海の見える理髪店 の商品レビュー
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海の見える理髪店と成人式がよかった。 結婚する前に最後に1度だけ 父親に会いに髪を切りに行く。 1度だけでも会えてよかったと思った。 父も会いたかっただろうから。 つむじの怪我を見ただけで 息子ってわかるくらい忘れてないんだもん。 亡くなった娘のかわりに成人式にでる。 ふたりが前に進めますように。 きっと天国の娘さんも一緒に 成人式に来て楽しんでいたと思う。 またふたりに笑顔が戻りますように。
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荻原浩さんの短編集。 一つ一つの話に関連はないものの、全て家族の中の様々な思いを持つ人の一つの時が切り取られている。 タイトルになっている海の見える理髪店は、最後の方にようやく、ああそういうことだったのか、最初から店主はわかってたんだなと思うと、なんとも温かい気持ちになる作品だっ...
荻原浩さんの短編集。 一つ一つの話に関連はないものの、全て家族の中の様々な思いを持つ人の一つの時が切り取られている。 タイトルになっている海の見える理髪店は、最後の方にようやく、ああそういうことだったのか、最初から店主はわかってたんだなと思うと、なんとも温かい気持ちになる作品だった。
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親子がテーマの短編集。 個人的には毒親への思いはそんな簡単に解消されないような気がしますけど。 全般に登場人物がそこそこ拗らせてる割には簡単に未来志向に転換。なんかあまり共感は出来なかったかな‥
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あらすじ 店主の腕に惚れて、有名俳優や政財界の大物が通いつめたという伝説の理髪店。僕はある想いを胸に、予約をいれて海辺の店を訪れるが…「海の見える理髪店」。独自の美意識を押し付ける画家の母から逃れて十六年。弟に促され実家に戻った私が見た母は…「いつか来た道」。人生に訪れる喪失と向...
あらすじ 店主の腕に惚れて、有名俳優や政財界の大物が通いつめたという伝説の理髪店。僕はある想いを胸に、予約をいれて海辺の店を訪れるが…「海の見える理髪店」。独自の美意識を押し付ける画家の母から逃れて十六年。弟に促され実家に戻った私が見た母は…「いつか来た道」。人生に訪れる喪失と向き合い、希望を見出す人々を描く全6編。父と息子、母と娘など、儚く愛おしい家族小説集。直木賞受賞作。─bookデータベースより 感想 ・海の見える理髪店 穏やかな海を背にたんたんと語られる店主の話が、最初は微笑ましかったのに、途中から雲行きが怪しくなっていき、最後には嘘だろ、と思った。真昼間から怖い怪談噺を聞いているみたいでゾッとしたが、結果ふたりがやっと出会えたのならそれでいいのかもしれない、と思った。 ・いつか来た道 毒親とコンプレックスを抱いた娘の話なのですが、最後にミステリーというか、誰なのか理解しにくい場面があるのですが、きっと子どものころ母親の怒りを受け止めるために生まれてきたもう一人の自分なのかな?と思う反面、何で彼女も電車に乗らなかったんだろう…?と不思議に思ったりする。 最後の最後で引き込まれた作品でした。 ・遠くから来た手紙 手紙→メール→LINE… いつの時代も人は文字で心を通わせようとする。 今回の話も中盤からやはり不思議な出来事が起きた。 なぜそんな現象が起きたのかはわからないけれど、亡くなったおじいちゃんが祥子に何かを伝えたかったのかも。 いつの時代も最強なのはやっぱり手書きの手紙ですね! ・空は今日もスカイ あれから茜とフォレストは一体どうなったのだろう…? 特にフォレストに関しては、やっぱり虐待をする父親の元に返されてしまったのだろうか…? 時に子どもの発言は全く信じてもらえない。 これほどまでに信憑性のある証言なのに、その未熟さ故に大人はわかろうとはしない。 物語は全体的に独特の世界観があり、『こちらあみ子』に少し似ていた。 茜とフォレストの人物像が良く描かれており、頭の中でよく動いてくれた。 ・時のない時計 誰にだって巻き戻したい時間はある。 全体的にミステリアスというか、どこか不気味なのですが、物語の単調なリズムに引き込まれ、不思議な読後でした。 ・成人式 父親の発案に笑ってしまった。 自分たちが出るの?と。 でも、それなら鈴音も喜ぶかもしれない。 親子3人で成人式だ。 どの話もミステリアスでとても個性的でした。語り手の単調なリズムにヒヤリとしたり。 語られるのは家族の話ですが、家族だからといって必ずしも仲が良いとは限らず、夫婦だろうが親子だろうがその人たちにとって適切な距離があります。 そこを脅かすことなく良好な関係を保てるならそれに叶うことはないのですが、現実はそうもいきません。 ですが、本書の人たちはみんなそこを乗り越えてきます。 会いに来ます。 助けに来ます。 そこには必ず家族を思う気待ちがあり、また作者が読者を巻き込んで笑わせようとするコミカルな一面が伺えます。 とにかくオチが上手い!
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いくつかの短編で構成されており、最初の話だけほっこりして良いなと思いました。 他の話は特に面白さを見いだせませんでした。
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表題作の『海の見える理髪店』をはじめ、なんというか…甘えん坊の男の人が好みそうな話だなと思いました。他人の家のゴシップを覗くような気分に…ちょっと半分まで読んでうんざりして読みきれず。 お酒でやらかしちゃっても許してね、母娘で確執があっても介護は娘がやってね、ワンオペ育児で大変...
表題作の『海の見える理髪店』をはじめ、なんというか…甘えん坊の男の人が好みそうな話だなと思いました。他人の家のゴシップを覗くような気分に…ちょっと半分まで読んでうんざりして読みきれず。 お酒でやらかしちゃっても許してね、母娘で確執があっても介護は娘がやってね、ワンオペ育児で大変でも戦争で夫が死ぬよりマシでしょ…という身勝手な主張をきれいなストーリーで包みこんだ、それはそれはグロテスクな作品群で、まぁ、これはこれで芸術的ではあるのですが…これが直木賞受賞作品というのは…… ………ちょっと、日本の文壇、ヤバくないですか? 荻原浩さんの作品、『神様からひと言』とかすごく好きだったんだけどなぁ…。なんか切ない気分です。
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家族の物語。個人的には「いつか来た道」が一番印象に残っている。胸が締め付けられるストーリーでも、未来に向けて一歩踏み出す様子が描かれている。
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読み終わってから直木賞だと気づいたが直木賞っぽい。最後の1文。もうほんとに、いい意味で。成人式は泣いてしまったわ。よい作家にめぐりあえた。いまの、わたしの価値観にピッタリの人かも。
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人生は時に海に例えられる。 のどかな凪の日もあれば突然の嵐で荒れ狂う大波の日もある。 物語に登場する人達の波は決して穏やかとは言えない。 大きな後悔に苛まれて苦しむ人。 満たされない思いを抱えた居場所のない子。 皆が喪失感に喘いでいる。 もしあの時、声を掛けていたら。 もしあ...
人生は時に海に例えられる。 のどかな凪の日もあれば突然の嵐で荒れ狂う大波の日もある。 物語に登場する人達の波は決して穏やかとは言えない。 大きな後悔に苛まれて苦しむ人。 満たされない思いを抱えた居場所のない子。 皆が喪失感に喘いでいる。 もしあの時、声を掛けていたら。 もしあの時、違う行動を取っていれば。 彼らの「もし」が痛いほど伝わり胸が詰まる。 贅沢を望んでいるわけじゃない。 ただ平凡で穏やかな日々を送りたかっただけだ。 どうか彼らが幸福の記憶と共に生きていけます様に。 そう祈りながら、かけがえのない命の尊さに想いを寄せる。
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ダントツで「空は今日もスカイ」が良い!続いて「成人式」。この二つには違った感動をもらった。 とても良い短編集だった。 ここでひとつ苦言。私の勝手な思いだが人を、最愛の人を安易に死なせないで欲しい。「成人式」を読んでいて、これはもしやと思ったら、やっぱりだった。 たしかに感動もした...
ダントツで「空は今日もスカイ」が良い!続いて「成人式」。この二つには違った感動をもらった。 とても良い短編集だった。 ここでひとつ苦言。私の勝手な思いだが人を、最愛の人を安易に死なせないで欲しい。「成人式」を読んでいて、これはもしやと思ったら、やっぱりだった。 たしかに感動もしたし、涙も出てきた。この小説ではこれが最適解だと思う。しかし昨今、人死が当たり前のようにニュースを賑わす時代。せめて小説では暖かい感動が欲しい。もし、小説家の皆さん(特に若い作家)が感動を作る手法として、最愛の人の死を使っているのだったら腕を磨けと言いたい。それを実現している作家もいるのだから。 私の勝手な言い分でした。最後に、この小説にはそれは当てはまらないことは追記しておきます。
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