海の見える理髪店 の商品レビュー
あまり自分の好みとは合わず、読了するのに時間がかかった一冊。表紙、タイトルで想像していた内容とは違った印象。
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儚く愛おしい家族の小説集。との事だったが、そんなに感動しなかったのは、自身に家族を失う経験が無いからだろうか。 表題作は彼が理髪店を訪れた理由がわかった時、「あの話知ってる」って思ったのはドラマ化されたか何かを見たのかもしれない。
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「海の見える理髪店」が1番のお気に入りです。 時折、不自然に感じる青年の行動や、青年のつむじを見た後の店主の動きなど伏線が細部に張られており、後半結末が分かったときにそれが全て回収され納得しました。 ・絵描きを一度は夢見た店主-デザインの仕事をしている僕 ・「子どもをあやすように」「されるがままの子どもになったようで」など親子を表すような描写 ・理髪店に予約をした際「若い方の声で嬉しくて」とある。「僕」のように若い世代はなかなか訪れない床屋なのに「僕」はなぜわざわざ遠距離にも関わらず訪れたか。 ・遠方から理髪店に通う客を迷惑そうにしている→誰も自分を知らないところに引っ越したのに、自分が人を殺めたことがあると知られるのを恐れていた。 時には失敗をしたり輝かしい瞬間を過ごしたりと山あり谷ありの人生と 床屋として成功と失敗をし、床屋として生きていく男性のストーリーがきっちりと描かれていました。 このお話だけで映画1本作れそうな濃い内容だと思いました。 戦時中の描写もあり、貧しくもその時代を一生懸命生きた我々日本人の光景が鮮明にイメージできました。 ビートルズのことを「あの連中」と忌々しそうに言うシーンは少し面白かったです。 音楽業界や映画などの流行で床屋が廃れたり流行ったりと、こうやって経済は回っているのかーとも感じました。
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『過去との決別、ここから始まる家族の物語集』 直木賞受賞作。様々なわだかまりを抱えた6組の家族が、新たな生活に向けて一歩踏み出すまでの物語。たとえどんなことがあっても、家族の絆はいつまでも繋がっている、そんなことを教えてもらいました。
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家族テーマの6つの短編。 「海の見える理髪店」店主の最後の言葉がなんとも切ない。 「いつか来た道」父親の事が思い浮かんだ。父親が言った数々の心ない言葉は、この年になっても忘れられない。杏子が実家を出てからの16年間心の中で母親に想いや言葉を投げかけていたというが、私も同じような...
家族テーマの6つの短編。 「海の見える理髪店」店主の最後の言葉がなんとも切ない。 「いつか来た道」父親の事が思い浮かんだ。父親が言った数々の心ない言葉は、この年になっても忘れられない。杏子が実家を出てからの16年間心の中で母親に想いや言葉を投げかけていたというが、私も同じような事していた。父親が年老いて何も出来なくなっても絶対面倒なんか見てやるもんか!って思ってたのに、現在、認知症になった父親の介護をしてる。なんだかな…。 時々、あの頃の自分を裏切ってるような気持ちになってしまう。
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以前読んだ月の上の観覧車のように繊細で日本的、昭和的な雰囲気の漂う短編集 表題作が特にそうだが、床屋の細部が丁寧である程度の年齢の男ならそうそうと思うことがしっかり描かれている なにより店主の人生が昭和そのもののように思える。 戦後がむしゃらに働き技術を磨き、技術力はあるが経営が下手で、一時的に得た大きな利益も結局は目先の欲で起こした失策で失い、田舎で細々と働くという、まさに今の日本を象徴する人物として描かれる 一方で懐古だけでなく未来への希望を予想される結末に小さな希望が見える 床屋の中の時間と、主人が語る人生の経過の対比など細かい気配りが小説的な演出の効果を高めているなど、 話の展開は短編のお手本のような作品であり、一見単調にも見えるが、短い中に細かい演出や小道具が詰め込まれていて、短いながらも世界に引き込まれ、感情を揺り動かされる
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直木賞受賞作ということで購入。結果としては自分には合わなかった。設定が非現実的すぎたのかな。台詞回しとか描写もあまりワクワクしなかった。
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短編集とは知らず読み始めました。 一つ一つの物語になにか吸い込まれるような気持ちになりました。 私が好きなのは成人式かな 切ないけどそこには家族のあたたかさがあったりとほっこりするよな物語でした。
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カフェで読まない方がいいかも。 短編集で、一話目に「海の見える理髪店」が収録されており、このお話から涙が溢れそうになりました。その後のお話も心臓をギュッと掴むお話ばかりでした。
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それぞれ、終盤になると物語の全容が見えてきて、また最初から読み返したくなる… 切ないけど心が少し優しくなれるような、そんな本でした。
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