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リーチ先生 の商品レビュー

4.1

105件のお客様レビュー

  1. 5つ

    41

  2. 4つ

    28

  3. 3つ

    27

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2021/12/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日本を愛し陶芸に打ち込んだリーチ先生とその弟子のカメちゃん。濱田先生や柳先生、白樺派の作家達も登場し、なんとも胸熱な展開になる。リーチ先生の陶芸に対する弛まぬ追究と、リーチ先生を目標に切磋琢磨するカメちゃんとの関係がとても素敵。 別れの時は泣いてしまいました。手元に残しておきたい一冊。

Posted byブクログ

2021/04/04

文庫本の分厚さにめげそうになったが、登場人物の個性にメリハリがあり、飽きずに読み進められた。マハさんお得意の、歴史の隙間に存在したかもしれない人からみた芸術家の素顔。バーナード・リーチさんや焼き物の存在、民藝運動をこの本で詳しく知ることになり、店頭に並ぶ焼き物にすこし興味を持つよ...

文庫本の分厚さにめげそうになったが、登場人物の個性にメリハリがあり、飽きずに読み進められた。マハさんお得意の、歴史の隙間に存在したかもしれない人からみた芸術家の素顔。バーナード・リーチさんや焼き物の存在、民藝運動をこの本で詳しく知ることになり、店頭に並ぶ焼き物にすこし興味を持つようになったな。 日本が自分の国の文化の価値や魅力に無自覚であるという、本前半に語られるリーチの言葉は、今の日本にも通じるところがある。

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2021/02/28

面白かった。心に染みる物語。 史実をもとにしたストーリ。 陶芸の世界において、実在の人物バーナードリーチとフィクションの人物亀之介の子弟の物語。そして、亀之介と高市親子の物語。 最後ぐっと来ます。 ストーリとしては、 1954年、大分の小鹿田を、有名なイギリス人陶芸家バーナード...

面白かった。心に染みる物語。 史実をもとにしたストーリ。 陶芸の世界において、実在の人物バーナードリーチとフィクションの人物亀之介の子弟の物語。そして、亀之介と高市親子の物語。 最後ぐっと来ます。 ストーリとしては、 1954年、大分の小鹿田を、有名なイギリス人陶芸家バーナード・リーチが訪問。そこで、リーチの世話をするため高市が指名されます。 リーチと高市が話をしていく中で、亡父の亀之介がかつて、リーチに師事していたことを知ります。 そして、時代がさかのぼり、1909年。 日本の美を学ぶため来日したリーチを亀之介が師事することになり、二人の子弟関係が始まります。 ここから、亀之介の視点からみたリーチとの二人の関係が語られていきます。 そして、二人は陶芸の道へ.. 柳宗悦や濱田庄司との出会いと芸術への語らい。 さらには、イギリスに戻って、イギリスで窯を構えることに。 それをずーーと支える亀之介 亀之介から語られるリーチの人物像 暖かく、優しい。日英の懸け橋となるという熱い想い。 そして、別れ.. 再び、エピローグで語られる高市とリーチとの会話。 そして、初めて知る亡父の想い。 熱いものがこみ上げます。 「名もなき花」 胸に刺さりました。 これは、お勧め

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2021/02/27

いい小説でした。原田マハさんの書く物語は、読み終えたときに気持ちが温かくなるから好きです。 『リーチ先生』ことバーナード・リーチや柳宗悦、高村光太郎、岸田劉生、武者小路実篤…登場人物の豪華な顔ぶれに圧倒されます。白樺派を立ち上げる若い芸術家たちの、エネルギーに満ち溢れた様子や、リ...

いい小説でした。原田マハさんの書く物語は、読み終えたときに気持ちが温かくなるから好きです。 『リーチ先生』ことバーナード・リーチや柳宗悦、高村光太郎、岸田劉生、武者小路実篤…登場人物の豪華な顔ぶれに圧倒されます。白樺派を立ち上げる若い芸術家たちの、エネルギーに満ち溢れた様子や、リーチが陶芸に出会った場面の描写など、とても生き生きしていて、読んでいてワクワクしました。 大分県出身の私にとって小鹿田焼の器は子供時代食卓に普通にあった懐かしいもの。祖母や母がしていたように、私も使ってみたくなりました。 リーチの助手である亀之介は架空の人物ですが、解説で阿刀田高さんが書かれているように、この亀之介の存在感がものすごくリアルで、実在の人物にこれだけ上手くフィクションの人物を絡めて描けるマハさんのストーリーテリングは圧巻です。そして、リーチと亀之介の師弟関係の美しさに心打たれます。 「名もなき花」という言葉が胸に響きました。

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2021/02/02

まず読んで、「スカーレット」を思い出した。 何を隠そう、朝ドラファンである。 その中でも一番好きなのは戸田恵梨香さん演じる女性陶芸家を描いた「スカーレット」だ。 こちらは、リーチ先生なる陶芸家を、戦前と戦後、亀之介、高市二代の父子の視点で描いた物語。 リーチ先...

まず読んで、「スカーレット」を思い出した。 何を隠そう、朝ドラファンである。 その中でも一番好きなのは戸田恵梨香さん演じる女性陶芸家を描いた「スカーレット」だ。 こちらは、リーチ先生なる陶芸家を、戦前と戦後、亀之介、高市二代の父子の視点で描いた物語。 リーチ先生はイギリスから高村光太郎の仲介で日本に渡り、そこから長くにわたりリーチの助手となる亀之助と出会う。 当初の目的であったエッチングの教室を始めるが、ある日陶芸体験をすることで彼の運命が変わる。陶芸家になることを決意し、その頭角を現していく。 亀之介はリーチ先生の才能に惚れ、彼の元に集まる多くの芸術家の友人達からも刺激を受け、やがて自身も陶芸の道を志すようになる。 後半はロンドンが舞台。ロンドンに共に移り、理想の土を探し、リーチの工房を作り、徐々に拡大していく。 そして二人の別れ。 陶芸の描写はもちろん、彼らの人間関係も終始丁寧に描かれていることもあり、その別れのシーンは私も悲しくなってしまった。 リーチ先生と亀之介の出会いと長い歴史。 それを、息子の高市は図らずも父親ではなく、奉公先でリーチ先生を短期で迎えることになったそのときに、リーチ先生の口から聞くことになる。 父親亀之介の、自分の知らなかった半生。 そして、その芸術家としての血は、しっかりと高市にも流れているのだった。 ラストもすごく良いです。 原田マハさんの骨太な作品、と言う印象。 (そして実際ページ数も多い) マハさんは絵画だけでなく、陶芸にも詳しいのか、と、感心せずにはいられない。 文中に登場する、柳宗悦による「用の美」という考え方にも共感する。 ただ美しいだけではなく、実用的であること。 陶芸品はまさに、その考え方が投影された芸術品であり実用品だ。 きっとものすごく勉強したんだろうな。 絵付、釉薬、窯、火の番。 スカーレットを思い出すワードが沢山。 翡翠色の欠片。頭の中で想像すると、ワクワクした。 陶芸、いつか私もやってみたいな、と思う。 師との出会いで、自分の人生は変わる。考え方も大きく変わる。 「メンター」と呼ばれる存在が自分にとって3人いると良いと言う。 私も、頭の中で浮かぶ人、4人います。 実際に今は自分の近くにいなかったとしても、何か迷ったとき、 「この人なら、どういう選択をするかな」と思う人。 こういった自己啓発系の本は沢山出てると思うけど、 私はあまりビジネス系や自己啓発本はあえて読まないようにしています。 考え方を押しつけられるより、物語の中で自然と色んな考え方を自分なりに見つけて、自分の中に取り入れていきたい。 やっぱり、物語が、小説は私は好きだなぁ。

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2021/01/24

大好きな祖母を見送って1週間。本作を読み終わって何故だか急に、この世にはもう祖母が居ないという現実に襲われ、涙が止まらなくなってしまった。と同時に、何かを成し遂げたいという思いが湧き起こり、不思議と清々しい気分になった。富本さんの「芸術にまつわる啓示は、突然降りてくるものさ」とい...

大好きな祖母を見送って1週間。本作を読み終わって何故だか急に、この世にはもう祖母が居ないという現実に襲われ、涙が止まらなくなってしまった。と同時に、何かを成し遂げたいという思いが湧き起こり、不思議と清々しい気分になった。富本さんの「芸術にまつわる啓示は、突然降りてくるものさ」という言葉が言霊のように心に響いて離れない。誰からも好かれた祖母。辛いとか寂しいとか言ったことのない強い心を持ったばぁちゃん。いつでも誰にでも感謝を忘れなかったばぁちゃん。学ぶことばかりでした。そんなばぁちゃんに恥じぬ様、生きていゆこうと心に決めた今日。啓示が突然降りてきた。 このタイミングで本作を読めてよかった。これもひとつの啓示かな。ありがとう。天国で見守っていてね!

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2021/01/21

読みやすいし勉強になるけど 面白い本ではない 空想の人物カメのすけに自我が無さすぎて 感情移入できない カメのすけの人物像のせいで、全体をやっすぽい三文小説にさせている

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2021/02/06

大分の小鹿田焼き、佐賀の伊万里焼などの民陶品をはじめ、柳宗悦の民藝運動・イギリスのArts and Crafts movement等、民藝品の尊さと価値を人々に再確認させる本だなと思います。戦争や大震災などの歴史的背景とともに描かれるバーナード・リーチと柳宗悦を、空想の人物である...

大分の小鹿田焼き、佐賀の伊万里焼などの民陶品をはじめ、柳宗悦の民藝運動・イギリスのArts and Crafts movement等、民藝品の尊さと価値を人々に再確認させる本だなと思います。戦争や大震災などの歴史的背景とともに描かれるバーナード・リーチと柳宗悦を、空想の人物である亀之助がその素晴らしさをより一層引き立てる素晴らしい小説でした。原田マハさんアート小説は、フィクションとなる空想の人物を本当に居たかのように登場させ、事実をより一層人々に伝わりやすくかつ、面白く伝える素敵な作品なだなと思います。 ただ少ーしだけ長いなと感じてしまった。でもページ数にしては、非常に読みやすくあっという間でした。

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2020/12/26

五感が刺激される。 マハさんの作品は本当にノンフィクションに近いフィクションである事。 どうも頭が混乱するくらい架空の人物達がすんなり馴染む。 美術や芸術が好きなのはもちろんだけれど、より触れたり見たり伝統の大切さから人との繋がりが暖かくこういう人になりたいと思う人物が沢山描かれ...

五感が刺激される。 マハさんの作品は本当にノンフィクションに近いフィクションである事。 どうも頭が混乱するくらい架空の人物達がすんなり馴染む。 美術や芸術が好きなのはもちろんだけれど、より触れたり見たり伝統の大切さから人との繋がりが暖かくこういう人になりたいと思う人物が沢山描かれていることも私は刺激される。 そして出てくる画家や陶芸家の作品を改めて見たくなるスイッチを入れてもらえる刺激が私にはありました。

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2020/08/15

良質な朝ドラ感。バーナード・リーチの生涯も、民藝運動もよく知らなかったので、入門として程良かった。 悪人はいないし、多少ドタバタしつつも概ね全てのことが順調に進んで行くので、かなりストレスフリーに読める。その分、物足りなさもあったり。

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