あのこは貴族 の商品レビュー
東京生まれ東京育ちの自分は、地方に生まれていたら東京に来たかっただろうかと思うと、きっと来ていないだろう。身近な場所がたくさん出てきて面白く読めた。
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女同士分かり合えないと分断してくるのは、社会構造だったり男性の価値観だったり、いつだって女性の外側で。でも本当の意味で理解し合えるのはやはり女同士なんだよなぁ。その描き方がよかった。 今までの当たり前だった価値観を見直し、自分の足で生きていく決意を取ることを丁寧に描いているのだ...
女同士分かり合えないと分断してくるのは、社会構造だったり男性の価値観だったり、いつだって女性の外側で。でも本当の意味で理解し合えるのはやはり女同士なんだよなぁ。その描き方がよかった。 今までの当たり前だった価値観を見直し、自分の足で生きていく決意を取ることを丁寧に描いているのだけれど、現実はそれだけじゃあ甘くって。現実は、後々後悔してまた元に戻ってしまうんだよなぁ。 でも、元に戻ったとしても、恵まれた環境に疑問すら持たずそのまま生きてしまうよりはマシなのかな。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
私の大学でも内部生が多いけど、この本ほどは格差がない。でも、大学に入ってお金持ちな人ばかりで戸惑うことが多かった。 この本の中盤までは、うんうん、と思うことが多くて、とても良かった。だけど、華子がなぜ離婚を決断したのかの過程をもう少し描いてほしかった。 東京出身、生まれた時からお金持ちということは、そのありがたさもよくわからないし、それはそれで窮屈なのだと思った。 映画も見てみたいな。
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とてもよかった。 特に「女同士の義理」の話。 私も心に留めておこう。 いつから私たちはお互いにマウントを取り合い、互いを比較し、有利な状況を作らなきゃ生きていけない世の中を作ってしまったんだろうな きっとそうすることで都合のいい人たちがたくさんいたんだろう でも他人と比較する...
とてもよかった。 特に「女同士の義理」の話。 私も心に留めておこう。 いつから私たちはお互いにマウントを取り合い、互いを比較し、有利な状況を作らなきゃ生きていけない世の中を作ってしまったんだろうな きっとそうすることで都合のいい人たちがたくさんいたんだろう でも他人と比較するだけ人生の無駄で比べるとするなら過去の自分であり、自分自身にマウント取る方が幸せじゃないかなとこの本を読んで思った 高校生の時の自分、30過ぎても人生は案外楽しいよ、と。 心の衛生状態が良くない時にまた読もうと思う
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東京の金持ちの家に生まれた箱入り娘の華子。地方の漁師の家に生まれ大学進学を機に上京した美紀。生まれ育ったバッググラウンドか真逆の2人が、青木幸一郎という超上流階級の男をきっかけに巡り会うお話。私は美紀と境遇が似過ぎてて、共感しっぱなしだった(笑) 華子の考え方とか世間の狭さは、庶...
東京の金持ちの家に生まれた箱入り娘の華子。地方の漁師の家に生まれ大学進学を機に上京した美紀。生まれ育ったバッググラウンドか真逆の2人が、青木幸一郎という超上流階級の男をきっかけに巡り会うお話。私は美紀と境遇が似過ぎてて、共感しっぱなしだった(笑) 華子の考え方とか世間の狭さは、庶民の家に生まれた上京組の私からすると理解できないものだけれど、彼女なりにいろいろ苦労して考えて成長していく様子は応援したくなった。 自分が大学進学で上京した時に、周りに金持ちの子が多くてびっくりしたのを思い出して懐かしくなった。上流階級や特権階級の世界の世襲とか、地方の小学校からずっと同じメンバーで集まる人たちの様子とか、いろんな対比があって、そして両方の世界の嫌なところが描かれていた。
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育ちのいいお嬢様と田舎から出てきた自力で道を切り拓いていく女。 お嬢様で流れに身を任せて生きる姿は、辻村さんの善良と傲慢を連想した。
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ストーリーの展開がテンポ良く進み、とても読みやすかったです。 華子と美紀、両極にいる二人だけど、どちらの生きてきた環境や、考え方にも共感できる部分はありました。女性なら特に、あぁ…わかるなぁと思う部分多々ありました。 どんな環境にいても、その狭い世界での階級はあると思う。無意...
ストーリーの展開がテンポ良く進み、とても読みやすかったです。 華子と美紀、両極にいる二人だけど、どちらの生きてきた環境や、考え方にも共感できる部分はありました。女性なら特に、あぁ…わかるなぁと思う部分多々ありました。 どんな環境にいても、その狭い世界での階級はあると思う。無意識にそうしたものを誰もが持っていそう。 そうした二人が最後には、偶然にも関わって、対立ではなく、不思議と分かり合える関係になったのは良かったなぁと感じました。 映画化されているので、そちらも是非見てみようと思ってます。
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タイトル通り、東京の上流階級の暮らしを解像度高く描いた作品。地方から上京した自分にとっては、物語で出てくる神谷町や松濤に住む、代々の金持ちは縁遠い世界ではあるが、東京にある格差を改めて感じた。 わたしの前職オフィスは六本木にあり県外から通勤するたびに、騒がしくて綺羅びやかな街だと...
タイトル通り、東京の上流階級の暮らしを解像度高く描いた作品。地方から上京した自分にとっては、物語で出てくる神谷町や松濤に住む、代々の金持ちは縁遠い世界ではあるが、東京にある格差を改めて感じた。 わたしの前職オフィスは六本木にあり県外から通勤するたびに、騒がしくて綺羅びやかな街だと思っていたが、六本木の幼稚園に通う子ども勿論いて、彼らからすれば六本木こそが地元なのだと、本書を読んで思い出した。 様々な経済状況を抱えて上京した人が集まる街でもあり、生まれながらの富裕層がいるのが、東京という異質性だと改めて気づいた。
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慶應出身の私にはめちゃくちゃ面白かった これからも何度か読み返すだろうし、同じような小説があったら読んでみたい 自分で言うのもなんだけど、内部生で世間知らずで育った私は美紀か華子で言うと華子で、でも同じ内部生でも私以上に華子で、華子の人生を思いっきり歩んでる人は本当に多くいて、...
慶應出身の私にはめちゃくちゃ面白かった これからも何度か読み返すだろうし、同じような小説があったら読んでみたい 自分で言うのもなんだけど、内部生で世間知らずで育った私は美紀か華子で言うと華子で、でも同じ内部生でも私以上に華子で、華子の人生を思いっきり歩んでる人は本当に多くいて、みんな狭い世界で上手くやってるんだな、と思った きっと学生時代から離れてまた再読すると感じるところも違うだろうなぁと思う また読んでみたい
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自分が置かれているレイヤーの中のことしか、大体の人間は見えていないし、そこがぬるま湯なので外を見ようともしない、ということ。 わたしも東北の田舎町から大学を機に上京した、まさに「美紀」だ。 しかしこの本のラストに安心している自分は、作者の山内マリコ同様に、どうしたって「美紀」側...
自分が置かれているレイヤーの中のことしか、大体の人間は見えていないし、そこがぬるま湯なので外を見ようともしない、ということ。 わたしも東北の田舎町から大学を機に上京した、まさに「美紀」だ。 しかしこの本のラストに安心している自分は、作者の山内マリコ同様に、どうしたって「美紀」側なのだと皮肉にも感じざるを得ない。 現実を生きている「華子」側の人間がこの本に果たして何かを感じるのだろうか。
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