海の見える理髪店 の商品レビュー
なんて切なく、そして愛溢れる作品か。 感動の嵐です。 もしや!と思って読んでいたらまさに。 厳しい現実と過去かもしれないけど、言葉ではなく通じ合うところに涙が止まりませんでした。
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「海の見える理髪店」、「いつか来た道」、「遠くからきた手紙」、「空は今日もスカイ」、「時のない時計」、「成人式」の6つの短編。直木賞受賞作品だそうだ。 著者の本は初めて読んだけど、夏に読むにはちょうどいい短編集だった。表紙の絵が素敵だなあと思う。どの作品も静かなザワザワが漂う...
「海の見える理髪店」、「いつか来た道」、「遠くからきた手紙」、「空は今日もスカイ」、「時のない時計」、「成人式」の6つの短編。直木賞受賞作品だそうだ。 著者の本は初めて読んだけど、夏に読むにはちょうどいい短編集だった。表紙の絵が素敵だなあと思う。どの作品も静かなザワザワが漂う作品。あと前半と後半に分けられて、話がちょっと変わる、というのも特徴なのかな。ファンタジーみたいな作品もある。主人公が男になったり女になったりするが、女性になった時の語り口がうまいなと思った。 一番好きなのは「成人式」かな。前半は本当に悲しい話なのに、後半に思わず笑えるところが出てくるなんて。あと、「時のない時計」の「はぽ。」(p.199)の部分も。本当にサラッとコミカルな表現が出てくるというのが魅力。後ろの他の文庫本の紹介に著者の本がいくつか紹介されているが、どれも面白そう。(23/08/10)
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ずっと前に買ったけどこのタイミングで読んで良かったかも。親子、夫婦、子供、家族について思いを巡らせられる。どれも切ないのに不思議と絶望感はなかった。全体的に夏を感じられた。
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☆3中の☆3な小説。心を揺さぶってくるとか急展開があるとかはない。扇風機の微風って気持ちいいのと同じ感じの小説。
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2023.7.18 読了 ☆8.2/10.0 それぞれの、さまざまな過去を抱え、振り回され、それでも向き合い、前を向く決意をする希望に満ちた人々を描いた6篇の短編集です。 父と息子、母と娘、親娘…いろんな家族のそれぞれの悩みと問題 特に「いつか来た道」と「遠くから来た手...
2023.7.18 読了 ☆8.2/10.0 それぞれの、さまざまな過去を抱え、振り回され、それでも向き合い、前を向く決意をする希望に満ちた人々を描いた6篇の短編集です。 父と息子、母と娘、親娘…いろんな家族のそれぞれの悩みと問題 特に「いつか来た道」と「遠くから来た手紙」「成人式」はすごく良かったです。 とりわけ「いつか来た道」はあまりに切ない。自分の知る「母親像」と認知症で何もかも変わってしまった「現実の母親」とのギャップがすごく苦しい。 そして自分の母と重ねてしまって、将来の不安もあって涙が止まらなかった。。。 「成人式」もすごく良い。 15歳の娘を突然亡くした父親と母親。その死を受け入れられずに、回り道の毎日を送る中でふと「このままじゃダメだ」と、過去に向き合い、前を向く決意をする。 それが、今年成人式を迎える娘の代わりに母親が若作りと着付けからヘアメイクをし、父親がこれまたヤンチャな袴とヘアスタイルに身を包んでエスコートする。 きっと「何やってんのよ良い歳して」「ばかじゃないの二人して」って泣き笑いのぐしゃぐしゃの顔を浮かべて天国から見守る娘の姿があまりにも想像できてしまって涙が止まらなかった。。。 "喪に服す"というのは必ずしも悲しみに浸って、厳かに執り行わなければいけないなんてことはない。 亡くなったその人が一緒に笑って、俺の分まで/私の分まで前を向いて歩いて行ってくれと背中を押してくれるような、そんな決意に満ちた離別ならば。 不思議な読後感。悲しいのに自分の生に感謝して、今日を大切に生きようと、そう思える一冊でした。
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勝手に短編小説じゃないと思い込んで読み始めましたが、短編小説やないかーい。 6編からなる短編集。 最後の「成人式」が個人的には一番好き。 15歳の娘を亡くした喪失感に苛まれる40代のご夫婦の話。 乗り越えるためにぶっ飛んだ思いつきと、それにのっかり実行する想いが胸にグッとき...
勝手に短編小説じゃないと思い込んで読み始めましたが、短編小説やないかーい。 6編からなる短編集。 最後の「成人式」が個人的には一番好き。 15歳の娘を亡くした喪失感に苛まれる40代のご夫婦の話。 乗り越えるためにぶっ飛んだ思いつきと、それにのっかり実行する想いが胸にグッときた。 直木賞受賞作品とのことだが、途中の何作かは私にはちょっと難しくて、「え!?で、これはこの人は一体どういうことを言いたいの?????」ってな感じで脳みそが追いつかないものも。 学生の時の国語の文章問題のテストに出てきそうな感じ。 物語を読み、思いを巡らせるのが好きな人にはオススメ。
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人生いろいろ。皆過去と折り合いを付けながら生きている。 「実際、そういう人もいるよなぁ」と想いながら読み進めた最終話。序盤から目頭が熱くなりっぱなしだった。 あの頃の子どもにはもう会うことはできない。それを受け入れて前を向けるのは、今そこに居てくれているからこそなのかもしれない
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自分を通して、または他人をみる事で、 自らの人生に折り合いをつけたいような人々を描いている。 荻原さんらしい作品や人物が見えて楽しい一方で、 平和な話が多く、個人的にはもう少しパンチが効いた話が読みたかったところもある(はじめからそういうの読めよって感じですが、、、) 表題作...
自分を通して、または他人をみる事で、 自らの人生に折り合いをつけたいような人々を描いている。 荻原さんらしい作品や人物が見えて楽しい一方で、 平和な話が多く、個人的にはもう少しパンチが効いた話が読みたかったところもある(はじめからそういうの読めよって感じですが、、、) 表題作、遠くから来た手紙のアホな女の感じや成人式の切なさが好きだった
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いずれの短編も作者らしい一見軽妙なストーリーに見えて心にじわじわと響くメッセージが込められている。深刻ぶらずに読み進めることができ、読後感が良いのは、少しだけ現実感を外した仕掛けが施されているお陰だと思えた。
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短編6編。直木賞受賞作。海の見える理髪店、は客と理髪氏が最後親子だと分かる。ホロリとする内容。全て家族がテーマであり、「成人式」は亡くなった娘の代わりに成人式に出るという話で、泣けた。
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