夏物語 の商品レビュー
子供は親にとってどういう存在であるか考えさられた。子供は親を選べないことができないから、反出生主義に靡いてしまうのはよく分かる。特にAIDで生まれてきた人々は一生自己のアイデンティティについて苦しむだろうし、それが正しいとは誰も言えないだろう。 女性と子育ての間に男性が入る...
子供は親にとってどういう存在であるか考えさられた。子供は親を選べないことができないから、反出生主義に靡いてしまうのはよく分かる。特にAIDで生まれてきた人々は一生自己のアイデンティティについて苦しむだろうし、それが正しいとは誰も言えないだろう。 女性と子育ての間に男性が入る余地はないのかと考えてしまった。子供は女性が育てるという定型的な考えがあるが、男性はどのような距離感で望めばいいのか。この本を読んでいて子供は女性のみの権利であるとも感じてしまった。また、親子と子供というより女性のチームというニュアンスが強かったような気がする。
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『乳と卵』のサイドストーリーということで期待したが、『乳と卵』ほどの圧力がないように思った。 気持ち悪い人に対する筆致力は抜群で、、、いろんな立場の意見を掘り出してくるから読み応えはあったけど、だからこそ、話がとんとこ上手いこと回るのに違和感があった。そんな簡単に回答出さないで、...
『乳と卵』のサイドストーリーということで期待したが、『乳と卵』ほどの圧力がないように思った。 気持ち悪い人に対する筆致力は抜群で、、、いろんな立場の意見を掘り出してくるから読み応えはあったけど、だからこそ、話がとんとこ上手いこと回るのに違和感があった。そんな簡単に回答出さないで、卵割るくらいのぐちゃぐちゃな表現を感じたかったなあ。
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すごく読みやすい小説ではないけど、なんだかぐいぐいと引き込まれて、読み終えた。 独身のまま、子どもが欲しい人は確かにいるが、その事のリスクや問題点などは考えたことはなかったので、読みながら、なるほど、と思うことも多かった。でも、子どもの立場になったら、どんな人が父親か知りたいのが...
すごく読みやすい小説ではないけど、なんだかぐいぐいと引き込まれて、読み終えた。 独身のまま、子どもが欲しい人は確かにいるが、その事のリスクや問題点などは考えたことはなかったので、読みながら、なるほど、と思うことも多かった。でも、子どもの立場になったら、どんな人が父親か知りたいのが当たり前かなと思う。
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この本、好き嫌いわかれるだろうなあ。私は、「合う」けど。 善百合子の過去の告白の部分がつらすぎる。フィクションであってくれ、いまからでもいいから、作者に「ここの文章まちがえてた、書き直すね」っていって消してほしいと思った。私のよんでいるこの話は本のなかのことであるんだけどね。キツ...
この本、好き嫌いわかれるだろうなあ。私は、「合う」けど。 善百合子の過去の告白の部分がつらすぎる。フィクションであってくれ、いまからでもいいから、作者に「ここの文章まちがえてた、書き直すね」っていって消してほしいと思った。私のよんでいるこの話は本のなかのことであるんだけどね。キツイ。 結婚前に、この本、皆に読んでほしいなと思うよ。子どもを生む、子どもがうまれる、ってどういうことか、深く深く考えてみてほしい。
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二部構成になっていて、第一部は『乳と卵』に細かい肉付けをしたような内容で、先に『乳と卵』を読んでちょっと物足りなく感じていた部分が満たされてこれだけでも読んでよかったと思えました。第二部はそれから約8年後からの物語で夏子が小説家になり、AIDで子供を持ちたいと考え、行動を起こして...
二部構成になっていて、第一部は『乳と卵』に細かい肉付けをしたような内容で、先に『乳と卵』を読んでちょっと物足りなく感じていた部分が満たされてこれだけでも読んでよかったと思えました。第二部はそれから約8年後からの物語で夏子が小説家になり、AIDで子供を持ちたいと考え、行動を起こして様々な出会いを通して起こる心境の変化の一部始終を描いたもの。命を授かり産むことの重さ、1人の人間が苦痛の多いこの世の中に生まれてしまうことの重大さ、生と死の意味などを考えたり感じたりできる内容になってとても濃かったです。それだけに読むのもしんどかったですが、夏子が最後にどんな選択をするのか気になって懸命に読みました。そしてなるほどの結末。韓国で活動する日本人某タレントもAIDで妊娠出産しているので尚更現実味を感じました。賛否両論あると思いますが、この小説はそのどちらがいいとか悪いとかではなくどちらの立場にも頷ける内容になっていて、読者が読後それぞれに答えを探せるようになっている所が好感が持てるところだと思います。
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生まれることや産むこと、産まないこと、生まれたくなかったことについて考えさせられた。 普通に男女で恋愛して、結婚して性交して子どもを産み、父母で育て、幸せに暮らす。 といったようなことが、理想モデルとしてなんだか刷り込まれているけれど、それだと苦しい人がたくさんいるし、そもそ...
生まれることや産むこと、産まないこと、生まれたくなかったことについて考えさせられた。 普通に男女で恋愛して、結婚して性交して子どもを産み、父母で育て、幸せに暮らす。 といったようなことが、理想モデルとしてなんだか刷り込まれているけれど、それだと苦しい人がたくさんいるし、そもそも、そんなことが幸せではない人がたくさんいて、それぞれがいいと思える方法を選択し、それを幸せと思うことを邪魔されないといいなと思った。 いろいろな考え方があるが、それぞれをできる限り尊重できれば。と思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
結局子を産むのなんて親のエゴだよなぁ。 善さんの言葉はすごく刺さった。だけど、夏子がそれでも子どもが欲しいと思って、 行動したのはすごくよかった。 逢沢さんとの関係はものすごく切なかった。 お互い想いあってるのになんであんなに切ないんだろう。 でも、お互いを尊重しあって新しい関係を築けてすごいなと思う。 夏子の生き方とか選択はめちゃくちゃかっこいいなと思うけど、自分にはできないなぁとも思ってしまって眩しかった。
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ナタリー・ポートマンも読んだらしく、英語版はこういうとこに注釈つくのかな、大阪弁はどう訳されるのかな、なんてことを考えながら読んだ。 内容については数日浸りたい。考えたい。
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文學界掲載時に読み、涙で汚してしまったので、単行本で買い直しました。 心の奥の奥までさらけ出したような心理描写がズッシリ重く響きます。 思春期の緑子の日記、主人公夏子の生きる事に対する独白は苦しいくらいに鮮烈で、川上さんの独特な表現力の凄さを存分に味わえます。 読者は内面を抉ら...
文學界掲載時に読み、涙で汚してしまったので、単行本で買い直しました。 心の奥の奥までさらけ出したような心理描写がズッシリ重く響きます。 思春期の緑子の日記、主人公夏子の生きる事に対する独白は苦しいくらいに鮮烈で、川上さんの独特な表現力の凄さを存分に味わえます。 読者は内面を抉られるので、読むのにはそれなりの気力が必要かもしれません。 子どもを産む側、生まれる側、それぞれの視点から問題を投げかけ、読者は答えのないテーマに対峙せざるを得ません。 ラストの展開は意外と現実的で、川上さんの作品としては文学的なものを期待する方がいらっしゃるかもしれません。 ですが、個人的には夏子に幸せに生きていって欲しいので、このラストで良かったと思いました。 読みながら共感し一緒に苦しんだ緑子が、すっかり成長していた描写も良かったです。 何かにつけてジェンダーレスと言われる時代ですが、この作品はやっぱり女性側の真理をついていますし、男性側の感想を是非聞いてみたいと思いました。
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人工授精というテーマを軸に家族、仕事、友人、諸々の話が気見込まれている。 駆け出しの作家である夏目夏子の物語であり、主な場面となっている夏の季節の物語でもある。夏の熱気に女性達の熱が絡まって暑苦しく、しかも一人称の文体は読み易くなく、苦戦した。 読んで楽しいという本ではなかったが...
人工授精というテーマを軸に家族、仕事、友人、諸々の話が気見込まれている。 駆け出しの作家である夏目夏子の物語であり、主な場面となっている夏の季節の物語でもある。夏の熱気に女性達の熱が絡まって暑苦しく、しかも一人称の文体は読み易くなく、苦戦した。 読んで楽しいという本ではなかったが、いろんな疑似体験をさせられお腹いっぱいとなった。
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