正義の教室 の商品レビュー
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薄っぺらい正義感を問い直す。 ドラマ仕立てになっていて、例えば焼きそばパンの転売をどう捉えるかなど、身近な分かりやすい出来事から入って自然と正義について考えるようになっている。 ロールズという哲学者の無知のヴェールという思考実験が興味深い。 自分自身のアイデンティティが全く分らないと仮定して、どういった社会制度を選ぶかを考える実験で、自分の性別も年齢も人種も宗教も何かも白紙にしてスタートするのである。 (こういった想像力は実はとても大事なことだと思う。これの欠如からあらゆる争い事は生まれている。) この思考実験をしてみると、二つのことが万人共通の正しさとして浮かび上がって来るという。 それは自由原理と格差原理。 なるほどね。 他にも多くのことを気付かせてくれる。 ドラマのオチはちょっとびっくりするかもしれないけど。
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三種の正義 平等 平等の正義 功利主義 最大多数の最大幸福 ベンサム 快楽計算 自由 自由の正義 自由主義 弱い自由主義と強い自由主義 愚行権 人間には自分の意思で不幸になる権利がある 弱い自由 自由より幸福 功利主義 強い自由 幸福より自由 宗教 宗教の正義 直観主義 枠の外側 イデア論 ソクラテスとニーチェ ロールズ 無知のベール をかぶると排除される側だったらと想定するよね。 格差原理 ベール被ると、金持ちだったらの私と貧乏だったらの私を想像する。裕福な暮らし認めるけど、最低保障もしてよね。 善や正義は枠の外 直観主義は、直ちに観る 正義の概念を直接的に観る 相対主義 他と比べて価値が決まる。ゆえに絶対的なものはない 絶対主義 絶対正しい、善いというものが存在する ソクラテス 善く生きる プラトン イデア論 善や正義のイデア 概念は物質を超えた世界に存在してる
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小説のようなストーリーで進んでいくので読みやすく、 難しい言葉も無かったので話がわかりやすかった。 350ページ弱と結構ボリュームがあるが面白かったのでスラスラ読めた。 「正義とは何か?」無理矢理ひと言にまとめると、 他者の視線や監視に惑わされず自分が善いと思った通りに生き...
小説のようなストーリーで進んでいくので読みやすく、 難しい言葉も無かったので話がわかりやすかった。 350ページ弱と結構ボリュームがあるが面白かったのでスラスラ読めた。 「正義とは何か?」無理矢理ひと言にまとめると、 他者の視線や監視に惑わされず自分が善いと思った通りに生きる。これが正義。という結論。 つまりは自分の人生を生きろ。他人の人生を生きるな。って感じかな。 色んな哲学者や、思想が出てきて、とても勉強になる本でした。 哲学初心者の方におすすめしたいです。
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小説でも漫画でも、正義について考えさせられる作品はいくつもあるし、そういう作品は好きだ。しかし、これはそういった作品たちと一線を画す。 哲学の歴史に基づきながら学問的に正義を考えていくが、全く堅苦しくない。 登場する3人の女子生徒会役員の名前が正義に対する価値観をそのまま現してい...
小説でも漫画でも、正義について考えさせられる作品はいくつもあるし、そういう作品は好きだ。しかし、これはそういった作品たちと一線を画す。 哲学の歴史に基づきながら学問的に正義を考えていくが、全く堅苦しくない。 登場する3人の女子生徒会役員の名前が正義に対する価値観をそのまま現しているのはわかりやすくて好き。 倫理、千幸、自由(みゆう) 主人公の正義(まさよし)は正義なんてあるの?と懐疑的な思想を持っていたが、最後はある結論に行き着く。その結論にはすごく共感したし、なるほどなあと思った。 そして何より、飲茶さんの作品は読者を「笑わせる」ことを忘れない! 本当に最高の作品でした。
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『これからの正義の話をしよう』は挫折したけど、 これは普通に面白くて読んでて楽しかった。 正義って行動や考え方だけじゃなくて、考え抜いた人そのものが正義だったりするんかな。
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パノプティコンっていうワードを覚えました。 総監視社会は止められない。 ではその中でどう生きていくか? どんな物差しで行動をはかっていくか。 基本になる心理学について、小説仕立てで分かりやすく小学校高学年くらいから読めるかな。
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とにかく面白い。 一気に読んでしまった。 衝撃の結末。 しかし、それを「衝撃」だと思ってしまった時点で、やはり私も 構造で判断している。 それが善い行動だと思うなら、それが自分の正義だ、 誰も、本書のエンドロールを否定も肯定もできない。
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主人公の頼りない男子生徒会長と、強烈なそれぞれの正義を持つ3人の女子生徒会役員が、倫理の授業を通じて本当の正義について考えるストーリー。とても勉強になった。 最大多数の最大幸福を主張する平等の正義=功利主義、しかし突き詰めると、例えば5人を生かすために1人を殺すことを是としてし...
主人公の頼りない男子生徒会長と、強烈なそれぞれの正義を持つ3人の女子生徒会役員が、倫理の授業を通じて本当の正義について考えるストーリー。とても勉強になった。 最大多数の最大幸福を主張する平等の正義=功利主義、しかし突き詰めると、例えば5人を生かすために1人を殺すことを是としてしまう。 幸福よりも人々の自由と自己責任を絶対視する自由の正義=自由主義、では明らかに自身も不幸になるようなことをしようとする人にも自由を認めるのか? 人知を超えた絶対的正義が世の中にはあるという宗教の正義=直観主義、しかし人知を超えたものをどう認識するのか… 結局、コレが正義だ!というものはなく、誰に見られても恥ずかしくない、自分が善いと信じることをやり続けるのみ、ということで締め括られている。 最終章までは余裕の★5だったが、最後のオチが…これ必要だったかな…でもこれに納得できないとやっぱりこの本の趣旨を理解できてないってことなんかな。。
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わかるだろうか? もはや人間が「人間にとって正しい社会」を作っているのでは無い。社会が「社会にとって正しい人間」を作っているのだ。とっくに主従関係は逆転してしまっているのだ。 「社会」を「経済」に置き換えてみる。 前から感じていた違和感をやっと言葉にできた気がする。 自分の頭で「...
わかるだろうか? もはや人間が「人間にとって正しい社会」を作っているのでは無い。社会が「社会にとって正しい人間」を作っているのだ。とっくに主従関係は逆転してしまっているのだ。 「社会」を「経済」に置き換えてみる。 前から感じていた違和感をやっと言葉にできた気がする。 自分の頭で「善」を考える。 そうやって生きて行きたい。
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非常におもしろい! 哲学が難しいと思っている人であれば、 これ一冊で間違いなく世界が広がるはずだ。 ここまで平易な言葉で哲学について説明している本はなかなかないだろう。 そのために一役買っているのが「物語形式」ということと、 正義をテーマにしていることだ。 この本を読むことで、世...
非常におもしろい! 哲学が難しいと思っている人であれば、 これ一冊で間違いなく世界が広がるはずだ。 ここまで平易な言葉で哲学について説明している本はなかなかないだろう。 そのために一役買っているのが「物語形式」ということと、 正義をテーマにしていることだ。 この本を読むことで、世の中で多くの争いは 3つの立場の正義のぶつかりあいによって起こっていることがわかり、 頭の中がスッキリするはずだ。 また、この本を読むことで、自分がどの立場からものを考えているのかや、 今の自分の言動は本当に正しいのかを見直すきっかけにもなるはずだ。 ただし、説明のためのキャラクター設定や物語を作っているため、 小説としての出来はいまひとつ。 ただ、これ以上小説部分を充実させるとテーマが頭に入って来づらくなるかもしれないため、 哲学の理解を深めるという目的のためにはこれで良いのかもしれない。
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