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夫の骨 の商品レビュー

3.6

53件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    23

  3. 3つ

    14

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    2

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2022/03/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読む前からBGMはホネホネロックで決まり。イヤミス9短編集。話の転結として妊娠を使っているネタが多いのでどの話も雰囲気が少し似ている気がした。でも評判通りの面白さ。短いながらどんでん返しが仕込んであり「そうくるか」の連続。どんでん返しにありがちな強引さも少なく話の流れがスムーズ。お気に入りは『夫の骨』→ダントツ。表題作だけあって一番インパクトもあって上手い。想定内な展開だと思ってたのにまさかのオチ。ラスト一行も効いてる。『絵馬の赦し』→ちょっと良い話とすら思ってしまった。総括:これからも追う作家にする。

Posted byブクログ

2022/02/13

#読了 2022.2.12 9話の短編集。日本推理作家協会賞受賞作品。帯にある通り「9つすべてがどんでん返し」。終始不穏なゾワゾワ感からの見事なミスリード!全話が高クオリティのギミック!すごい!気持ち良すぎる! 「なるほどね、そーゆーことだろ?バーロー」って名探偵気取りで調子乗...

#読了 2022.2.12 9話の短編集。日本推理作家協会賞受賞作品。帯にある通り「9つすべてがどんでん返し」。終始不穏なゾワゾワ感からの見事なミスリード!全話が高クオリティのギミック!すごい!気持ち良すぎる! 「なるほどね、そーゆーことだろ?バーロー」って名探偵気取りで調子乗って読んでほしい。絶対騙される!(笑) 私の中でのどんでん返し系では1番かも。 じりじりと忍び寄る不穏な空気。小さな気付きが積み重なって、スピード感を持って結末に向かっていく。でもそれは見事なミスリード!1話目、2話目は作者の思うままに誘われて最後にスッコーンと見事にひっくり返された(笑)そーゆーことね!と楽しみ方が分かって3話目に挑むも最後でまたまた驚いちゃう。そんなかんじで読み進めて結局9話全部、先読み不可能でした(笑) 9話もあれば、どんでん返しを狙うあまりミスリードの方のストーリー展開の方が面白かったのでは?と思う弱いオチになってしまうものがありそうなのに、9話すべて「えぇー!まじか!」「おぉー…そうきたか…」と楽しませてくれた。 匂わせの1文や1ワードにも敏感になって鵜呑みにしないぞ〜と思ってるんだけど、想像もしなかった最後が待っていて、匂わせとも気付かないなんでもない1文1ワードが「あれはそういう意味だったのか」ってなったり、「あそこからもう違う話だったのか」ってなったりする。くぅ!巧妙!! 長編の伏線回収系小説の後半だけを読んでるような気持ち良さがある。不穏な空気と緊張感をジリジリ感じさせるだけの情景描写はしっかりありつつ、その中での気付きや違和感がどんどん結びついていく。←ここがまさにミスリード。そして自分の中での考察が出来上がった頃にどんでん返しの答え合わせで結末を迎える。間延びしないサクサクしたストーリー展開は読者を飽きさせない。文章増やして中編くらいにしても成り立ちそうな気がするから、このクオリティのギミックを短編にしちゃうなんて贅沢なかんじ! すごいよく出来てるのに読んでる人少ないんだよなぁ。「満願(米澤穂信)」が面白かったという人はぜひ読んでもらいたい! ハルキストみたいな行間読みつつ自分の中での考察交えて本読む人はまんまと騙される気がするね!(笑) にしてもなんでこんなにレディコミみたいな表紙なんだろね(笑)中身読むとそんなに違和感も無いけどジャケ買いはしないよなぁ^^; 矢樹純さんの他の作品も読みたいな。行間をたっぷり読ませる長編小説の合間とかに。 東野圭吾作品の読後感が映画を見た後のようだとしたら、この短編集はスマホの難しいパズルゲームを解いた後のよう。スッキリ感と到達感がある。 ◆内容(BOOK データベースより) 昨年、夫の孝之が事故死した。まるで二年前に他界した義母佳子の魂の緒に搦め捕られたように。血縁のない母を「佳子さん」と呼び、他人行儀な態度を崩さなかった夫。その遺品を整理するうち、私は小さな桐箱の中に乳児の骨を見つける。夫の死は本当に事故だったのか、その骨は誰の子のものなのか。猜疑心に囚われた私は…(『夫の骨』)。家族の“軋み”を鋭く捉えた九編。

Posted byブクログ

2022/01/19

全体的に暗ーい感じの話が多かったけど、短い割にふっと意表を突いた終わり方するね 後の方は慣れて、オチが読めてしまった

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2022/01/18

どの話もしっとりとイヤな感じになったり、 かと思えばほっこりするときもあったり、 不思議な短編集でしたー。 夫の骨 物置小屋から乳児の骨が出た。義母との関わりが…。 朽ちない花 いつも上から目線の姉。私は養育費を受けとる権利がある 柔らかな骨 孫を助けたい、認知症の...

どの話もしっとりとイヤな感じになったり、 かと思えばほっこりするときもあったり、 不思議な短編集でしたー。 夫の骨 物置小屋から乳児の骨が出た。義母との関わりが…。 朽ちない花 いつも上から目線の姉。私は養育費を受けとる権利がある 柔らかな骨 孫を助けたい、認知症のおばあちゃん。 ひずんだ鏡 食べたり食べなかったり、几帳面にゴミを仕分けたり…。 絵馬の赦し 中学受験に向けて親子で取り組む。 虚ろの檻 土佐犬が毎日うるさくて…。 鼠の家 妹とは家族の血が繋がってない。母は妹のことを…。 ダムの底 ダムの底にはいろんなものが捨ててある。 かけがえのないあなた 借金まみれの旦那。そんな旦那なんかいなくなれば…。 どの話もどんでん返し的な落ちがあって、予想はするけど 裏切られることが多かった。 だから、読んでても面白かったなー。 どの話もしっとりって表現がピッタリ!!

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2021/11/15

夫婦、親子の9つの短編でどれも面白かった。 特に『柔らかな背』はラストに落ちもあり、やられた感に誰かと共感したくて母親にも薦めてみたくらい(笑) 『虚ろの檻』はホラー色強く苦手。妄想?結局なんだったの?のまま終わったからモヤモヤしたまま。 漫画原作者ということで小説は電子書...

夫婦、親子の9つの短編でどれも面白かった。 特に『柔らかな背』はラストに落ちもあり、やられた感に誰かと共感したくて母親にも薦めてみたくらい(笑) 『虚ろの檻』はホラー色強く苦手。妄想?結局なんだったの?のまま終わったからモヤモヤしたまま。 漫画原作者ということで小説は電子書籍以外はあまりないようだけれど、自分の好みなので他の作品も機会があったら読んでみたい。再読可能性ありかな。

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2021/11/03

どの作品も嫌な登場人物が多かった 騙されてるようで騙している… 9つの家族の物語がそれぞれで面白かったけれど タイトル買いしたにも関わらず 個人的には表題作が少し残念だった

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2021/09/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読友さん推薦本。9つの話しが最終頁、最終行まで読み切らないと話しが完結せず。全てどんでん返しものだった。グロでもホラーではなく、ミステリーのような感じ。夫婦、姉妹、家族の想いのすれ違いによって、断層のように「軋む」関係性。この軋みの描写は共感できた。「ダムの底」という話しが印象的。夫婦不和により、妻が不倫、娘は登校拒否。夫は家事を懸命に行い、娘が立ち直る。妻との離婚、娘が犯罪に利用される。そこで夫が娘とダムい向かう。娘を想う男性の心情が共感できた。一方、もう少しゾワゾワ感+グロ部分もあって良かったかな。

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2021/08/25

* 夫の骨  矢樹純さんの小説を初めて読みました。 短編9作 夫の骨、朽ちない花、柔らかな背、 ひずんだ鏡、絵馬の赦し、虚の檻、 鼠の家、ダムの底、かけがえのないあなた 少し歪んでしまった登場人物達の どこかいびつな物語。 でも救いがどれも僅かに感じられる 追い詰められた後に...

* 夫の骨  矢樹純さんの小説を初めて読みました。 短編9作 夫の骨、朽ちない花、柔らかな背、 ひずんだ鏡、絵馬の赦し、虚の檻、 鼠の家、ダムの底、かけがえのないあなた 少し歪んでしまった登場人物達の どこかいびつな物語。 でも救いがどれも僅かに感じられる 追い詰められた後に微かな逃げ道が 感じられる。 読後に、あぁそうきたか、、。 と感じる物語、 個人的には、鼠の家が気に入ってます。

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2021/08/09

ネチネチした日常描写から、一転、鮮やかに落とすというタイプの作品が並ぶ短編集。こう書くと胸糞な結末が続きそうで、腰が引ける人も多そうだが、バッドエンドは意外とすくない。逆に純粋なハッピーエンドと呼べる作品も多くはないが、結末にカタルシスがある話が多いので、読後感は悪くない。

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2021/08/03

なしてこの本が図書館に予約されていたのかは不明だけど、懐かしく読んだ、こういうの。中高生の頃によく読んだ、夏樹静子とか阿刀田高とかを思い出させる、日常生活の延長上の、家族の桎梏絡みの短篇集。「絵馬の赦し」の結局は何も知らないずに中学受験を乗り越えた楓花ちゃんの素直さと、「鼠の家」...

なしてこの本が図書館に予約されていたのかは不明だけど、懐かしく読んだ、こういうの。中高生の頃によく読んだ、夏樹静子とか阿刀田高とかを思い出させる、日常生活の延長上の、家族の桎梏絡みの短篇集。「絵馬の赦し」の結局は何も知らないずに中学受験を乗り越えた楓花ちゃんの素直さと、「鼠の家」の実は悪いのは死んだ親父だけじゃんな落としが印象的だった。

Posted byブクログ