夏物語 の商品レビュー
2020年本屋大賞ノミネート作。 人が生まれること、親と子の関係。 子供を産むということについて、ストレートに考えさせてくれる作品。 父親がいて、母親がいて、子供が産まれるということを、正面から考えることになるかもしれない。 面白かった。
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子供を産むことは、親の身勝手。賭けである。 産まれてくることを望んで産まれてくる子はいない そんな風に考えたことはなかった。それは、自分か恵まれていたからなんだな、っと思った。産まれる意味って?産む意味って? でも、動物だって植物だって、微生物だって細菌だって、意味など考えるこ...
子供を産むことは、親の身勝手。賭けである。 産まれてくることを望んで産まれてくる子はいない そんな風に考えたことはなかった。それは、自分か恵まれていたからなんだな、っと思った。産まれる意味って?産む意味って? でも、動物だって植物だって、微生物だって細菌だって、意味など考えることなく繁殖を続けて、存在し続けてる。人間も同じかな。
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本屋大賞入賞作ってことで。そして、久しぶりの川上作品。相変わらず会話文の鋭い切れ味が最高。そして、底にはシリアスな題材が据えられつつも、思わず笑えるようなやり取りが頻繁に織りなされるのも魅力。
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はじまりの数ページで、正午のことを「午前十二時」と表記していて校正もされていないようだし、貧乏貧乏という割に賞味期限が1日過ぎただけの卵を一パック丸ごと捨てようとする描写等があり、詰めの甘さが気になって内容どころではない。
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どこから来るかわからない感情を丁寧に拾い上げた物語。 今はセックスも出産も人を愛すということも怖いことのように思う。 でも1人で死んでいくのはやっぱり怖い。 私は自分のことがわからないから流れに身を任すままに生きるしかない。 今はどちらかと言うと善百合子側の主張がわかる。 ...
どこから来るかわからない感情を丁寧に拾い上げた物語。 今はセックスも出産も人を愛すということも怖いことのように思う。 でも1人で死んでいくのはやっぱり怖い。 私は自分のことがわからないから流れに身を任すままに生きるしかない。 今はどちらかと言うと善百合子側の主張がわかる。 多分この先自分を心から肯定できるようにならないと子を持つという賭けはできないだろうな。 そう思うと本当に奇跡か一瞬の幻のような希望で生まれるんだな人って。 寂しさってもしかしたら命と命が出会うために用意されているのかもしれない。 私にはおじいちゃんもお父さんもいなかったから、男の甲斐性がどのくらいのものかわからないけど、男がいなくても十分子が育つようになった社会で、積極性や関心を欠いたらそれはもういないも同然なんだと思った。
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芥川賞受賞作である「乳と卵」の続編です。 その作品は読んでいませんが、それでも十分 に作品の世界観に入ることができます。 人工授精をしてでも子どもを産みたいと願う 女性の心理を、非常に丁寧に描いていて、 男性であってもぐいぐい引き込まれます。 どうしてここまで作者は「他人」で...
芥川賞受賞作である「乳と卵」の続編です。 その作品は読んでいませんが、それでも十分 に作品の世界観に入ることができます。 人工授精をしてでも子どもを産みたいと願う 女性の心理を、非常に丁寧に描いていて、 男性であってもぐいぐい引き込まれます。 どうしてここまで作者は「他人」である主人 公の心の中をすくい上げて、文章にすること ができるのか。 作者の底知れぬ筆力を感じる一冊です。
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第一部 芥川賞を受賞した乳と卵のリメイク版らしい。 主人公はアラフォーの夏子。夫も彼氏も子供もなし。 小説家になりたいけど、芽が出ず、書店のアルバイトで生計を立てるも、月4万の家賃を滞納するほどには貧乏。 ある夏、大阪に住む姉の巻子と緑子が東京にやってくる。 緑子は思春期特有...
第一部 芥川賞を受賞した乳と卵のリメイク版らしい。 主人公はアラフォーの夏子。夫も彼氏も子供もなし。 小説家になりたいけど、芽が出ず、書店のアルバイトで生計を立てるも、月4万の家賃を滞納するほどには貧乏。 ある夏、大阪に住む姉の巻子と緑子が東京にやってくる。 緑子は思春期特有の自分の体の変化、親に対する大切だけど反抗したくなるという矛盾、やなんやらで、巻子と口を聞かないこと半年。 そして巻子ーは真剣に豊胸手術を検討中。今回の状況の豊胸のためのカウンセリングが目的。 リメイク前の小説のタイトルが乳と卵ということで、 胸の形、生理、受精、なんかが主人公が抱える悩みとして出てくる。 どうしても自分の胸をコンプレックスに思って豊胸したい巻子と、そんな胸にしてしまった一因は自分にあるということで自分が生まれてきたことを責める緑子。 生理が始まる時期になり、自分の体に起こる変化に異常な気持ち悪さ、恐怖を感じながら、生まれてこなければこんな気持ちにならなくて済んだのに、と葛藤する緑子。 主人公の夏子が人工授精での出産に紆余曲折するのは第二部なんだけど、第一和の後半で緑子と巻子が卵をぶつけ合うシーンがありそこがクライマックスになっている。母子家庭で、関係性がギクシャクしていたふたりが殼を破る瞬間、らしい。 第二部 夏子が抱える体外受精、人工授精の問題がテーマ。 ー生むからには責任が伴う ー人工授精には、感染症や、精子の品質を選べてしまうこと、生が商業利用されることへの懸念がある ーというか気持ち悪い と言ったよくある意見の羅列 でなく、 登場人物の視点を通して、生む、とに対する思想を掘り下げる。そして、夏子は揺れ動く。 仙川 ー結果的に、産まなくてよかった。病気とか、受験とか、反抗期とか、就職とか、ようやく自分の人生で片付けたことを、いちからやりなおすなんて。物好き。 遊佐 ー男性嫌悪。女の痛みの半分を作ってるのは男。その男が女のせいで、痛いという。構造的に男と女は分かり合えない。女しか子どもを産めない世の中で無くなったら、セックスだって結婚だって、一時的な流行になる。 子どもを作るのに必要なのは女の意志だけ。性欲もセックスも不要。女が決めて、女が産む。 恩田 ー自分の強い精子にプライド?を持ち?、卵子を捕まえてしっかり爪痕を残せよ、と精子提供をする 百合子 ー生むことは暴力。苦しむ可能性があることがわかっているのに、そしてその可能性は自分にはなくて、そして生まなければそれは0なのに、それでも生む。それが普通だと思っている社会に嫌悪。 明確なメッセージ性がないことに、原理主義的な物言いをする登場人物達に、そしてその間で揺れ動いて、結局環境的にうまくいって、出産する夏子の人生に、んー???と思っていたけど、川上未映子さんのインタビューを読んで、小説は自由だと、明確なメッセージ性が必須ではないと、かかれていてまあそのとおりだと思った。
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著者の小説は初めて読んだ。 子どもを産むか、産まないかというシングルなら避けては通れない決断について、女性の視点で生々しく綴った物語。 人間や世の中の醜さや卑しさが生々しく、なかなか読み進められなかった。 (午前中、陽の光の元で読むような本じゃない。夜、人工のライトのしたで読むの...
著者の小説は初めて読んだ。 子どもを産むか、産まないかというシングルなら避けては通れない決断について、女性の視点で生々しく綴った物語。 人間や世の中の醜さや卑しさが生々しく、なかなか読み進められなかった。 (午前中、陽の光の元で読むような本じゃない。夜、人工のライトのしたで読むのがふさわしい本だった) 全て生き方なのだ、どう自分が生きたいのか。 生まれてくる子供がかわいそうとか、子供は親や誕生するかどうか自体も選べないとか、血の繋がりが親子の定義だとか、そういうことではなくて。 愛されていたかどうか。愛していたかどうか。 誰かと繋がり、そして自分の知らない未来へなにかを繋げていくこと。 それは真っ暗で広い宇宙で、漂い、長い時を経て次の星に向かうボイジャーの途方もない旅のようなのかもしれない。 やっと産んだ子供を、初めて会う人、ととらえる主人公がなんだか愛おしかった。
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これまで読んで来た中でもトップレベルで衝撃を受けた1冊。川上未映子さんの虜になった。この本に救われる人間も多いんじゃないかと思う。人間を産むのか産まないのか、そういうテーマをもとに、人間の本質を捉えている。
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女性にとって、自分の子を産むということの意義、尊さ、みたいなものを考えた。 AIDというものを初めて知ったけれども、 未婚の女性が、自分の子どもを産みたい、と思う事は わからないでもないなと思った。 でも、その反面、産まれてから自分の父親が誰なのかわからないという事で苦しむと子...
女性にとって、自分の子を産むということの意義、尊さ、みたいなものを考えた。 AIDというものを初めて知ったけれども、 未婚の女性が、自分の子どもを産みたい、と思う事は わからないでもないなと思った。 でも、その反面、産まれてから自分の父親が誰なのかわからないという事で苦しむと子もいる事。 そういった現実も実際にあると知った。 読みながら、『きみは赤ちゃん』の内容を思い返していた。 遊佐のくらに対する愛情は著者の きみに会うために生まれてきた、 というフレーズと通ずるところがあるなあと。
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