教育格差 の商品レビュー
出身家庭と居住地域に対して、教育格差が存在する。教育への意識、家庭での経験、学校選択、学歴などの差が、職業・収入・健康などの格差を生む。大規模社会調査の統計データをもとに、親子の学歴や進学意欲、経済状態、地域・学校間の差などを分析した結果から。 私立と公立、進学校と職業校、塾や...
出身家庭と居住地域に対して、教育格差が存在する。教育への意識、家庭での経験、学校選択、学歴などの差が、職業・収入・健康などの格差を生む。大規模社会調査の統計データをもとに、親子の学歴や進学意欲、経済状態、地域・学校間の差などを分析した結果から。 私立と公立、進学校と職業校、塾や習い事…世の中の普通と思っていたことが、前提が全く異なった素晴らしい世界もあり得るということを、意識させてくれました。
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日本社会に存在する教育格差。 それは親の社会経済的地位(SES)によるものであり、身分社会として受け継がれているという現実を膨大なデータで証明している本。 第1章〜第6章まではデータ重視の繰り返しで食傷気味にもなったが、『第7章 わたしたちはどのような社会を生きたいのか」では執...
日本社会に存在する教育格差。 それは親の社会経済的地位(SES)によるものであり、身分社会として受け継がれているという現実を膨大なデータで証明している本。 第1章〜第6章まではデータ重視の繰り返しで食傷気味にもなったが、『第7章 わたしたちはどのような社会を生きたいのか」では執筆者の持つ怒りや苦悩、ジレンマといった感情的な熱さを感じた。
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データを丁寧に紐解き(しかもそれは限りある信頼に足るデータ群)、教育格差の条件に何があるかを気づかせてくれた。良書。 Factfulnessの日本の教育版。 たとえば、宿題をやらない割合が日本は世界一だということ。 全体を通してみると、大学に入ることが大事で、それによりある箔が付...
データを丁寧に紐解き(しかもそれは限りある信頼に足るデータ群)、教育格差の条件に何があるかを気づかせてくれた。良書。 Factfulnessの日本の教育版。 たとえば、宿題をやらない割合が日本は世界一だということ。 全体を通してみると、大学に入ることが大事で、それによりある箔が付き、それがあれば収入が増える。 学歴が高いから使い物になるかというとそうではないとも思うが、基本的にはそれが尺度で、収入も高くなるのだという冷静な目で見ている。 今の親は(教員と同じぐらい、もしくはそれ以上)高学歴になったので、教員を低く見ている感じもあるだろう。学校教育に期待しているのか?受験勉強としては塾の方に期待している家庭が多いかもしれない。学校は公的な資格を得るためのルートとしての認識なんだろうと思ったり。 その再生産には「育ち」が大きく関係している、となると身もふたもないなぁと思ったりもしてしまう。 著者のここでの「メディア」は、紙媒体などのオールドメディアではなく、スマホ、PC、テレビ、ゲームと言った「ニューメディア(古いか)」でそれはネガティブに作用するものを匂わせている。いまのオンライン学習サービスとかTED動画とかいいもんも結構あるし、Kindleで本を読むのもいいと思うのだが、ここらへんはデータ収集はできる状況にないということだね。 自分は、公的な学校の影響力がそれほどあるのか、というのは自分はあまり評価していないのだけれども、世界的には日本の学校教育はよい評価されている。しかし、その影の部分である、教師の長時間労働とかクラブとか、雑務とか、そういうところはあまり触れていない。この本でも、この部分は十分には取り上げられていない。
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もう既にわかっていたつもりでいたけれど、これだけ精緻で豊富なデータを背景に語られると何故かチョット辛くなる。社会的文化資本の違いにより決定づけられている将来的豊かさの存在。 「世の中を生きるというのは、決して“成功”という価値基準によって照らし出されるものではないから」と言っ...
もう既にわかっていたつもりでいたけれど、これだけ精緻で豊富なデータを背景に語られると何故かチョット辛くなる。社会的文化資本の違いにより決定づけられている将来的豊かさの存在。 「世の中を生きるというのは、決して“成功”という価値基準によって照らし出されるものではないから」と言ったところで、 「それって負け惜しみさ」という印籠を突きつけられたような感じだ。(著者の狙いはそんなところにはないのはわかっているのだが) 自分の信念が強固ではないから、度々この葛藤に巻き込まれ、怯えてきた。この将来おとずれるかもしれない『格差』という響きに。 もう一度やり直せるとしたら「今度こそ『格差』の向こう側に行きたい」という幻想の現実への渇望と、自分らしく生きることとの難しさを行ったり来たりしてきた。 未来への不安をもって生きていく人間がそれを克服するために生み出され、手にしたいものが幾つもあるけど、この格差の向こう側っていうのはなんか相対的過ぎて気味が悪い。なんか仲間たちの分断を計っているようで。 不安を埋め合わせるための将来への投資としての『教育』を越えて、人間としての真の豊かさを知るための道具としての『教育』を切望するのだけど、これとて『格差』を生み出すのだろうか。 、、、。 おそらくここを求めるようになると、この言葉は相応しくなくなる社会が出来上がっていると思える のだが、、。
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タイトルの通り、教育にまつわる格差を膨大な資料とともに提示する一冊。 全てのデータを理解しようとするとかなりの労力を要するが、細部よりも全体として、この国の教育に関するイメージを掴むことができればよいであろう。
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日本の教育格差の実態を豊富なデータで検証した上で、教育格差対策の提案を示した本。 データから見えるのは、日本は「生まれ」で人生の選択肢・可能性が大きく制限される「緩やかな身分社会」が続いている実態です。 人が持つ「無限の可能性」を伸ばすには、「緩やかな身分社会」を作っている教...
日本の教育格差の実態を豊富なデータで検証した上で、教育格差対策の提案を示した本。 データから見えるのは、日本は「生まれ」で人生の選択肢・可能性が大きく制限される「緩やかな身分社会」が続いている実態です。 人が持つ「無限の可能性」を伸ばすには、「緩やかな身分社会」を作っている教育格差の実態を正しく理解した上で対策を講じる必要があります。 多くの人が本書を通して教育格差の実態を知ることが、問題解決の第一歩だと思います。
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教育に関する、各段階における格差が述べられていた 一番印象的だったのは、著者がこの本を書いたことを、村上春樹の言葉を用いて「文化的雪かき」と表現していた事 この意味は、知的なモノではあるが、自分がやらなくても誰かがやる事であるという意味だ 教育に関する問題提起が、このような表現を...
教育に関する、各段階における格差が述べられていた 一番印象的だったのは、著者がこの本を書いたことを、村上春樹の言葉を用いて「文化的雪かき」と表現していた事 この意味は、知的なモノではあるが、自分がやらなくても誰かがやる事であるという意味だ 教育に関する問題提起が、このような表現をなされる状態になってしまっている事に目を向けるべきだと感じた
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小学校から大学まで、段階ごとに統計データを基に客観的且つ緻密に分析されている。日本における教育格差の現状を知る上で必読書。多くのデータを用いた分析は客観的でありながら、「凡庸な格差社会」である日本をどのような社会にしていきたいか、この著書がどのように役立つ事ができるのか、終盤にか...
小学校から大学まで、段階ごとに統計データを基に客観的且つ緻密に分析されている。日本における教育格差の現状を知る上で必読書。多くのデータを用いた分析は客観的でありながら、「凡庸な格差社会」である日本をどのような社会にしていきたいか、この著書がどのように役立つ事ができるのか、終盤にかけて著者の深い思慮や熱い思いが溢れてくる。
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正直なところデータの羅列と言い回しの難しさから序盤で心が折れそうになった。 しかし、客観的なデータに基づいた目を背けてはいけない事実がある。 我々は皆義務教育を受け、平等な機会を与えられてきたが生まれ育った環境によって格差が存在する。 特に教育はこれからの世代を育てる国づくりの根...
正直なところデータの羅列と言い回しの難しさから序盤で心が折れそうになった。 しかし、客観的なデータに基づいた目を背けてはいけない事実がある。 我々は皆義務教育を受け、平等な機会を与えられてきたが生まれ育った環境によって格差が存在する。 特に教育はこれからの世代を育てる国づくりの根源であると思うのだが、 その教育について自身の経験論や思いつきの政策を展開している社会風潮に嫌気がさす時がある。 自分と同じように育て成長する、幸せになれると言う考えはる愚の骨頂だ。 教育とはこれからの時代を生き抜くための考える力、選択の自由を与えるためのものだと私は思う。 そのために本書で述べている「扱いとしての平等」ではなく「格差をなくすための取り組み」が浸透していくことを期待したい。
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階層・地域・学歴 https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480072375/
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