緋の河 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
カルーセル麻紀をモデルにしたお話。 子どもの頃は特に偏見や罵倒される時代だったなか、柔軟でしたたかに生きるヒデ坊が強くて、賢くて惹きつけられる。 モデルになっているカルーセル麻紀の姿が目に浮かびくるので、小説と映像の間の感覚が楽しい。「ホテルローヤル」よりもこちらの方が面白い。読後カルーセル麻紀のことがもっと知りたくなった
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桜木紫乃さんが自身と同じ釧路出身のカルーセル麻紀さんの少女時代を他の誰にも書かせたくはないと思ってカルーセルさんにお願いして書いた小説とのこと。 今でこそ性同一性障害という病名が認められて戸籍の変更も出来るようになったけれど、カルーセルさんの幼少期は女性言葉を使っただけでも周り...
桜木紫乃さんが自身と同じ釧路出身のカルーセル麻紀さんの少女時代を他の誰にも書かせたくはないと思ってカルーセルさんにお願いして書いた小説とのこと。 今でこそ性同一性障害という病名が認められて戸籍の変更も出来るようになったけれど、カルーセルさんの幼少期は女性言葉を使っただけでも周りから『なりかけ』と呼ばれ化け物扱い。それでも自分の生きたいように生きる事を選びゲイボーイとして歌と踊りとトークの技術を極めテレビ出演のチャンスを掴むことに。 見た目は美しい女性なのに突然男言葉でキレる所が面白かったですが、最近あまりお見かけしないと思っていたら、81歳の現在も映画に出演されてました。ネットで映画の公開記念のトーク場面を拝見したら年齢は重ねていてもお美しいままでした。素晴らしいですね。 この小説には続編があるようなのでそちらも是非読んでみたいと思います。
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カルーセル麻紀さんをモデルにした作品。その生き様に引き込まれるように一気に読んだ。現代ではLGBTが話題になるなどだいぶ理解が深まったと言われてきても、まだまだ性同一性障害の方々には生きづらい世の中だと思う。まして戦後間もない日本でその息苦しさは如何ほどだっただろうかと感じる。精...
カルーセル麻紀さんをモデルにした作品。その生き様に引き込まれるように一気に読んだ。現代ではLGBTが話題になるなどだいぶ理解が深まったと言われてきても、まだまだ性同一性障害の方々には生きづらい世の中だと思う。まして戦後間もない日本でその息苦しさは如何ほどだっただろうかと感じる。精神的病気にさせられてしまう時代だったんだな。母と姉の言葉の全てが心に沁みる。
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分厚くて、こりゃ挫折するやつだって思ってたけど 読むのに時間はかかったが、のめり込み面白かった 読み終わって、ちょっと自分の話し方が作中のカルーセル麻紀さんのようになってないか?って思ってしまった カルーセル麻紀さんの子供の頃の話しだが お母さんとお姉ちゃんがいたから、ゲイ...
分厚くて、こりゃ挫折するやつだって思ってたけど 読むのに時間はかかったが、のめり込み面白かった 読み終わって、ちょっと自分の話し方が作中のカルーセル麻紀さんのようになってないか?って思ってしまった カルーセル麻紀さんの子供の頃の話しだが お母さんとお姉ちゃんがいたから、ゲイとして生きてこれたのかな? お父さんとお兄ちゃんは、その時代なら当たり前なのか?っていうくらいの典型的な殿様気質の亭主関白って感じだし どこまでが実話なのかは、分からないが お母さんの弟が、ゲイだったようで 婿養子に迎えられたときに 女の人と結婚するのが苦痛で自殺してしまった そんな弟がいたから、お母さんは自分の息子がゲイ気質と気付いても生きていてくれればいいって息子を認めて素敵なお母さんだと思う 今でこそ、多様性の時代だか昔は世間的に大変だったと思うし カルーセル麻紀さん、これからTVで見る時は ちょっと今までと違った見方で見るかな? 生き様がカッコいい 釧路から誰にも話さず家出して、高校辞めてススキノで働くってすごい… 連れ戻され、今度はお姉ちゃんとお母さんには伝えてススキノで働く うん、すごい行動力
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カルーセル麻紀さんの少女時代を虚構で書いた作品らしい。と知ったのは読了後でしたが続編も読みたくなった。 今でこそジェンダーレスとかLGBTQとか向き合う風潮になっては来たけど当時の風当たりは想像以上だったでしょう。 一人の人間として自分を貫く生き様、リスペクトします!
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カルーセル麻紀を初めてTVで観たのはいつだったか 子供心になんて綺麗な女の人だと思ったのを覚えています。 今まで語られなかった彼女の人生を想像で書く 虚構に宿る真実を見てみたくて小説を書く 同じ釧路出身の作家・桜木紫乃のカルーセル麻紀へのリスペクトが作品から伝わってきました。 ...
カルーセル麻紀を初めてTVで観たのはいつだったか 子供心になんて綺麗な女の人だと思ったのを覚えています。 今まで語られなかった彼女の人生を想像で書く 虚構に宿る真実を見てみたくて小説を書く 同じ釧路出身の作家・桜木紫乃のカルーセル麻紀へのリスペクトが作品から伝わってきました。 差別や偏見が当たり前の時代に生きてきた彼女の 幼少期からTV出演が決まった時期までが書かれています。 過去で、美しく、孤独で、切なく、劇的で、潔く、笑えて、泣ける、ザッツ・エンターテインメント‼︎ 帯の煽り文句に嘘はなかった。
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カルーセル麻紀さんの幼少時代から20代前半までを、事実と虚構を織り交ぜながら描いた物語。 昨今、LGBTなどの言葉も浸透し、性同一性障害への理解も歩みは遅くても前進している気がするが、この物語の主人公、秀男が生まれた時代は偏見に満ち溢れていた。 同級生からのイジメや教頭からの...
カルーセル麻紀さんの幼少時代から20代前半までを、事実と虚構を織り交ぜながら描いた物語。 昨今、LGBTなどの言葉も浸透し、性同一性障害への理解も歩みは遅くても前進している気がするが、この物語の主人公、秀男が生まれた時代は偏見に満ち溢れていた。 同級生からのイジメや教頭からの暴力にもめげず、「あたしはあたしになりたい」と我が身を守る為に画策する秀男の姿に逞しさを感じる。 父や兄、弟妹にまで冷たくあしらわれても自分を貫く秀男には感嘆の思い。 どんな状況下でも秀男を認め、包み込む母と姉の揺るぎない愛情に胸が熱くなる。
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主人公の芸名が出たところで、カルーセル麻紀さんみたいな名前だなーと思ったら、後書きで名前がでてきてビックリ。幼なじみとの再会シーンが印象的だった。
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2002.9 うーん 偏見ではないはずなんだが自分と交わる部分が全く無くて、あまり入り込めなかった。がんばってなんとか読み終えた感じ。
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何の予備知識もなく読み始めたが、これはもしかしてカルーセル麻紀さんをモデルにしたお話なのではと気がつくとさらに読書熱が加速した。 強い心を持ち続けることに驚きと称賛、フィクションともつかぬ文章の素晴らしさにひきこまれ、時には母や姉の立場になりながら、秀男自身の気持ちになぞらえたり...
何の予備知識もなく読み始めたが、これはもしかしてカルーセル麻紀さんをモデルにしたお話なのではと気がつくとさらに読書熱が加速した。 強い心を持ち続けることに驚きと称賛、フィクションともつかぬ文章の素晴らしさにひきこまれ、時には母や姉の立場になりながら、秀男自身の気持ちになぞらえたりと気持ちをぐっと持っていかれた。北の風土と人物描写が素晴らしいのは桜木さんの真骨頂なのだろう。続編もすぐに読みたくてたまらない。
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