検事の信義 の商品レビュー
◆裁きを望む・・・佐方は刑事部の高泉が窃盗の容疑で起訴してきた芳賀渉に無罪論告を行った。しかしこれには実は芳賀の思惑が隠されていた。 ◆恨みを刻む・・・刑事部の笠原が覚せい剤所持の容疑で起訴してきた案件で、証言者が犯行を目撃した日は運動会が行われていたはずだと佐方は疑問を抱く。 ...
◆裁きを望む・・・佐方は刑事部の高泉が窃盗の容疑で起訴してきた芳賀渉に無罪論告を行った。しかしこれには実は芳賀の思惑が隠されていた。 ◆恨みを刻む・・・刑事部の笠原が覚せい剤所持の容疑で起訴してきた案件で、証言者が犯行を目撃した日は運動会が行われていたはずだと佐方は疑問を抱く。 ◆正義を質す・・・同期の木浦に誘われ、帰省の日を1日早めた佐方。しかし木浦から思わぬ探りを入れられ訝る。 ◆信義を護る・・・介護疲れで母親を殺した容疑で刑事部が起訴してきた案件。しかし佐方は、容疑者が2時間現場からそう遠くない場所に居続けたという証言に疑問を抱く。 以上4編の短編集。いずれも刑事部が起訴してきた案件について、公判部の佐方が疑問を抱く内容となっている。 ◆信義を護る・・・超多忙な検事が、こんなささやかな疑問のために時間をさくことは本来無理だろうと思いつつ、佐方だからこそ真実に辿り着いたと思われる案件。本来は弁護側が主張すべきことを、ことごとく検事である佐方がやってしまう。実際にこんな風に動く検事なんてありえるんだろうか。
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ガミさんの話に比べると静かな展開。 しかしながら、その中にも緻密に考えられた構成があり、納得させられる。 面子よりも信条を貫く佐方の行動は粋だ。
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信義とは「偽ったり欺いたりせず、真実で正しい道を守ること」まさしく佐方の信義を突き詰めた作品だった。警察調書の違和感から「被疑者は何かを隠している」と感じ取った佐方は、犯行現場、家、近所、同僚、会社を訪れる。佐方の持つ再びの違和感。佐方が見通す千里眼は何のためか?それは、罪を、まっとうに裁かせることこそが「正義」であるという彼なりの信義なのである。佐方の前に立ちはだかる障壁、それは近しい検事や刑事。彼らにも正義がある。正義vs正義、どちらが真の正義なのか?決して被疑者、検事、刑事を忖度することではない。
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久々に佐方シリーズ。 ワクワクしながら読み始めましたが、私の中で若干マンネリ化が。 ただ、話の中で日岡とか出てきておぉ!となりましたが。 やっぱりシリーズでいうと、ガミさんのシリーズの方が好きだな。いつか佐方と日岡が一緒にやってくれれば。(伏線らしきのあったが?) また佐方シリーズは短編より長編が好みです。
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作家柚月裕子作品に驚かされた。 自分の読み方が浅いせいだと思うが、まさか最後の証人が最初の作品とは。 佐方貞人シリーズは検事から弁護士になった佐方貞人が第一作。 何気なく読んでいたが、検事の信義を読み終えて初めて気がついた。 今頃気づいたのかと言われると思う。 検事である佐方貞人...
作家柚月裕子作品に驚かされた。 自分の読み方が浅いせいだと思うが、まさか最後の証人が最初の作品とは。 佐方貞人シリーズは検事から弁護士になった佐方貞人が第一作。 何気なく読んでいたが、検事の信義を読み終えて初めて気がついた。 今頃気づいたのかと言われると思う。 検事である佐方貞人を描く前に弁護士になった佐方貞人を描き、その人生を最初から読者に著す。 検事シリーズは弁護士佐方貞人が出現するまで、柚月裕子のなかではあとどのくらいあるのだろうか? 弁護士になった年数を考えるとギリギリ? ただ今回の検事の信義については、少し物足りない印象が残った。
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佐方シリーズ4作目。 引き続き検事時代。母親を殺した介護殺人の犯人とされた息子、暴力団のトップ釈放の話。 絶対いるよなーって偏屈なベテラン検事に邪魔されつつも、相変わらず罪をまっとうに裁き事件の真相を明らかにする佐方。 展開は2時間ドラマとかにありそうだけど、やっぱり読み応えが...
佐方シリーズ4作目。 引き続き検事時代。母親を殺した介護殺人の犯人とされた息子、暴力団のトップ釈放の話。 絶対いるよなーって偏屈なベテラン検事に邪魔されつつも、相変わらず罪をまっとうに裁き事件の真相を明らかにする佐方。 展開は2時間ドラマとかにありそうだけど、やっぱり読み応えがあります。父親の事件に関してやや引っ掛かりがありそうな表記は今後の伏線になるのかな?暴力団の件も今後にしこりを残すのか?
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「罪はまっとうに裁かれなければならない」 正義を貫く佐方検事に痺れます シリーズ4作目らしいので前3作も是非読んでみたい
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社会の仕組みとしてのの正義は、人の心に寄り添った正義とほんの少し違う時がある。 人間の微妙な心の動きの中にある、真相を取り巻く《何か》をあぶり出すことで、真相の本質が変わることにため息かでてしまった。
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佐方貞人シリーズの第4弾。ヤメ検の弁護士になることが分かっている検事5年目の佐方に配点された4つの事件。 罪がまっとうに裁かれるように犯罪の真相に迫る結果として、検察庁としては納得し難い問題判決にも躊躇しない佐方の姿勢には相変わらず舌を巻くが、それも直属の上司である筒井の存在あっ...
佐方貞人シリーズの第4弾。ヤメ検の弁護士になることが分かっている検事5年目の佐方に配点された4つの事件。 罪がまっとうに裁かれるように犯罪の真相に迫る結果として、検察庁としては納得し難い問題判決にも躊躇しない佐方の姿勢には相変わらず舌を巻くが、それも直属の上司である筒井の存在あってこそだと痛感する。一方で、有能さ故に組織での立場を悪くしていく主人公が切なくもある。 第3話の「正義を質す」では、『孤狼の血』シリーズとのコラボも楽しんだ。 20-32
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神父が、法廷に証人として登場。 それまでの調査で、被告人の人となりが分かっていたので、神父登場以降、涙無くしては読めなかった。
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