我らが少女A の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
宮部みゆきならともかく、高村薫ワールドで、モンストやらドラクエやらに遭遇するとは思わなかった。シャドバ?デッキ構築?あ、本筋と無関係でした(笑) 舞台は小金井周辺で、殺人現場は野川公園。 うーん、ローカル過ぎる。おまけにポルシェ洋菓子店やらLEMON DROPやら、実在のお店がわんさと出てくる。そうか、先日吉祥寺に行った時、なんか全然別の街…と思ったら、ロンロンがないからだったのか! 登場人物は多めだが、キャラ造形が地道に丁寧にされるせいで混乱はない。同様にストーリーも阿漕なイベントでどんでん返しってこともなく、反則なギミックに欺かれることもなく、外堀を確実にじっくり埋めながら、現在形の神視点の三人称で淡々と終焉へと導かれる。 …ってでも、コレ、フーダニットじゃなかったってこと?うーん。仮にも警察官小説で、このラストはなくないか?ま、警視庁へ異動した合田の次作に期待する…って、次も7年後か?w
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ある殺人事件がきっかけで、12年前の未解決事件 に急転、あるいは解決に向かうかと思ったが、 そうではなく、12年前の被害者の関係者に様々な 気持ちの変化を丁寧に描かれていて、ミステリー としては、かなり変化球な警察小説でした。 読後感は、犯人が分からない形で終わりましたが 最後ま...
ある殺人事件がきっかけで、12年前の未解決事件 に急転、あるいは解決に向かうかと思ったが、 そうではなく、12年前の被害者の関係者に様々な 気持ちの変化を丁寧に描かれていて、ミステリー としては、かなり変化球な警察小説でした。 読後感は、犯人が分からない形で終わりましたが 最後まで、各登場人物の心境の変化に興味が尽き ませんでした。
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一人の女性が殺された事件。犯人もすぐわかり、とりたてて特別なことがあるように思えなかったその事件が十二年前の未解決事件を呼び起こすミステリ。だけど謎を解くことよりも、各登場人物の物語が綴られることが作品のメインになっていると思います。すっきりとした解決を求めて読むと肩透かしかも。...
一人の女性が殺された事件。犯人もすぐわかり、とりたてて特別なことがあるように思えなかったその事件が十二年前の未解決事件を呼び起こすミステリ。だけど謎を解くことよりも、各登場人物の物語が綴られることが作品のメインになっていると思います。すっきりとした解決を求めて読むと肩透かしかも。 忘れていたはずの過去を呼び起こされ、戸惑う関係者たち。各人の関係が再びつながることによって甦る過去の記憶。今の生活が大切で過去などに関わっていられないはずなのに、それでも容赦なく迫りくる事件の余韻。ひたすら日常的に思える物語の中で描かれる非現実が、実に不吉です。新たな事件が起こるわけでもなし、驚愕の事実が明かされるわけでもなし、だけれど読みごたえはたっぷりでした。
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髙村薫さん、気になるんですが相変わらずむつかしいです。 毎日新聞に連載されていた当時は楽しみにしていましたが、毎朝毎朝、細切れに読んで到底理解できる内容ではないなと、単行本になるのを待っていました。 久しぶりの合田雄一郎の登場ということで皆さんの期待も高まっているようでしたが、...
髙村薫さん、気になるんですが相変わらずむつかしいです。 毎日新聞に連載されていた当時は楽しみにしていましたが、毎朝毎朝、細切れに読んで到底理解できる内容ではないなと、単行本になるのを待っていました。 久しぶりの合田雄一郎の登場ということで皆さんの期待も高まっているようでしたが、合田さんもすでに一線を退き警察学校の先生をなさっていて、表立って捜査に加わるということはないです。 また単なるミステリーではないので(高村さんはこのミステリーというジャンルにひとくくりにされるのを嫌っておられますよね?)犯人と刑事との丁々発止みたいなものもないし、結局最後まで犯人が明らかにならないという、別に犯人はどうでもいいではないけれど、その事件を取り巻く人たちの生活、人生観、などが昔にさかのぼって目まぐるしく繰り広げられて、一つ一つ理解して追いつくのが大変でありました。 読後は、あ~面白かったなどということはなく、心に小さなさざ波がいつまでもいつまでも立っているような、ざわつきを感じています。
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我らが少女A 高村薫 2019 9/8読了 濃厚濃密な高村ワールドがここに極まれり! まぁ個人的には初セミナーの準備やラジオの新番組の準備やらで落ち着いて読めない時間もありましたが まったく裏切ることのない小説の素晴らしさを味あわせてくださいました。 本来ならあまり好きじ...
我らが少女A 高村薫 2019 9/8読了 濃厚濃密な高村ワールドがここに極まれり! まぁ個人的には初セミナーの準備やラジオの新番組の準備やらで落ち着いて読めない時間もありましたが まったく裏切ることのない小説の素晴らしさを味あわせてくださいました。 本来ならあまり好きじゃない挿し絵のさり気なさにも常に新しい試みに挑戦されている気概にも感じ入りました。 日々の暮らしの中にこそドラマやミステリーや事件が常に其処此処に潜んでいるんだと改めて感じさせられ この世の全ての人が物語の主人公なんだと感じさせられました。 素晴らし作品でした。
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かつて新小金井駅付近に住んでいた自分としては何とも感慨深い作品です。 12年前の事件を関係者たちが当時見えなかったものをひとつづつ紐解いていく時間の流れを楽しみました。
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スリリングなミステリーを期待すると肩透かしになるかもしれない。 人は誰も他人の人生を知らず、自分の過去さえも記憶の迷宮の中から取り出せない。 合田は有能だが完璧な刑事ではない。 作品の中で合田は登場人物の一人に過ぎず、事件の真相を見ようと行動するだけだ。いわば方向だけを持つもの...
スリリングなミステリーを期待すると肩透かしになるかもしれない。 人は誰も他人の人生を知らず、自分の過去さえも記憶の迷宮の中から取り出せない。 合田は有能だが完璧な刑事ではない。 作品の中で合田は登場人物の一人に過ぎず、事件の真相を見ようと行動するだけだ。いわば方向だけを持つもので、捜査を進展させる力を発揮するでもない。彼は人間の無力感を体現しているかのようだ。 それぞれがそれぞれに対して持つ印象と印象が食い違い、串刺しになった事実から真相を想像するしかない。 定常を象徴するような武蔵野という背景が彼らをより立体的に見せる。 事件が主役なのではなく、その周辺の人々が主役である。 謎を謎のまま愛せる人に読んでほしい。
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物語の視点人物が入れ替わっていく、このスタイルで一作描き切る高村先生の力に感服する。そのうえで合田さんを登場させたのは読者へのサービスなんでしょうね。 一つの事件をめぐる様々な人間の記憶が語られ、関係性が再構築されていったりする。これが高村先生の濃密な描写で続く。合理的でないもの...
物語の視点人物が入れ替わっていく、このスタイルで一作描き切る高村先生の力に感服する。そのうえで合田さんを登場させたのは読者へのサービスなんでしょうね。 一つの事件をめぐる様々な人間の記憶が語られ、関係性が再構築されていったりする。これが高村先生の濃密な描写で続く。合理的でないものが、冷徹に精妙に言語化されている。これは凄い。
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登場人物の多さ、彼らの現在と回想が渦まいてくるようでなかなか入り込めず、ようやく馴染み乗ってきたところで終わってしまった。舞台の土地勘がないので公園を検索したりして、後は脳内で町を作り上げて読んだ。読みごたえがあった。
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既知の土地が舞台だったので。 同棲相手の男に殺された女性。 犯人はすぐに捕まるが、その取り調べの中で、 女性がつぶやいた言葉で過去の未解決事件が動き出す。 結論から言うと面白かった。 合田刑事は警察大学校の教師となっていて、 ぎらぎらした感が薄まっていたせいか。 スーパーリア...
既知の土地が舞台だったので。 同棲相手の男に殺された女性。 犯人はすぐに捕まるが、その取り調べの中で、 女性がつぶやいた言葉で過去の未解決事件が動き出す。 結論から言うと面白かった。 合田刑事は警察大学校の教師となっていて、 ぎらぎらした感が薄まっていたせいか。 スーパーリアリズムが、 知っている地域に対して発揮されていたせいか。 事件がほぼ過去の事件に絞られていたからか。 山も工場操業も宗教も関係なかったからか。 コールドケースを追う展開だからか。 結末は、相変わらず、あるようなないようなすっきりしない。 とはいえ、今までの作品に比べればまだまし。 そういう意味では、このシリーズを最初から読んで良かったのかも。 最後には、合田刑事が、元刑事がモンストをやるという、 一貫性の感じられないこの一連の作品群を。 そして、Lemon Dropのケーキが食べたい。
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