検事の信義 の商品レビュー
4話の短編。 検事の佐方を主人公に据えた、リーガルミステリー。 感情的ではない。 ぶっきらぼうで、斜に構えたような態度。 しかしその中には青い炎。 彼の信じるもの、彼が追い求める正義。 その実直で、頑固で、世渡りの下手な彼の仕事や人に対する思いが胸を打つ。 「恨みを刻む」では、...
4話の短編。 検事の佐方を主人公に据えた、リーガルミステリー。 感情的ではない。 ぶっきらぼうで、斜に構えたような態度。 しかしその中には青い炎。 彼の信じるもの、彼が追い求める正義。 その実直で、頑固で、世渡りの下手な彼の仕事や人に対する思いが胸を打つ。 「恨みを刻む」では、警察と検察の間を縫うようなドロリとした「正義」が不気味だ。 悪徳警察官はどう噛んでいるのか。 覚醒剤使用及び所持という罪がそもそも罪として裁かれるのか? 暴力団との関係は? 検察上層部、警察上層部の出世争い…情報量が多く、ともすればとっ散らかる内容だが、うまくまとまっている。 そして、簡単に解決しない、余韻を残した終わり方も見事! 「信義を守る」は、介護殺人。 子供のことがわからなくなっていく親の姿は辛い。 まだ、ありがたいことに「ひとごと」なのだが、いつ自分が当事者になるかわからない。 その時自分が手を血に染めない確証などない。 もちろんないことを心から望むが。 罪を償うことについて深く考える作品であるとともに、リーガル面の面白さもある。シリーズのようなので、続けて読みたい。
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佐方と別シリーズの人気キャラ日岡のニアミス短編などもあったりして充実の短編集なんだけど まとまりすぎだなあと思いました 佐方の検察の枠にとらわれないで自分の正義を貫くところもっともっと極端なかたちで読みたかったなあ いやまあ今回も十分はみ出てるんだけど勝手ですな読者って(なに目線...
佐方と別シリーズの人気キャラ日岡のニアミス短編などもあったりして充実の短編集なんだけど まとまりすぎだなあと思いました 佐方の検察の枠にとらわれないで自分の正義を貫くところもっともっと極端なかたちで読みたかったなあ いやまあ今回も十分はみ出てるんだけど勝手ですな読者って(なに目線だ!偉そうに!)
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認知症の母を殺害して逮捕された息子の裁判を担当することになった、任官5年目の検事・佐方貞人。彼は、遺体発見から逮捕まで「空白の2時間」があることに疑問を抱き…。心ふるわすリーガル・ミステリー全4編を収録。 検察という組織では出世しないだろうと思わせるものの、真実を一途に追い求め...
認知症の母を殺害して逮捕された息子の裁判を担当することになった、任官5年目の検事・佐方貞人。彼は、遺体発見から逮捕まで「空白の2時間」があることに疑問を抱き…。心ふるわすリーガル・ミステリー全4編を収録。 検察という組織では出世しないだろうと思わせるものの、真実を一途に追い求める姿が魅力の佐方検事モノが4編。どの話も意外な真相に驚けれどややワンパターン感も。ちなみに他の短編集で読んだことのある編も入っていた。 (Ⅽ)
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短編四篇。最後の「信義を守る」がよい。 話のトーンが、横山秀夫の「半落ち」と少し似てる。 大事な人の首を絞めてしまう。その後空白の時間がある。その間何をしていたのか本人は決して語らない。罪を裁く側の人間はそれが気になって仕方がない。分かった後は、もはや罰する気にはなれない。そん...
短編四篇。最後の「信義を守る」がよい。 話のトーンが、横山秀夫の「半落ち」と少し似てる。 大事な人の首を絞めてしまう。その後空白の時間がある。その間何をしていたのか本人は決して語らない。罪を裁く側の人間はそれが気になって仕方がない。分かった後は、もはや罰する気にはなれない。そんな話でした。 面子を潰された検事も「いい裁判だった。」と(苦言とセットながら)讃える場面が良いです。
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このシリーズは4冊あって いちばん古いのがヤメ検後の弁護士 他3冊は数年間の検事の時期のようだ。 検事の佐方もいいけど、事務官もいい味出してるね〜 でもやはり私は短編集は好きじゃないな。
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佐方貞人シリーズ4作目。普通誰も気にしないような些細な疑問も、安易な憶測や都合の良い思い込みで片付ける事なくしつこく調査して行く事から意外な真実が見えて来て、結果「罪をまっとうに裁く」事に繋がる、という佐方の軸は全くブレない。 第3話「正義を質す」ではなんと仁正会、五十子会、尾谷...
佐方貞人シリーズ4作目。普通誰も気にしないような些細な疑問も、安易な憶測や都合の良い思い込みで片付ける事なくしつこく調査して行く事から意外な真実が見えて来て、結果「罪をまっとうに裁く」事に繋がる、という佐方の軸は全くブレない。 第3話「正義を質す」ではなんと仁正会、五十子会、尾谷組に日岡秀一まで登場。佐方の同期で広島地検の木浦が電話で日岡と話した後に“話し方が誰かに似ている…佐方だ…斜に構えた態度、ぶっきらぼうな口調”“似たもの同士”“ふたりが会うことがあったら、どんな顔をするのだろう”等と思っている場面は、同じ作者だから出来る遊びだし、楽しみでもあり、です。
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佐方ワールド全開の短編集。何事にもブレないその姿勢に尊敬すら覚える。罪を犯した理由は人それぞれだが、最後の話の真相はちょっと辛くやるせない。途中うるっとしてしまうシーンも。その被告も佐方検事の真実を求める強い姿勢によって救われた。やはりすごい人だ。
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佐方貞人シリーズ、4作目。今回も信義を貫く佐方が気持ち良い。でも本当に、どんどん検察社会では肩身が狭くなってるんじゃないかと不安になってしまう。
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佐方貞人シリーズ、短編集。今作も検事時代の佐方。 「罪はまっとうに裁かれなければならない」 被疑者を起訴する側の人間だけれど、事件の裏に隠れた真実をしっかり見極め、自身の検事としての立場を揺るがすものであろうとブレずにハッキリと判断を下す佐方の姿はとても清々しいし、理想的。本来...
佐方貞人シリーズ、短編集。今作も検事時代の佐方。 「罪はまっとうに裁かれなければならない」 被疑者を起訴する側の人間だけれど、事件の裏に隠れた真実をしっかり見極め、自身の検事としての立場を揺るがすものであろうとブレずにハッキリと判断を下す佐方の姿はとても清々しいし、理想的。本来の検察はこうあるべきなのだろうなぁと思うけど、実際はそうもいかないか。 文中、日岡(孤狼の血)が出てくるのはサプライズ?出すならもう少し佐方と絡んで欲しかったけど、、、。でも、世界観が一緒だったのは嬉しい。 検事シリーズばかりだけど、弁護士佐方を読めるのはいつのことだろう?過去の検事時代を読めるのも嬉しいことだけど、今の弁護士の姿もそろそろ読みたいんだよね、、、。
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佐方貞人シリーズの4作目。佐方の公判部検事時代の話を集めた短編集。「裁きを望む」と「恨みを刻む」の2作は、2時間ドラマ化されている。私も見たのを覚えてるので、上川さんにしか思えない。「正義を質す」に登場する日岡秀一はまもなく2作目も公開される映画「孤狼の血」の主要人物で、松坂桃李...
佐方貞人シリーズの4作目。佐方の公判部検事時代の話を集めた短編集。「裁きを望む」と「恨みを刻む」の2作は、2時間ドラマ化されている。私も見たのを覚えてるので、上川さんにしか思えない。「正義を質す」に登場する日岡秀一はまもなく2作目も公開される映画「孤狼の血」の主要人物で、松坂桃李君が演じているそうだ。1作目見てないけど、このシリーズも読んでみるかな
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