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慟哭は聴こえない デフ・ヴォイス の商品レビュー

4.3

59件のお客様レビュー

  1. 5つ

    22

  2. 4つ

    30

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

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2024/06/01

3作目。ますますいい話と云うか、問題のある話が続く。身近な経験はないが、理解できる。本当に難しい問題だわ

Posted byブクログ

2024/03/01

シリーズ第3弾。HALと美和ちゃんが気になったので最後はうるうるとほっこりとしました。ずっと書き続けてほしいシリーズです。

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2024/02/29
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デフ・ヴォイス3作目 耳の聴こえない人たちの苦悩が日常生活の多岐にわたることに気付かされる 産婦人科受診、119番で救急車を呼ぶこと、雇用差別、手話を使う人への特別視 荒井家に生まれた子ども、瞳は生まれつき聴覚障害を持っていた そのことによって家庭内外で起こる出来事に心が痛む ただ、瞳は家族みんなに愛されて健やかに成長している やっぱり家族との関りが大事だなと思う

Posted byブクログ

2024/02/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「デフ・ヴォイス」シリーズ3作目。 1 慟哭は聴こえない 新開のことから手話通訳を休んでいた荒井だったが、徐々に復帰。みゆきとも籍を入れ、兄の悟志家族とも顔合わせをする。そんな中、ろうの夫婦の妊婦検診の通訳を頼まれる。妊娠という女性のほうがいいのでは?という通訳に困惑する荒井だったが、医療通訳をしてろうの人々の正確な情報取得の困難さを痛感する。そんな中、甥の司が万引きで補導され、何森のいる署に迎えに来るよう電話が入る… 非常に傷ましい話。ろう夫婦の困惑とぶつけようのない嘆きと哀しみ。慟哭は聴こえない、はここから来たのか。自分の慟哭すら聴こえなくとも、あげずにはいられない嘆きが辛い。それを知る荒井の子ども 瞳美の誕生。不安が現実になったと思うのだろうか。 2 クール・サイレント 荒井の仕事ではろうのモデルHALの通訳。HALがモデルから俳優、しかも準主役級の役を得た。HALは口話が正確で荒井も驚く。私生活では瞳美に人工内耳を入れるかどうかの悩みを夫婦で話し合う。瞳美から音のある世界を奪うのか、それとも静かな世界を奪うのか、瞳美の意志を確認することが出来ない中、親がそれを決めることへの葛藤が描かれる。 HALのドラマが想起させた昔のドラマ、私も見ていた(多分、あのドラマだろう)。当時の私は手話に何の関心もなかったので、手話自体をしっかり見たことはなかった。でも確かにゆったりした動きだったような気もする。ろうの手話を見たことがあるので、確かにあの動きは生の言語としては不自然かもしれない。情動が感じられない。HALがろうの人々を背負ってしまうという気持ちも分かる気がする。「あなたは、あなたのままでいい」という言葉、本来、私はあまり好きな言葉ではないのだけれど、このシーンのこの言葉はとても良かった。 3 静かな男 何森視点の話。元簡易宿泊所の一室で潜り込んだホームレスが死んだ。身元を照会できるものはなく、自然死ではあるが、聞き込みをした何森は彼がろう者であったのではないか、と考える。ローカルテレビ局の番組の映像の後ろ側に映り込むことを繰り返していた、死んだ男は映り込んでいたときに何か、手を動かしていることに何森は気づき、荒井と共に調査を開始する… 何森の半生も、ほんの少し描かれる。でもここで、格好いいのはテレビ局の日吉さんだろう。やってくれましたよ。タカシがどういう経緯で故郷を出て行ったのかは、よく分からないが、お母さんを大切に大切に思っていたことを考えると(手話だけでなく、一張羅の存在など)泣けてくる。 水久保手話(実際は宮窪手話らしい)の存在も初めて知った。荒井が言う、手話はろう者の言語である、ということを痛感する。 4 法廷のさざめき 荒井は民事訴訟の法廷通訳を依頼される。原告がろう者の女性。会社で当初説明を受けていた支援を受けられず、昇進の機会も得られなかったと会社を訴えることに。そして私生活では瞳美をろう児として育てることを夫婦で決断。人工内耳を入れず、恵泉学園という日本手話を使う私立の学校に入学させることになる… 国からの指示による障害者雇用は支援金目的であったり、数字だけを守るために障害者を雇用する、という話を聞く。会社は営利目的なので、きれい事だけではやってられないかもしれない。荒井も自分の警察事務の仕事をしていたときのことを思い出す。また甥の司が大学進学を諦めることになり、自暴自棄になって悪の道に引き込まれる一歩手前。そこで新開、深見登場!よかった、よかった。司くん。でもろうコミュニティ、濃いよなあ。そして民事の法廷。傍聴人からの後押しをうけた原告は心強かったろう。静かな応援が心に沁みいる。 エピローグ あらすじを書く必要はないけれど、漆原英知くん登場。ちょっと思春期反抗期入っていた、美和ちゃん。英知くんとスマホでやり取り。よかった、よかった。そして2で登場したHALくんも自分の道を選べた。 裏表紙の絵も良かったなあ。美和ちゃんが瞳美ちゃんを抱っこしている。 創元社の 高杉千明さんの表紙の手話は 「友達」「分かる」「お父さん」「お母さん」となっているのでしょうか。 絵なので、動きがあるわけではないし、他にも取れる意味はあるのだろうけど。 「わたしのいないテーブルで」を読んでいるので、分かってはいるのだけれど、今後の荒井家族が幸せでありますように。

Posted byブクログ

2024/01/24
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ちょっといろんなひとの気持ちが切なくて。 切なさてんこ盛りの連作短編集。 「静かな男」からの「法廷のさざめき」、切なさの威力が半端じゃなくて、電車で読んだの後悔しました。 聞こえない家族のなかで聞こえるただ1人の荒井から、聞こえる家族のなかでただ1人、聞こえないサトミちゃんという対比に繋がるところがもう。。 お姉ちゃんの気持ちもお母さんの気持ちもみんな切ないです。涙腺ゆるみまくり。

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2023/12/20

読書記録64. #慟哭は聴こえない デフ・ヴォイスシリーズ第三弾 「私達はここにいる」 ろう者が抱える様々な困難を手話通訳士の視点から描く、感動のミステリー 第一弾から続く小説の中の主人公ら登場人物達が家族となり、成長、そして新たな家族も生まれる 小説ではありながら、聾者...

読書記録64. #慟哭は聴こえない デフ・ヴォイスシリーズ第三弾 「私達はここにいる」 ろう者が抱える様々な困難を手話通訳士の視点から描く、感動のミステリー 第一弾から続く小説の中の主人公ら登場人物達が家族となり、成長、そして新たな家族も生まれる 小説ではありながら、聾者を取り巻く日常の困難、社会の無理解、歩み寄りの足りない部分などは実際に起きている事なのだと思える 手話の種類や地域性、話し言葉で言うところの方言のようなものもあると今回の第三弾で知り、手話の複雑さや奥深さについて更に関心を持って知識を深めたいと感じる 聴こえる側からの無意識の差別や心を傷つけるような言葉について、改めて考えさせられた ・・・・・ 『デフ・ヴォイス法廷の手話通訳士』 NHK週末ドラマとして映像化されました コーダとして生きてきた主人公荒井尚人を草彅剛さんが演じます 聾者である尚人の家族や、他にも聾者として登場する役は実際の聾者の方々が演じています 12月23日土曜日 前編再放送 15:05〜 後編本放送 22:00〜 #デフヴォイス #デフヴォイスシリーズ #本好き #読了 #부엌독서실 #Puok読書室

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2023/10/24

3作目なのでだいぶん手話やろう者のことなど理解できるようになった。各章ごとに話が纏まっているので読みやすいが、問題点が最終章で全て解決しているのでとても読後感が良い。聴こえる者も聴こえない者も障害者もそうでないものも互いに歩み寄り支え合う、という言葉が胸に響いた。

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2023/06/17

なーんかまだまだ分かったようで全然分かってなかった。 今までずっと「全盲か全ろうだったら、視覚情報ある全ろうの方がまだ生活しやすいんじゃないか」って思ってたけど、コミュニケーションの部分で「聞こえない・話せない・伝わらない」っていうのはめちゃくちゃネックなんだって気づいた。 見...

なーんかまだまだ分かったようで全然分かってなかった。 今までずっと「全盲か全ろうだったら、視覚情報ある全ろうの方がまだ生活しやすいんじゃないか」って思ってたけど、コミュニケーションの部分で「聞こえない・話せない・伝わらない」っていうのはめちゃくちゃネックなんだって気づいた。 見ることしかできないのに、マスクで見えない、暗くて見えないのは全部無くなったのと一緒やんって。 幸村に五感奪われたときみたいな。 孤独だよなー。みんなの輪に入れないから。 私は10代の頃の日記に書いてた『常に少数派・弱者側の味方でありたい』っていうの、今もそうでありたいと思ってるし、なるべくそのようにしてるから、これからもどんな立場が少数派で社会的弱者なのか知って、寄り添いたい。

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2023/06/06

今回も安定した面白さ 最初の慟哭は聴こえないで、うっかり泣き、ろう者との大きな壁を改めて感じます 聴こえない、というハンデはあまりにも大きい それは見た目にはわからないものだし 見た目でわからないと、理解しにくい でも見た目でそれとわかると、近寄りにくい 世の中って不合理で...

今回も安定した面白さ 最初の慟哭は聴こえないで、うっかり泣き、ろう者との大きな壁を改めて感じます 聴こえない、というハンデはあまりにも大きい それは見た目にはわからないものだし 見た目でわからないと、理解しにくい でも見た目でそれとわかると、近寄りにくい 世の中って不合理で不条理 たとえ障害があってもなくても 互いに歩みより、思いを伝えることはとても大切 わかるだろう、じゃわからない

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2023/04/08

デフ・ヴォイス第三作。今回は聴覚障害者の生活面での困難を描いていました。 ろう者は119番を呼べない。日常生活はなんとかなっても、緊急時にはなすすべもなくなってしまう。今まで気づかなかった世界を教えてくれました。 誰しも色んな特性を持って生まれてきて、それらによって幸福を感じるこ...

デフ・ヴォイス第三作。今回は聴覚障害者の生活面での困難を描いていました。 ろう者は119番を呼べない。日常生活はなんとかなっても、緊急時にはなすすべもなくなってしまう。今まで気づかなかった世界を教えてくれました。 誰しも色んな特性を持って生まれてきて、それらによって幸福を感じることもあれば苦悩を抱くこともある。ネット119など、困った人を支える仕組みがもっと増えるといいな、と思いました。また、そういうことに気づける人間になりたい。

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