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正義の教室 の商品レビュー

4.6

99件のお客様レビュー

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2020/04/09
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※このレビューにはネタバレを含みます

主人公の高校生まさよし君が、同じ高校にかよう三人の女子高生と正義について考えていく。三人の女子高生はそれぞれ違った主張を持っている。幸福を最重要視する功利主義の子、自由を歳重要視する自由主義の子、道徳を歳重要視する直観主義の子と考えていく。それぞれの良いところ、問題点を上げて考え、一つの結論に導いていく。 色々な具体例を上げて議論は進んでいき分かりやすいが、高校生の対話形式にあえてこだわらなくてもよかったようなきがする。対話形式にしてしまったために、結局、わかったような、わからなかったような形で終わってしまった。残念です。でも、内容いい本です。でも、最後の話は要らないな。

Posted byブクログ

2020/03/22

『史上最強の哲学入門』『飲茶の「最強! 」のニーチェ』を読み、飲茶氏の作風や哲学に対するアプローチに共感するところがあったので、あえてこれまで読んだ作品とは異なるアプローチである"倫理の視点"からの哲学入門書を謳っている本書を購入。 また、東洋経済オンラインサ...

『史上最強の哲学入門』『飲茶の「最強! 」のニーチェ』を読み、飲茶氏の作風や哲学に対するアプローチに共感するところがあったので、あえてこれまで読んだ作品とは異なるアプローチである"倫理の視点"からの哲学入門書を謳っている本書を購入。 また、東洋経済オンラインサイトにて、本書のダイジェスト的内容が公開されていたことも、購入のきっかっけとなった。 奇しくも、新型コロナウィルスのパンデミックによる世界的自粛ムードの中で本書を読んだことにより、いつもより深く「正義」について考えることができたかもしれない。 哲学について知ろうとした場合、いきなり原著の訳書を読んでも難解なので入門書を手にするケースは多いと思うが、その入門書のアプローチとしては、ソクラテスから始まる西洋哲学の歴史を、時代を代表する哲学者とその代表的理論を挙げながら分かりやすい文体で記述したものが多いのではないだろうか。 著者の飲茶氏は"分かりやすさ"にこだわって数々の哲学入門書を世に送り出しているが、単に分かりやすい表現や言葉遣いで著しているだけでなく、哲学という取っ付きにくいテーマに対しても"エンターテインメント性"にもこだわっていることで、多くの読者に受け入れられているのだと感じるのは自分だけではないであろう。 それは、ただでさえ一般人には縁遠い哲学というテーマに対して、分かりやすい表現で単純に哲学者の歴史をダラダラ記述しても多くの読者の腹に落ちないのではないかという、著者の従来の哲学入門書への挑戦のようにも受け取れるのである。 本書は、「正義とは何か?」という倫理学における最大テーマともいえる題材を哲学入門書として扱うにあたり、"分かりやすさ"の表現手段として「私立高校を舞台とした小説」を採用している。 哲学入門書として"正義"という倫理的テーマ扱うことに対して、正義を扱った哲学史を時系列に並べ立てる無味乾燥な表現より、青春真っ只中の多感な高校生を主人公としたストーリー仕立ての方がよほど読者の心に響くのだろうと著者の飲茶氏は考えたのであろう。 また、高校生を主人公にしてはいるものの、"生徒会"と"高校の倫理の授業"という場面設定によって、未成年である高校生同士のヨコの対話(生徒会室内のコミュニケーション)だけでなく、倫理の先生とのタテの対話(授業内のコミュニケーション)の2軸でストーリーが展開されていくところは、高校という場を設定した著者の妙であるといえよう。 更に、本書では正義の判断基準は「功利主義」「自由主義」「直観主義」の3つしかないとしており、それが本書全体の最も重要なフレームワークとなっている。そしてこのフレームワークを基に、それぞれの主義を主張する3人の女子高生を主人公に設定し、各々の主張する主義の概要とその問題点を、高校生ならではの直情かつ明快な表現で読者に対しストレートに語りかけてくる構成となっている。これは、原著や典型的な哲学者の遠回しな表現よりも、より"読者目線"に立った構成といえるのではないだろうか。 正直本書を読む前は、高校生が主人公の哲学入門小説など、読みやすさだけを追求した内容だろうと想像していた。しかしながら読み進めてみると、平易な表現で読みやすいながらも、主人公が主張する主義に対応させる形で、その主義の提唱者である哲学者の紹介とその理論の解説もなされており、哲学入門書としての体も十分に保たれている。まさにこれこそが本書の最大の特長であり価値なのだと、読後改めて実感した。 そして、読者の予想を裏切るエンディング。 同時に、そのオチを受け容れなければ本書の核心を理解したことにはならないとした強いメッセージ。 この終わり方には賛否あるようだが、最後の最後まで、"哲学とエンターテイメント性の両立"を貫き通した著者に敬意を表したい。 2020年3月現在、新型コロナウィルスの蔓延によって各国の正義が問われている中、本書がこれからの社会に対して不安を抱いている多くの人々、とりわけ次代を担う若者に読まれることを願って止まない。

Posted byブクログ

2020/03/15

ストーリー仕立てで、たしかに読みやすい。 哲学の面白さはわかった気がしたが、ここに飛び込んでチャレンジしていく根気は自分には無い。

Posted byブクログ

2020/03/11

正義とは、善いとはなんなのかを大まかに功利主義、自由主義、直観主義、構造主義にわけてそれぞれの立場から明らかにしていくというものである。 ただ、哲学的なことを淡々と書き綴っているのでは無く、ストーリー調になっており、内容もかなり噛み砕いて書かれているのでかなり理解しやすい。 ま...

正義とは、善いとはなんなのかを大まかに功利主義、自由主義、直観主義、構造主義にわけてそれぞれの立場から明らかにしていくというものである。 ただ、哲学的なことを淡々と書き綴っているのでは無く、ストーリー調になっており、内容もかなり噛み砕いて書かれているのでかなり理解しやすい。 また、様々な具体例や仮説が用いられているため、正しいとはどういう事か考える上でもより深く考えさせられる。 全体的にストーリーも哲学的内容も十分で面白く読ませてもらえたが、最後の部分のストーリーだけがもう少し、 どうにかならなかったかなと思ってしまった……

Posted byブクログ

2020/02/29

1500円以上の価値が間違いなくある。買って損なし。 正義とは何か?について高校生が倫理の授業を通して哲学していく。 本来なら堅苦しい主義思想だったりするものだが、本書では本当に分かりやすく最低限の業界用語で説明している。 マニアックな話や単語もなく、哲学についての教養を深め...

1500円以上の価値が間違いなくある。買って損なし。 正義とは何か?について高校生が倫理の授業を通して哲学していく。 本来なら堅苦しい主義思想だったりするものだが、本書では本当に分かりやすく最低限の業界用語で説明している。 マニアックな話や単語もなく、哲学についての教養を深める為の入門書としては最適だと思う。図や絵のイメージもあり理解を助けてくれる。 故に、専門的な事が知りたい人にはお薦めできない。 登場する3人のヒロインが別々の3つの正義思想を体現していて、それぞれの長所を授業で学び、宿題として問題点をディスカッションしているので、哲学書にありがちな読者が置いてけぼりを喰らう様な事にはならない。 人によっては推しの思想を持つヒロインを応援したくなる気持ちもあるだろう。 そして本書最大の見所は正義に対する一つの答えを導くところ"ではなく"、エピローグのラスト3ページにある事を宣言しておく。 正直誰も予想出来なかったんじゃないかな?見事にしてやられました。

Posted byブクログ

2020/02/29

善く生きるための哲学を、高校の生徒会活動のストーリーを使って分かりやすく説明した本。 今まで、哲学、正義などの論争は一切興味が無く、むしろ毛嫌いしていたが、この本は初心者にも非常に分かりやすく、読みやすくまとまっている。 3種の正義、平等、自由、宗教がある事を知り、少し世界観が...

善く生きるための哲学を、高校の生徒会活動のストーリーを使って分かりやすく説明した本。 今まで、哲学、正義などの論争は一切興味が無く、むしろ毛嫌いしていたが、この本は初心者にも非常に分かりやすく、読みやすくまとまっている。 3種の正義、平等、自由、宗教がある事を知り、少し世界観が広がった気がする。流石にこれ以上突っ込んで勉強する事まではできないが、良書だと思う。 個人的には、最後のストーリーが.....

Posted byブクログ

2020/02/21

主人公が講義を受け、考える形式で話は進む。 何が正義か。 何が善か。 改めて難しい問題だと感じた。 家族を救うために、多くの人の犠牲を伴う場合、どんな行動が、正義か、善か、と言う問題。 私は、家族を救おうと思う。 正義でも善でもないかもしれない。 愛、というと美しすぎる表現な...

主人公が講義を受け、考える形式で話は進む。 何が正義か。 何が善か。 改めて難しい問題だと感じた。 家族を救うために、多くの人の犠牲を伴う場合、どんな行動が、正義か、善か、と言う問題。 私は、家族を救おうと思う。 正義でも善でもないかもしれない。 愛、というと美しすぎる表現なのだろうか。 執着、生命をつないできた生き物としての本能。 正義、善、愛。 執着。 本能。 エンディングは、考えさせるつもりの仕掛けだとは理解するものの、醜悪。

Posted byブクログ

2020/02/15

正義とは何かについて、ストーリー形式で考えていく。 引き込まれるストーリー展開と、正義とは何か、過去に巻き起こってきた論争の要旨と現代哲学者の見解を説明する。 著者独自の観点が非常にわかりやすいため、初学者の方や過去に哲学アレルギーになった方にもおすすめ。

Posted byブクログ

2020/02/10

『権力に逆らう人間は排除しなくてはならない』から、『人間は誰しも正常に生きなくてはならない』という意識の変化が起きたのだ。この変化は、人類史においてはつい最近のことなのだ。

Posted byブクログ

2020/01/05

哲学書 というよりも 哲学的に考える為の本 とても身近な話題から入り、それぞれの考え方を分かりやすく伝えている。 それぞれの考え方にもっと深く関わりたいと思える。

Posted byブクログ