海の見える理髪店 の商品レビュー
家族のお話。よい。 「空は今日もスカイ」が一番好き。発見に溢れている子どもの視点がよかった。 大人と子どもの世界の違いが明確で、子供にとっては大人は理解できないものなのだろうなと思った。逆もまた然り。 どの話も、お話が前向きに終わるのが読んでて気持ちよかった。頑張って生きよう...
家族のお話。よい。 「空は今日もスカイ」が一番好き。発見に溢れている子どもの視点がよかった。 大人と子どもの世界の違いが明確で、子供にとっては大人は理解できないものなのだろうなと思った。逆もまた然り。 どの話も、お話が前向きに終わるのが読んでて気持ちよかった。頑張って生きよう!みたいな。 今行動することで、過去が変わることってあるのだろうね。マチネでも同じようなこと言ってた気がする。
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全体的に重い話が多い。ただ、無駄に重いだけではなく、重さという小説の過程に対して暖かさという結果が実っている。一見読んでいて重い家族のシナリオだと感じてしまうが、読み終わる時にはその重さは無くなり暖かさに変わっているだろう。 大きな印象としては斜め読み・速読派には向いてないこ...
全体的に重い話が多い。ただ、無駄に重いだけではなく、重さという小説の過程に対して暖かさという結果が実っている。一見読んでいて重い家族のシナリオだと感じてしまうが、読み終わる時にはその重さは無くなり暖かさに変わっているだろう。 大きな印象としては斜め読み・速読派には向いてないこと。表現の美しさが相当凝っている。映像化でもしようものなら作品の価値を著しく下げてしまうほど、美しい文学。表現の美しさを噛み締めて読むと尚のこと楽しく読むことができる。この本の世界を脳内に映し出すことに悦びを覚えた。
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家族のものがたり。時間を超えて、今も昔もこれからも、家族との思い出や絆は変化しながらもずっとずっと続いていく。悲しいけど、心温まる話だった。
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コールドゲームに続き2作品目。最後の「成人式」という作品が全ての作品を圧倒した。5年前、15歳で交通事故死した娘の死から立ち直れない夫婦。塞ぎ込み、娘の死を受け入れられず、娘のビデオすら見ることに罪悪感を持つ。夫婦が考えたのは、娘の成人式に夫婦で出席すること。しかも20歳の若者に扮して。式場で若者からは、夫はヤクザ、妻はビョーキのオバサン。そこで娘の友人と遭遇し、式に出席できることになる。この夫婦の突飛な行動が娘への供養とともに自身への区切りとなった。夫婦の健気な姿に「頑張れ~」と素直にエールを送った。
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いろんな人の人生のひとときを切り取ったような短編集。著者は言葉からそれ以上を汲み取るのが上手な人なのかなと感じた。 はっきりとは終わらないけど、読み終わってどこかすっきりした気持ちになるのは、この後もこの人たちの人生は続いていくような感覚になるからかな…
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理髪店を舞台にした1冊かと思っていたら、違いました。2編目で、いつ床屋さんへ行くのかなーと考えながら読んでいた私。 言葉少なな人たちの短編集のように感じました。 言葉って難しい。足りないと伝わらないし、多すぎると後になって後悔する。
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6つの短編。 どれも淡々と進んでいくけれど 読後はせつない気分に。 「海の見える理髪店」と 「遠くからきた手紙」がよかった。 最後の「成人式」は一人娘をつい置き換えてしまい 必要以上に感情移入してしまうので苦手です。悲しくて。 ちょこちょこっと性格に難ありな感じの人が登場するけど 人間いい人ばかりでないよ、みたいな リアルな人間臭さを感じた。
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家族のお話。家族って不思議な繋がりだなとつくづく考えさせられた。家族になった意味はあるのだなと思う。この小説を手に取ってみて良かった。どの話も胸を打つ。とくに「空は今日もスカイ」が好き。何度も読み返してしまった。
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特に表題作の『海の見える理髪店』が良かった。理容師が、理髪中お客さまから常に見られる存在であること、鏡越しにお客さまと小一時間対面して時間を過ごすことなど、理容師視点の世界を実感できておもしろかったです。 解説を読むと荻原浩さんの作品は、独特で様々なアイディアのある設定が多いと...
特に表題作の『海の見える理髪店』が良かった。理容師が、理髪中お客さまから常に見られる存在であること、鏡越しにお客さまと小一時間対面して時間を過ごすことなど、理容師視点の世界を実感できておもしろかったです。 解説を読むと荻原浩さんの作品は、独特で様々なアイディアのある設定が多いとのことで、他の作品も読んでみたいです。
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しんみりした 2016年の直木賞受賞作品 6編の家族の物語 ■海の見える理髪店 海の見える理髪店に訪れた僕 そして、老店主が髪を切りながら独り言として、自らの半生を語り始めます。 そして明らかになる僕と店主の関係 なんとなく、そうなんだろうなって思っていたらその通りでした(笑...
しんみりした 2016年の直木賞受賞作品 6編の家族の物語 ■海の見える理髪店 海の見える理髪店に訪れた僕 そして、老店主が髪を切りながら独り言として、自らの半生を語り始めます。 そして明らかになる僕と店主の関係 なんとなく、そうなんだろうなって思っていたらその通りでした(笑) ■いつか来た道 母親と折り合いが悪い娘の物語 母親に縛られてきた娘、そして、認知症の母親 母と娘の関係でありがちな設定なのだと思います。 最後、そんな母親の呪縛から解放される娘が印象的でした。 ■遠くから来た手紙 夫の態度にブチ切れて、幼い娘を連れて実家に帰ってきた妻。メールでの夫とのやり取りの中に、ファンタジー要素が入り込んで、立ち直ります。 ホンワカ暖かい気持ちになりました。 ■空は今日もスカイ 子供の冒険の物語 児童虐待、あたたかな大人の支援、しかし... 現代ではありがちなパターンです。ちょっとこの物語は嫌い ■時のない時計 父親の形見の時計の修理しに訪れた時計店での物語 時計店の店主では、時が止まった時計が その意味するものは..といった語り口 そして、振りかえる父親との関係 「時計の針を巻き戻したいって思うことは、誰でもあるでしょう」という店主の言葉が印象的 ■成人式 15歳の娘を事故で無くした両親 その喪失感がいたいたしい。 同じ娘をもつ親としては辛い。 そして、生きていれば成人式というときに、娘に成り代わって成人式に出席することに..この展開はどうなのよ? これは、軽いノリになっていたのがちょっと救われました。 ということで、全6編 「人生に訪れる喪失と、ささやかな希望の光 心に染みる儚く愛おしい家族の小説集」 そのものですね。
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