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慟哭は聴こえない デフ・ヴォイス の商品レビュー

4.3

62件のお客様レビュー

  1. 5つ

    22

  2. 4つ

    33

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2020/07/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

少しマンネリ化してきたかなー、とも思ったけど、意外と、うまくできてた。 殺人が疑われた節も、結局自然死だったし、出来すぎてきた主人公も最後は自分で解決する訳じゃなくて子どもが解決策を見つける方で落ち着いてたから、そこはなんかよかったなぁ。 まぁ、安定して面白かった。 しかし、テレビに写り混むって話、なんかほかの本か何かで見た気もするんだけど、何だったかなぁ。

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2020/07/21

「聴こえない者」と「聴こえる者」との間にあるのは、ただ音が聴こえるか聴こえないかという違いだけではない。 ろう者が身近にいなければ分からないことが、たくさんあるんだと驚いた。 ろう者が抱えている共通の問題があったとしても、その困難な状況を、「聴こえる者」達は全く理解できていない場...

「聴こえない者」と「聴こえる者」との間にあるのは、ただ音が聴こえるか聴こえないかという違いだけではない。 ろう者が身近にいなければ分からないことが、たくさんあるんだと驚いた。 ろう者が抱えている共通の問題があったとしても、その困難な状況を、「聴こえる者」達は全く理解できていない場合もあるんだと知った。社会の無理解が、ろう者達を孤独にしたり、困惑させたり、はずかしめたりしてしまう。 ろう者の生きている今の社会について考えるきっかけを与えてくれた。 専門書ではなく、小説なので、いろんな人が読んで、ろう者について考える機会が増えればいいなぁと思った。

Posted byブクログ

2020/07/03

3つのシリーズ通して、手話通訳の勉強中であり、特別支援教育・幼小教育にかかわる立場として、そしてこれから親となる身として、何かの節目に読んで、考えていきたい物語。 障害受容に、その上で考えなくてはいけないたくさんの選択肢。伝え合う手段、インテグレーション… まだ選択肢を選び...

3つのシリーズ通して、手話通訳の勉強中であり、特別支援教育・幼小教育にかかわる立場として、そしてこれから親となる身として、何かの節目に読んで、考えていきたい物語。 障害受容に、その上で考えなくてはいけないたくさんの選択肢。伝え合う手段、インテグレーション… まだ選択肢を選びとれない、自分とは全く違う道を歩むことであるであろう子どもの人生を考えることの葛藤や正解の分からない難しさを歯痒く感じた。 それは、ろう、はたまた障害の有無に限った話ではないんだけども。

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2020/06/28

まぁ 実にいろいろなことを 考えさせてもらます 題名「デフ・ヴォイス」からわかるように 聴覚障害を持つ方からとらえた 現代の諸問題を「小説」の形で 描いておられる それもミステリーを読み解いていくような エンターテイメントの要素もしっかり盛り込まれて 実に読み応えのある一冊にな...

まぁ 実にいろいろなことを 考えさせてもらます 題名「デフ・ヴォイス」からわかるように 聴覚障害を持つ方からとらえた 現代の諸問題を「小説」の形で 描いておられる それもミステリーを読み解いていくような エンターテイメントの要素もしっかり盛り込まれて 実に読み応えのある一冊になっています ここに描かれているのは 聴覚障害者が抱えざるをえない 現代社会の諸問題が描かれる のであるが、 これをマイノリティーの問題として とらえ直した時に 少数者であるがゆえに こうむってしまう事柄も 全く被ってしまうだろうな と思いながら 読んでいました 深読みができる一冊です

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2020/05/06

ろう者(聾者)を題材にした社会派ミステリー;デフ・ヴォイスシリーズの第3巻。 このシリーズは題材にろう者の世界やその課題(単純な例では110/119通報)を取り上げている事が魅力の一つです。でも、それをべたべたと甘い”善人しか出てこない心温まる優しいだけの小説”に仕立ててはいま...

ろう者(聾者)を題材にした社会派ミステリー;デフ・ヴォイスシリーズの第3巻。 このシリーズは題材にろう者の世界やその課題(単純な例では110/119通報)を取り上げている事が魅力の一つです。でも、それをべたべたと甘い”善人しか出てこない心温まる優しいだけの小説”に仕立ててはいません。変人と言って良いほどの誠実さを見せる手話通訳士の主人公や、全ての登場人物がみんな悩みを持ちながらも真摯に生きようとする姿が心地良いのです。 ですから”面白い”のは勿論なのですが、それ以上に”善い本”だと思うのです。 今回は長編では無く、4つの連作中編です。色々あって結婚したばかりの主人公夫婦(ろう者の家庭に生まれた唯一の聴者で小さい頃から家族と世間を繋ぐ役割を担わされてきた主人公・荒井尚人と警察官の奥さん・みゆき)、みゆきの子で中学生の美和、そして二人の間に生まれた瞳美。そういう主人公家族の成長物語でもあります。そして独特の空気感を持った作品です。少し重く、少し暗く、やや内省的なヒューマン・ミステリーです。 =========== この作品の中で主人公夫婦の高度難聴の新生児・瞳美に対する人工内耳手術が採りあげられます。「一人でも障害者を減らせるよう・・」と書かれたコラムを見た夫婦は、耳の聞こえない者=障害者は世の中に居てはいけない者なのか?と悩みます(ひどい極言をすれば相模原障害者施設殺傷事件です)。人工内耳そのものの問題点(幼児期の手術であり、会話と認識するためには様々な取組みが必要)もあって、最終的に夫婦は手術を受けず子供を「ろう者」=日本手話を母国語とする人間として育てることを決意します。 それが正しいのかどうか、私には判断できません。しかしそういう世界・考え方がある事は、このシリーズを読むと良く判ります。

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2020/03/31

ブックレビューで紹介しているデフ・ヴォイスシリーズ最新作 3作目。 「彼らは耳が聴こえないんだ、緊急の119番がしたくてもできないんです!」 タイトルの「慟哭は聴こえない」の中の1文。なぜ連絡できなかったんだ。という救急隊員の心ない言葉。したくても出来ないということに理解ができ...

ブックレビューで紹介しているデフ・ヴォイスシリーズ最新作 3作目。 「彼らは耳が聴こえないんだ、緊急の119番がしたくてもできないんです!」 タイトルの「慟哭は聴こえない」の中の1文。なぜ連絡できなかったんだ。という救急隊員の心ない言葉。したくても出来ないということに理解ができない。今回は医療通訳、雇用差別110番や119番の通報問題等聴覚障害者の問題をテーマとして書かれているため、強く共感した。 前作『龍の耳を君に』の事件を経て、コーダの手話通訳士・荒井尚人はみゆきと再婚し、娘が生まれた。娘は聴こえない子だった。 娘に工内耳をつけるかろう者として育てるか迷う話、またみゆきの娘の美和が、保育園ー小学3年生ー中学2年生と成長し、思春期を迎え、新井に対して態度が変わったことに少々驚いた。 四つの短編があり、それぞれ、ろう者の産科受診と出産「慟哭は聴こえない」、ろう者の芸能人「クールサイレント」、宮窪手話「静かな男」、聴覚障害者雇用差別裁判の「法廷のさざめき」。特に聴覚障害ではないが、「静かな男」は行旅死亡人で、独自の手話を使う漁師町を故郷を持つという背景が面白かった。

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2020/03/04

気持ちを「伝える」というのが どれほど気高いことなのか 声の言葉がでないからこその悩みが 胸を打ちます

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2020/03/10

この本はミステリーというよりも、ろう者の方々がどういう日常を送っているのか、どういう困難が有って、恒常的に不愉快を感じているのか。どういう文化の中で育っていくのか。そこを健聴者に伝える使命を持ったヒューマンドラマだと思います。 実際に失聴者の方が読んでどう思うのかは分からないので...

この本はミステリーというよりも、ろう者の方々がどういう日常を送っているのか、どういう困難が有って、恒常的に不愉快を感じているのか。どういう文化の中で育っていくのか。そこを健聴者に伝える使命を持ったヒューマンドラマだと思います。 実際に失聴者の方が読んでどう思うのかは分からないのですが、健聴者の視点から読ませてもらった時、実際のろう者の方の葛藤に寄り添っていると感じました。 毎回違った切り口で、マンネリに陥らない辺りは丸山氏の筆力もさることながら、実際に問題が山積みのろう者の世界だからこそ次から次へと新たな問題を描けるのだと思います。 毎回このシリーズの度に書くのですが、「日本語対応手話」と「日本手話」の違いを知るだけでもデフボイスという本を読む意義があると思います。 一遍通りに手話と言っても、最初から聞こえない人と、途中から失聴した人では言語の成り立ちが違います。 僕が失聴したとき、リンゴがリンゴであることを知っているので、日本語対応手話の「リンゴ」という単語を覚えることになります。 最初から聞こえない場合、リンゴを表す手話の単語を覚えます。これは日本語から離れた所で存在する全く別の言語「日本手話」です。 手話を習うという時、恐らく日本語対応手話を習う事になるでしょう。しかし生まれつきのろう者には伝わらないかもしれません。 この本の中にはろう者がぶつかる困難が色々書いてありますが、これだけで終わるわけもなく、日常のありとあらゆる事が困難だと感じるでしょう。 建物のバリアフリー化は何よりも最優先で進めなければいけない事ですが、心のバリアフリーを個々で進めていく事がとても重要だと感じます。 これはまさにみんな読んだ方がいい本だと思います。

Posted byブクログ

2020/01/27

「デフ・ヴォイス」「龍の耳を君に デフ・ヴォイス新章」に続く、3作目。 コーダ(ろう者の両親をもつ聴者の子のこと)の法廷通訳人、荒井尚人が主人公のシリーズだ。 1作目を読んだ時、同じ日本という国にいながら、聴覚障がい者について、その方たちが置かれていた過去や今なお続く現状につい...

「デフ・ヴォイス」「龍の耳を君に デフ・ヴォイス新章」に続く、3作目。 コーダ(ろう者の両親をもつ聴者の子のこと)の法廷通訳人、荒井尚人が主人公のシリーズだ。 1作目を読んだ時、同じ日本という国にいながら、聴覚障がい者について、その方たちが置かれていた過去や今なお続く現状について、本当に全く触れたこともなく、知ろうともしていなかったことに気付き、愕然とした。 3作目では、荒井は人生の新たな一歩を踏み出し、みゆきと結婚して美和の父親になる…今までためらっていた家族を築くのだ。そして、みゆきとの間に女の子が生まれ、瞳美と名付けるが、その子には聴覚障がいがあった。 4つの短編からなり、一つは荒井の目線ではなく、前作で登場した刑事の何森の目線で書かれている。 荒井が家族を持ち、父親となることで今までとはまた違った角度で考えるようになっている。 聴者と聴覚障がい者の間に立つ、コーダである荒井を通して自分もその世界を疑似体験することができる。 著者の丸山さんは、様々な人に取材し、またご自身も手話を勉強されているそうだ。あとがきでは、色々な方の協力があってこの作品ができていると書かれていた。 美化することなく、事実を捉えた小説だと思う。 2020.1.27

Posted byブクログ

2019/12/05

シリーズ3作目。聴覚障害者を取り巻く厳しい現実を描きつつ「一般市民」とのギャップを埋めようという試みに意欲的に取り組んでいる。アイランドサインという手話方言を取り上げた第3話に感涙。

Posted byブクログ