次大戦時のソ連の人口 1億7000万人 死者数 3000万人 ソ連軍の作戦術の精巧さ ドイツ国防軍の戦争犯罪
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スターリンの開戦予報の無視やドイツによる開戦準備から、バルバロッサ作戦とベルリン陥落までを簡潔に示した1冊。内容は軍事に留まらず、スターリンの指示やヒトラーとマンシュタインの激論についても記載されている。 特に興味深かったのは、バルバロッサ作戦では電撃作戦によるモスクワ制圧を目...
スターリンの開戦予報の無視やドイツによる開戦準備から、バルバロッサ作戦とベルリン陥落までを簡潔に示した1冊。内容は軍事に留まらず、スターリンの指示やヒトラーとマンシュタインの激論についても記載されている。 特に興味深かったのは、バルバロッサ作戦では電撃作戦によるモスクワ制圧を目論んでいたが、いざ戦火が交わるとそれは叶わず、ドイツの勝利は全くの蓋然性を奪われたことだ。1941年の時点で戦争の帰趨が決定していたとは知らなかった。敵の戦闘能力を冷静に判断する必要があるというのは、ロシア・ウクライナ戦争にも言えることではないだろうか。 次点で興味深かったのは、スターリングラード包囲戦ではヒトラーの指示が徹底され、その結果第6軍の壊滅という最悪のシナリオを描いたことだ。第6軍はその場を動くことが許されなかったが、マンシュタインの才覚が遺憾無く発揮され第6軍まで残り50kmの地点に迫ったものの、総統命令により彼らが救出されることはなかったという。ヒトラーは軍事に関して、言葉を選ばずに言えば限りなく無能に近しい存在であったと思う。 ソ連軍の蛮行も記載されていたことは感嘆した。大祖国戦争と標榜しプロパガンダにより敵対感情を煽り続けた結果は、ドイツ領内でのソ連軍による際限ない略奪や暴行であった。 ナチドイツが行った捕虜の移送と捕虜の使役を、ソビエト連邦も行った事実についても驚かされた。 独裁者の一決定により、憎悪が増幅し、世界がさらなる地獄へ突き進んでいく光景は二度と繰り返されてはならない。人間の条件を満たし、政治に積極的に参加することで、独裁者の誕生を防がなければならないと考えた。その点において、軍事的な側面のみならず、簡潔ながら様々な視点から事象を取り上げた本書はかなりの良書であると言えよう。
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2026年1冊目の読了。 この本を読むのは、3~4回目。 最近の研究水準を踏まえて、新書サイズで、独ソ戦をわかりやすくまとめている。 ナチス・ドイツ側の味方、ソ連側の見方を端的に示し、戦況の変化もいくつかの図を示しながら、説明されている。 有名なスターリングラードの戦いについて...
2026年1冊目の読了。 この本を読むのは、3~4回目。 最近の研究水準を踏まえて、新書サイズで、独ソ戦をわかりやすくまとめている。 ナチス・ドイツ側の味方、ソ連側の見方を端的に示し、戦況の変化もいくつかの図を示しながら、説明されている。 有名なスターリングラードの戦いについても、詳しく説明されている。 この書籍で「作戦術」という用語を初めて知った。 この戦争が絶滅戦争の色彩を有していたこと、このような独ソ戦の歴史がこれまで利用され、現在も利用されていることを教えてくれている。 折に触れて読む価値のある本であると思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
以前から独ソ戦に関心があったため、入門書として一冊。グラスノスチやソ連崩壊後の機密文書解除前の古めかしい独ソ戦像を徹底的に最新の情報に置き換えてくれる。YouTubeで独ソ戦などの第二次世界大戦の動画を見ることがあるが、この本の情報からすると、古く、史実に反するような情報を見て取れると感じるようになった。 第1章では、スターリンが大粛清で軍高官の多くが殺され軍が弱体化したこと、ドイツが自国を攻撃することはないと踏んで結果的に多大な犠牲を出したことがソ連側から説明される。ドイツ側の視点では、ソ連の戦力を見くびり、楽観的過ぎる非現実的な戦争計画を立てていたことが説明されていた。これはヒトラーの「腐った納屋はドアをひと蹴りすれば倒壊するだろう」みたいな言葉に似ていると思った。 第2章では、戦争序盤でドイツ軍が快進撃を遂げるものの、消耗が激しく兵站もおろそかになり、戦略的勝利から遠のいていく姿が語られる。 第3章では、イデオロギー的な側面から独ソ戦を説明している。そのほか、ドイツがいかに彼らの思想でいうと「劣等人種」であるロシア人を殺戮していったのかがある。しかし、ドイツだけでなく、ソ連も蛮行を働いており、ドイツ人捕虜の扱いは国際法にのっとったものとは程遠かった。 第4章では、「潮流の逆転」ということで、ソ連軍が防衛から反撃に転じていく。ソ連軍は物資的にドイツより優位にあったが、それのみがソ連を勝利に導いたのではなく、作戦術と呼ばれるソ連が培ってきた兵法の貢献も見過ごせない。 第5章では、ドイツの完全な崩壊へと至る過程が詳述される。次々に撤退していくドイツ軍に対して圧倒的優位を保つソ連軍は容赦なく追撃をかける。マンシュタインが焦土戦術を行い、戦後裁判にかけられていたのは初めて知ったことだった。ドイツが和平を試みるものの、ヒトラーの政治的和平を拒む姿勢がそれを断固として拒否した。というかあの状況で和平なんてできるわけがない。 筆者は戦争を「通常戦争」、「収奪戦争」、「世界観戦争」の三つに分け、独ソ戦が通常戦争から世界観戦争へと飲み込まれていくと説明している。ベン図を使って説明していた。 感想としては、古い独ソ戦のイメージを払拭してくれる良書という感想。未だにYouTubeとかだとそういうのもあるから早めに読んでおいて批判的にそのような動画を視聴できそう。
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最新研究に基づく独ソ戦の概要が、分析的かつ迫力ある筆致で記述されており一気に読める。歴史を知ることの重要さを再確認できる書。
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独ソ戦に関する最新(2019年迄)の研究をコンパクトにまとめたとのこと。軍事史はあまり詳しくないが、素人でも分かりやすく読めた。 ドイツにとっては収奪戦争としての一面もあった、という部分が印象的だった。ドイツ人の生活水準の高さを維持するためには対外戦争しか手段が無く、ヒトラーだ...
独ソ戦に関する最新(2019年迄)の研究をコンパクトにまとめたとのこと。軍事史はあまり詳しくないが、素人でも分かりやすく読めた。 ドイツにとっては収奪戦争としての一面もあった、という部分が印象的だった。ドイツ人の生活水準の高さを維持するためには対外戦争しか手段が無く、ヒトラーだけでなくドイツ国民も共犯であった。現在のドイツは近隣諸国から労働力を移民という形で『合法的に収奪』しており、貿易差額主義を追求している。国民のメンタリティはそう簡単には変わっていないと思われる。 日本はどうか。第二次世界大戦の失敗・敗北は日本国民もしくは日本的な組織特有のメンタリティに根差しているという言論がちらほら見られる。ドイツ同様、日本にも粗はあろう。自分の無意識の領域に根を張る精神性を理解することも、歴史を学ぶことの重要な意義である。独ソ戦は他人事ではない。
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書籍も買ってるんだけど、そちらは読まず、Amazonオーディブルで何度か挫折しながらやっと聴き終えた。 ヒトラーとスターリンの頭がおかしいというか、双方ともに合理性を失った行動を取り続け、そんな作戦に投入される多くの兵士と巻き込まれる市民が気の毒すぎた。
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面白いのでスラスラ読めた。 独ソ戦に関しては、映像ドキュメンタリーや映画で知ってるぐらいだったが、細かい戦況の変化が地図付きで説明されていて理解しやすい。 両陣営の内情や作戦企図も最新(2019年時点)の研究成果を反映して説明されているので、古い文献を読んだことのある人にもオスス...
面白いのでスラスラ読めた。 独ソ戦に関しては、映像ドキュメンタリーや映画で知ってるぐらいだったが、細かい戦況の変化が地図付きで説明されていて理解しやすい。 両陣営の内情や作戦企図も最新(2019年時点)の研究成果を反映して説明されているので、古い文献を読んだことのある人にもオススメ。
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