あのこは貴族 の商品レビュー
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友人から、「これ最近読んだ本」と言われて手に取った本。 映画化されたこともあり、ジャケ買いするにもどことなく内容が分かる話だったが、 "よくある"ネタなだけに、キレ味のある展開を期待したが、面白みもなくオチを迎え印象に残らなかったことが残念だった。
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思っていたストーリーと違ったけど、2日間でサクサク読める文体と内容。東京育ちの私にとって共感できるような出来ないような。今どきこんな世界あるのかなあと思ったけど、その知見自体が世間知らずなのだろうか。後味はよかったけど、もう少し長く中身を作ってもよかったような気が。
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東京で生まれ育った生粋のお嬢さま・華子と、地方から上京し、OLとして何とか生活している美紀。 本来なら決して交わるはずのない2人の人生が、1人の男性に関わったことによって交錯する。 それぞれの置かれた環境や性格が全く違っても、人は各々コンプレックスや悩みを抱えて生きているものだ...
東京で生まれ育った生粋のお嬢さま・華子と、地方から上京し、OLとして何とか生活している美紀。 本来なら決して交わるはずのない2人の人生が、1人の男性に関わったことによって交錯する。 それぞれの置かれた環境や性格が全く違っても、人は各々コンプレックスや悩みを抱えて生きているものだなあと、改めてしみじみと思いました。 いわゆるハイソサエティの人達の暮らしを垣間見られたような気がして、興味深かったです。
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山内マリコさん作品は、はじめましてだったんだけど、読み始めてすぐに「あ、わたしこの人の本すきだ」と思った。けっして軽いわけじゃないのにぐんぐんと読める、まさにページをめくる手が止まらない。こんな感覚は久しぶりだった。美紀のことばがとにかく刺さったし、何より互いを故意に傷つけ合わな...
山内マリコさん作品は、はじめましてだったんだけど、読み始めてすぐに「あ、わたしこの人の本すきだ」と思った。けっして軽いわけじゃないのにぐんぐんと読める、まさにページをめくる手が止まらない。こんな感覚は久しぶりだった。美紀のことばがとにかく刺さったし、何より互いを故意に傷つけ合わなくても、人と人とが関わり合うことで時には傷つきながらも成長していくっていう山内さんの人柄が伺えるようなストーリーがなんともよかった。あとがきで、山内さんは今の普通の中の普遍を描いているって書かれていたのも納得できたし、読了後にやっぱりこの人の表現が好きだなって思った。
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いわゆる特権階級の華子と、上京して自分の力で生きてきた美紀が、幸一郎という一人の男をきっかけに変わっていく話。 私には華子や美紀の生き方は想像しかできないが、きっと彼女たちみたいな人は本当に存在していて、それぞれの普通を抱えて生きているんだと思う。 この話では相楽さんが2人を引き合せる大切な役目を担っていて、もし彼女がいなかったら華子は何も疑問に思わないまま幸一郎の妻として粛々と生きて行っただろうし、もしかしたら美紀はずっと幸一郎の都合のいい女だったかもしれない。美紀はさておき、華子が幸一郎の妻として生きていく事は、華子にとっての"普通"だと思った。世界を知らないのであれば外に出たいと思わないだろうから、それはある意味幸せなのではないだろうか。 華子にとって、美紀との出会いは良くも悪くも敷かれたレールを踏み外す事だった。 同年代の女性として、結婚に対する考え方ももちろんだし、"女性の幸せ"と言われている事が本当にそうなのか?ということも考えさせられた。 美紀「自分は愚かで何も持たない全くの部外者だが、それってなんて自由なんだろう」というようなセリフがあったが、とても突き刺さった。 自分で道を歩くということは大変で辛いことも多いが、同時にどこを歩いてもいい、ということを痛感できた。 胸が苦しくなるような、世間でよく聞く女性に押し付けられた価値観もおりまぜられ、読み終わったあとは不思議と前向きな気持ちになれた1冊だった。
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属性が分断された女性同士の話、というともっとドロドロした話なのか?と思ったがそうではなく。 もっと普遍的な、幸せになるためには?というテーマが扱われていた。 頷きたくなる部分や眉をひそめてしまうシーンもあり、飽きずにテンポよく読むことが出来た。 自我がない、守られて親から轢いても...
属性が分断された女性同士の話、というともっとドロドロした話なのか?と思ったがそうではなく。 もっと普遍的な、幸せになるためには?というテーマが扱われていた。 頷きたくなる部分や眉をひそめてしまうシーンもあり、飽きずにテンポよく読むことが出来た。 自我がない、守られて親から轢いてもらったレール通りに人生すごろくを進める華子。その華子が正反対の美紀と出会うことで成長していく姿は痛快で見ていて気持ちよかった。 読了後の余韻がとても心地よい。
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東京のいいとこの箱入り娘と田舎育ち上京からキャバクラやってる女性(慶応を金銭面で退学)の対比が面白い。 箱入り娘と結婚するいいとこの慶応ボーイ。 慶應に代表される階級制度を描いていて、結局日本は明言せずとも階級制度は未だ根付いているんだよという話? あと恵まれているようでいいとこ...
東京のいいとこの箱入り娘と田舎育ち上京からキャバクラやってる女性(慶応を金銭面で退学)の対比が面白い。 箱入り娘と結婚するいいとこの慶応ボーイ。 慶應に代表される階級制度を描いていて、結局日本は明言せずとも階級制度は未だ根付いているんだよという話? あと恵まれているようでいいとこの人なりの苦しみはあるんだぞと
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時岡美紀の東京に対する疎外感は、もしかして作者自身の体験と、山内マリコさんのwikiを調べたら、ふっと思いました。 この一冊は泥沼な恋愛でも猟奇的な人間関係でも描かれておらず、だけど心底ゾッとする場面はいくつもありました。東京と地方の格差、富裕と貧困の格差、男女の格差。山内マリ...
時岡美紀の東京に対する疎外感は、もしかして作者自身の体験と、山内マリコさんのwikiを調べたら、ふっと思いました。 この一冊は泥沼な恋愛でも猟奇的な人間関係でも描かれておらず、だけど心底ゾッとする場面はいくつもありました。東京と地方の格差、富裕と貧困の格差、男女の格差。山内マリコが書いているのは決して昼ドラのような低俗な物ではなく、東京という独特な街の雰囲気に、外部の人がどれ程揉まれ、また自身の疎外感に対する焦燥を時岡美紀という脚色で表した。また彼女と全く正反対の榛原華子は美紀と出会ったことによって、自分自身の存在について改めて考えて、やっと守られてきた場所から抜け出して、自分の価値を肯定できた。 文字を辿っていくと、部外者の疎外感が丁寧に書かれていて、その感情にひどく共感。 私達は、ある程度の年齢になると、新しい物事にチャレンジするのに、色々と細心の注意を払い、行動至るまでに思慮深く考えてしまう。今まで周りに取り込まれてきた環境も場所も人間関係もきっと一番安心できる場所だと思う。幼少期から教わってきた仕来りや価値観を守り、他の価値観をどう取り入れることによって自分を壊しかねない恐れだってある。華子は美紀との出会いで、新しい価値観を知り、また勇気を持って自分の人生にその価値観を取り入れ、例え全てを壊しても、「一片の悔いもなかった。」と言えるほど最後は清々しいエンディングでした。
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女性同士を属性で分断させて安易にケンカするのではなく連携するストーリーがよかった。華子の「恵まれすぎていることがコンプレックス」というのはちょっとわかる。でもいまどき出身地で云々とか古い気がする。
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薄々思っていたけど山内マリコはすごい作家なのでは。このリーダビリティの高さで、どんな作家にもない視点で普遍を描いている。
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