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あのこは貴族 の商品レビュー

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370件のお客様レビュー

  1. 5つ

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2024/02/08

砂糖もバターも入ってないクッキーは味気なくてボソッとして美味しくない。女性作家の書くものは大抵そんな風に思っていた。思っていたけどこれはちょっと違う。展開が気になる。心理描写に長けているってだけで、読書の推進力こんなに違うんだなと思った。 クローズドな社会のリアルな実相は薄々は感...

砂糖もバターも入ってないクッキーは味気なくてボソッとして美味しくない。女性作家の書くものは大抵そんな風に思っていた。思っていたけどこれはちょっと違う。展開が気になる。心理描写に長けているってだけで、読書の推進力こんなに違うんだなと思った。 クローズドな社会のリアルな実相は薄々は感ずいていたけど、描かれている人物たちがイキイキしるから隣家の庭の様子を覗いている感覚で「あーやっぱりそういう人たちだったのね」って妙に納得しちゃった。 自分のことを言われているようでドキッとしたりもして、いろいろな感情がさざ波みたいに生まれては消えていく。鋭い観察眼と的確な描写。無駄もあるようでない。いや、無駄も無駄で心地良い。すべてが作者の持ち物(才能)で構成されていることに、ちょっとばかし嫉妬も感じる。 ラストの一歩ずつ前向きに歩きだそうとする華子にホッとした。「ガンバれよ」って声をかけたくなる。読後感はどこかスッキリした感覚が芽生えてきて、唐揚げを食べたあとにハイボールをグイッとやったときに似ていた。やられたね。1年後の今日、また読みたくなるかもしれないな。

Posted byブクログ

2024/02/03

自分が感じていても人に言っていないこととか、そういう気持ちを他の人も同じように持っているんだなって、読んでいて私も同じって何度も思った。 婚活がうまくいかないことは自分に原因があるんじゃないかと悩むことがあるけど、やっぱり合わない人とは合わないし、無理することもないなと前向きにな...

自分が感じていても人に言っていないこととか、そういう気持ちを他の人も同じように持っているんだなって、読んでいて私も同じって何度も思った。 婚活がうまくいかないことは自分に原因があるんじゃないかと悩むことがあるけど、やっぱり合わない人とは合わないし、無理することもないなと前向きになれた。 サラサラと展開が進んでいくしわかりやすいから、普段は本よりスマホな時間の空き時間にも気になって読んでいた。とても軽い気持ちで読めるのに共感できるところもたくさんあって、最近読みたい本が見つけられず悩んでいたけど、久しぶりに読書って面白いと思った。

Posted byブクログ

2024/01/31

日本は「格差社会」ではなく、「階級社会」 「階級社会」に生きる人はその世界の中にずっといるから、それ以外の世界を知らない。同じ場所に居続けて、日本という国を牛耳っている。彼らは出自を自慢することがないから、狭い人間関係で回っていることが庶民にとっては巧妙に隠されているように見える...

日本は「格差社会」ではなく、「階級社会」 「階級社会」に生きる人はその世界の中にずっといるから、それ以外の世界を知らない。同じ場所に居続けて、日本という国を牛耳っている。彼らは出自を自慢することがないから、狭い人間関係で回っていることが庶民にとっては巧妙に隠されているように見える。 「だから将来、国会議員にならなきゃいけない家に生まれた男の子は、思いっきりわかりやすい名前つけるんだって。太郎とか一郎とか。そうすればどんな学のない人にもすぐ憶えてもらえるし、刷り込みで投票用紙に書いてもらえるから」 東京は都会であり、その中に様々な世界がある、というのは知っていたつもりだったが、現代にも「貴族」みたいな制度があり、「貴族」みたいな人がいるのだなあと新しい世界を知れた。 鬼籍 驕慢 アテンド ミーハー 興信所 堅気 切子玉 心中天の網島 釣った魚に餌やらない問題

Posted byブクログ

2024/01/29

華子や幸一郎みたいに安心安全な世界で生きてきた人たちもまた、その小さな世界の中で苦労しているんだなと思った。どこに生まれてもだいたい結局は自分次第。 自分で考えて地に足つけて生きていかないといけないんだと身が引き締まったような気持ち。 わたしは地方生まれのごく一般的な家庭の娘だ...

華子や幸一郎みたいに安心安全な世界で生きてきた人たちもまた、その小さな世界の中で苦労しているんだなと思った。どこに生まれてもだいたい結局は自分次第。 自分で考えて地に足つけて生きていかないといけないんだと身が引き締まったような気持ち。 わたしは地方生まれのごく一般的な家庭の娘だけど、華子と重なる部分もあって自分を見ているように感じることもあった。 分かりやすく無駄のない文章で物語の雰囲気に合っていたと思う。また時間を空けて読みたい。

Posted byブクログ

2024/01/25

すごく面白かった!!!! アラサーのドロドログログロしたところを描写されてるんかと思ったら全然そんなことなくて!!! すごく読みやすかった!! なんかひとつひとつの文章にすごく納得させられました。言語化がうますぎる!!!!

Posted byブクログ

2024/01/17

27歳、上京するか自分がどう生きたいか迷っている時にこの作品に出会えた事 本ってすごいなぁと改めて思いました。読みやすく、毒が1滴も無いです。

Posted byブクログ

2024/01/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

山内マリコ作品3冊目の読了。 これまでのところ本作が一番好き! 2024年の読書初めとしても ふさわしかった! お正月の描写で始まるので。 華子が自分の殻も生まれの殻も破ってくれてよかった。

Posted byブクログ

2023/12/26

そうそうそう!と終始頷きながらあっという間に読んでしまいました。「日本は格差社会ではなく、貴族社会」全くその通り。格差社会ってのは平民の間で起きてる現象ですね。

Posted byブクログ

2023/12/16

もうすぐ上京して9年になるが、ずっと東京は場違いで馴染めない。恋人がいない、結婚をしていないだけで哀れに思われる女の世界で、自分にとって納得のいく人生とは何だろうとよく考える。自己肯定感を得るために、今後自己肯定感を得られる日が来るのかはわからないけど、いつか周りの人と堂々と対等...

もうすぐ上京して9年になるが、ずっと東京は場違いで馴染めない。恋人がいない、結婚をしていないだけで哀れに思われる女の世界で、自分にとって納得のいく人生とは何だろうとよく考える。自己肯定感を得るために、今後自己肯定感を得られる日が来るのかはわからないけど、いつか周りの人と堂々と対等でいられるように、今は東京で地に足をつけて生きていこうと思った。

Posted byブクログ

2023/12/11

隣の芝は青い そして心を開いて言葉を交わしコミュニケーションをとれば、思ったよりいい人達は多いのかもしれないと思った 分かりやすいステータスや見た目に囚われて対峙しようとしないから、お互い分からないままになっていることもあるのかな なんかもっとドロッとして、嫌な女の人の話だ...

隣の芝は青い そして心を開いて言葉を交わしコミュニケーションをとれば、思ったよりいい人達は多いのかもしれないと思った 分かりやすいステータスや見た目に囚われて対峙しようとしないから、お互い分からないままになっていることもあるのかな なんかもっとドロッとして、嫌な女の人の話だと思っていたけど全くそんなことなくて、寧ろ読み終わった後はなんかすっきりした気持ちになった 来年から上京し、社会人になる立場の私にはかなり刺さった本

Posted byブクログ