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夫の骨 の商品レビュー

3.6

53件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    23

  3. 3つ

    14

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2024/09/05

同居していた夫が、高齢の実母が亡くなった途端に無口になり、それまで興味を持たなかった登山を始めた。しかしその登山によって遭難死し、残された妻は夫の遺品の整理を始める。ある日、倉庫の中から小さな箱を見つけ、明けて見ると、そこには子供のような頭蓋骨が納められていた。一体だれの骨なのか...

同居していた夫が、高齢の実母が亡くなった途端に無口になり、それまで興味を持たなかった登山を始めた。しかしその登山によって遭難死し、残された妻は夫の遺品の整理を始める。ある日、倉庫の中から小さな箱を見つけ、明けて見ると、そこには子供のような頭蓋骨が納められていた。一体だれの骨なのか…。 帯に書かれているように「どんでん返し」の短編9本を収めた短編集。怪奇系のホラーではなく、人間の恐ろしさに焦点を当てた作品群である。 この帯が曲者で、「どんでん返し」「結末がわからない」と煽りに煽っているため、読む前からそうなんだよなという先入観を持ってしまうところが辛い。実際にそうだし、3作目くらいから、またそうなるんでしょ?という気分で読んでしまうので、楽しめないのである。この帯を作った編集者はバカなのか? また、作品も1作目を読んだときは、よく出来てるなあと納得していたが、2作目、3作目と話の作りが同じなのはいかがなものか。 1)現状の生活での違和感 2)過去に遡ってきっかけのようなものが描かれ 3)現在で懸念が明らかになり 4)種明かし、という、怪談のテンプレートの流し込んで自動で作られたような話が続くので、3作目くらいから展開が完全に読める。 更に、幼少期または就職前後までにひどい目にあってきた女性の話、キーとなる動機が誰かの妊娠という、同じ背景パターンを半数以上の作品で使っているのもいかがなものか。 唯一『鼠の家』だけがそのパターンから少し外れているものの、こちらも貰われ子(女の子)というあたりは同じだ。 表題作だけなら、たしかに面白い。でも、同じパターンを9作品続けて読まされるのは、苦痛を感じざるを得ないし、書き下ろしの最後2つは傍点で話が読めてしまうので読後の感想は「げんなり」でしかなかった。 他のスタイルの作品を混ぜつつ短編集にできなかったのだろうか。「編集の敗北」という言葉以外、思いつかない一冊だ。

Posted byブクログ

2024/06/16

全体的なトーンとしては抑揚がないんだけど、話としては結構ヘビーな話なので、サラッと読み進めそうになるのを自制しながら読んだ。 最後はゾクっとくるような展開がまたたまらん。。。

Posted byブクログ

2024/05/02

読者の見識を巧みに導きながら、こういうことだろうという読みを裏切り、その先をいく展開がどの短編にも用意されている。 所謂「女は怖い」的な話が中心と思いきや(それも多いんですが)、フッと胸が軽くなるような話もあり、その緩急が短編集として単調になることを防いでいる。 やや気になった...

読者の見識を巧みに導きながら、こういうことだろうという読みを裏切り、その先をいく展開がどの短編にも用意されている。 所謂「女は怖い」的な話が中心と思いきや(それも多いんですが)、フッと胸が軽くなるような話もあり、その緩急が短編集として単調になることを防いでいる。 やや気になったのは、ミスリードさせようとする意図のようなものが話によっては少し強く感じた点。 秀逸だったのは表題の「夫の骨」。タイトルに込められた意味が読み始めと読後で全然違うという、優れたミステリーのお手本のような一編。

Posted byブクログ

2024/04/28

以前に、この作者 矢樹純氏の本を読んで、怖いながら、結末のどんでん返しに、面白さを感じてしまった。 9話からなる短編集であるが、どれも面白い。 話が、こうなるだろう!と、予測しても、結末は、違う方向で、終わる所が、凄い! これからも、この結末のどんでん返しが、楽しみである。...

以前に、この作者 矢樹純氏の本を読んで、怖いながら、結末のどんでん返しに、面白さを感じてしまった。 9話からなる短編集であるが、どれも面白い。 話が、こうなるだろう!と、予測しても、結末は、違う方向で、終わる所が、凄い! これからも、この結末のどんでん返しが、楽しみである。 怖いだけの話で無くて、あ~こういう事なのだと、思う終わり方も良かった!

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2023/10/30

初読みの作家さん。とても面白かったです。短編集の中でそれぞれの家族が醸し出す不穏な空気。どれも結末が想像できずに「おおぉー」という感想です。伏線もしっかり回収していて満足です。

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2023/10/27

家族の裏の顔や闇をテーマにした短編集。全体的にイヤミス的な感じだけど、どれも話は引き込まれて読みやすかった。 「ダムの底」のような「え?そういうこと?」って二度見したくなるのが好き。

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2023/10/03

怖がりの私にはちょっとキツかった。 すごく怖いとかじゃないけど、ジワジワ怖くなる感じで、3作目まで読んで途中リタイア。

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2023/07/01

短編苦手な私がしっかり楽しく読めた! なかなかうまくできてるなーと思う話が多くてよかったです。 家庭内の大きな秘密。 外からはわからない秘密。 なんだかゾッとする話が多くて テレビでやれそう〜

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2023/06/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【収録作品】夫の骨/朽ちない花/柔らかな背/ひずんだ鏡/絵馬の赦し/虚ろの檻/鼠の家/ダムの底/かけがえのないあなた 家族を描いた短編集。最悪の事態を予想させてからかわす感じが多いかな。

Posted byブクログ

2023/05/07

初めての作家さんでした。短編集で,どの作品も数十分で読めるテンポの良い作品でした。また,表題作は勿論,他の作品も全てに一捻りある最後には驚かされる仕掛があり,最後の一作まで楽しく読めました。 有名作家さんの短編集でも,これは、、、?と思う作品もあるのに,この作品集は全て高いクオリ...

初めての作家さんでした。短編集で,どの作品も数十分で読めるテンポの良い作品でした。また,表題作は勿論,他の作品も全てに一捻りある最後には驚かされる仕掛があり,最後の一作まで楽しく読めました。 有名作家さんの短編集でも,これは、、、?と思う作品もあるのに,この作品集は全て高いクオリティえお保っていて面白かったです。 今後もフォローしていきたい作家さんになりました。

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