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騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編(上) の商品レビュー

3.6

124件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    42

  3. 3つ

    47

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    0

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2020/02/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久々に読む、村上春樹の長編。全4巻のうちの1巻目。まだまだ始まったばかりだけれども、面白い。続きが気になる。 ・主人公は36歳で、美大を出た画家。肖像画を書くことで生計を立てている。この作品は日常を舞台としていて、描写が丁寧。画家という、自分とは縁のない職業の描写が新鮮で面白い。 ・村上春樹の長編作品の主人公は、みんな孤独を愛している。この作品もそうだ。離婚して、肖像画の仕事から離れて、ひたすら車を走らせる。何かしらのあてがあるわけでもなく1ヶ月半ほども車を運転し続ける生活。それに疲れたら、友人のツテで得た小田原の山上の家での生活。ここでも一人。この家ではテレビはなく、インターネットも繋がらない。絵を描く時間はたっぷりある。クラシック音楽を聴き、本を読み、食事を作る。こんな風に仕事や日常の煩わしさから解放された生活ができたらいいな、と読みながら想像する。でも、実際にはそんな生活には自分は耐えられないだろうな。 ・タイトルの『騎士団長殺し』は、小田原の屋敷の主人である雨田具彦の描いた日本画のタイトルだった。 ・日本画の定義。主人公と免色の二人でそんな話をする。日本画を日本画たらしめるものは何なのか?歴史、明治維新後の流れの話から語られる。言語で定義するのは難しいけれども、暗黙的な共通認識のようなものがある。 ・即身仏の話。上田秋成の小説集『春雨物語』の中にある『二世の縁』という物語。深夜に謎の鈴の音が聞こえてくるという状況と、即身仏の話。絶妙に恐怖感を煽られる。 ・1巻を読んだだけでは謎が深まるばかり。これらはこの先で明らかになるか?  - 石の塚の下から深夜に聞こえてきた鈴の音はなんなのか?  - 免色渉は何者なのか?なぜ肖像画を依頼したのか?なぜこれほど主人公に協力的なのか?  - 屋根裏にいたみみずくは何を表しているのか?  - 免色渉の交際相手の行動の意味は?  - 主人公の妻はなぜ離婚を切り出したのか?

Posted byブクログ

2020/02/09

やはり独特の文体というか、なんというか、 もってまわった言い方をする主人公っていうのは、 村上春樹ならではの特徴というべきか… 第1巻で、タイトルがどういう意味合いを持つのか、 チラ見せはあるが、結末はまったく予想できない。

Posted byブクログ

2020/01/20

直近で他の村上作品を読んだせいか、これまで読んだ作品の中で見た描写や設定が目に付いた。 同じ作者なので当然といえば当然か。

Posted byブクログ

2020/01/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 やっぱり期待を裏切りません。好きやわ~村上先生!  そこかしこに散りばめられる比喩。行動ひとつひとつを丁寧に描写。(例えば起きてから出かけるまでの手順とか)クラシック、80年代ポピュラー、オペラ等の音楽、興味深い免色さんの車やいつもシュッとしてるスタイル、たった一人で豪邸に住む謎の生活(特にディナーにおよばれに行ったときの目もくらむような演出と専属シェフによる豪華な食事にはワクワクした。)…とにかく、聞くもの、食べるもの、着ているものを心地よく説明してくれる。(秋川笙子さんも相当おしゃれですよ。)  そしてなんといっても、雑木林の祠の裏にある穴と、雨田具彦が描いた傑作「騎士団長殺し」の絵に象徴される村上ワールド!穴に閉じ込められる系がお好きなのかしら。そして娘と思われる女の子の生活を盗み見するためだけに向いの山に豪邸を購入する免色さんは「華麗なるギャツビー」へのオマージュ?  免色さんも小難しいことしゃべるし、イデアだのメタファー(出たよ)だの登場するけど、深く考えずに村上春樹の心地よい文章リズムにただ身を任せるのが正しいと思う。  最終章で「私」はこう語る。 彼ら(騎士団長殺しの絵に登場する人たちね。)のことを思うとき、私は貯水池の広い水面に降りしきる雨を眺めているような、どこまでもひっそりとした気持ちになることができる。私の心の中で、その雨が降りやむことはない。 …うまいな~。水面に水があたるざあざあという音を残してこの長いお話が終わった。  最後に、小説を読み終わってからプロローグをもう一度読み返すことをお忘れなく。

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2020/01/07

久しぶりに村上春樹が面白い!まだまだ序盤で何も起こってないと言えば起こってないが、気になることや展開の読めなさは相変わらず。村上春樹作品は厳密にストーリーを追うのではなく、そこに佇む雰囲気をずーっと味わい続けるのが合っている。言葉選びや組み立てかたが村上春樹にしかできないセンスで...

久しぶりに村上春樹が面白い!まだまだ序盤で何も起こってないと言えば起こってないが、気になることや展開の読めなさは相変わらず。村上春樹作品は厳密にストーリーを追うのではなく、そこに佇む雰囲気をずーっと味わい続けるのが合っている。言葉選びや組み立てかたが村上春樹にしかできないセンスで構築されておりとっても読みやすい。ただし深いところを理解しようとすると難解。 そんな村上春樹作品を読める幸せを感じながら1巻を読了。 総合的な感想は全巻読んでから。

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2020/01/04

村上春樹「騎士団長殺し 第1部(上)」読了。画家である「私」が車での一人旅から戻り落ち着いた先は山内の家屋。それから奇妙な出来事に遭遇し不思議なつながりが「私」を魅了する。面白かった。

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2019/12/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

村上春樹作品の主人公(大抵の場合、僕)は大体同じようなキャラクター(クラシックやジャズが好き、料理が好き、読書が好き、色んな女を抱く、などなど)だなと思っていて、恐らく村上春樹本人(あるいは村上春樹にとっての理想像)がモデルだろうと勝手に思っていて、今回もそんなキャラクターだった。というところから、考えて、ひょっとして絵を描くことと小説を書くことというのは似てるのかなと。 例によってちょいファンタジー要素もあり、ちょいミステリー要素(いつも通り解決しない謎多数)もあり、最近の村上春樹っぽい長編作品でした。

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2019/12/24

この度初めて村上春樹に挑戦。 振り返れば自分が読んでいた小説は、恋愛、ミステリー、時代小説など、ジャンルがはっきり分かりやすいものだったんだな、ということを発見。「これが村上春樹なのか…!!」とドキドキ。他の村上作品を読んだことがないので「いや、感想そこじゃないよ!!」という先...

この度初めて村上春樹に挑戦。 振り返れば自分が読んでいた小説は、恋愛、ミステリー、時代小説など、ジャンルがはっきり分かりやすいものだったんだな、ということを発見。「これが村上春樹なのか…!!」とドキドキ。他の村上作品を読んだことがないので「いや、感想そこじゃないよ!!」という先輩がいらっしゃったらごめんなさい。 画家が主人公であること、お酒や音楽のエッセンスがちりばめられていることなど、絵もお酒も音楽も好きな自分にとってはストーリー以外のところでも楽しめる作品。とは言え、きっとこの辺の要素が作品の雰囲気を作るのに一役買っているんだろうなあ。(もちろん、本作にとって「絵」は重要なモチーフだけれども) 全4巻あるうちの第1巻なのでまだまだ序章という感じかなと。

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2019/11/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久々の村上春樹。 これはもう、村上春樹でしかない。 しかもまだ二部構成の一部の前半をーつまりまだ全体の四分の一を一終えたに過ぎない。やれやれ。 そういえば、今回はまだ主人公は「やれやれ」を発していない。免色(明らかに本作の超重要人物だ)が最後に発しただけだ。 既に、個人的に好きな描写を見つけてしまった。 〜以下引用〜 P182 「偽装した祝福。(中略)で、もちろん世の中にはその逆のものもちゃんとあるはずだ。理論的には」 理論的には、と私は頭の中で繰り返した。 「よくよく気をつけた方がいい」と彼は言った。 気をつけると私は言った。 〜引用ここまで〜 “私”と友人の政彦との電話での会話から。 主人公の相手(ここでは政彦)が長台詞を語り、主人公は繰り返すことでその台詞の核心を反芻する。 ただ反復しているようでいて、実は反芻していると感じてしまう会話の描写。 他にもシビれる春樹節に酔いしれて四分の一。 続きが楽しみ。

Posted byブクログ

2019/12/03

ノルウェイの森以来の村上春樹‥ そのくらい村上春樹が読みにくかった印象ながら 久しぶりに手を伸ばして読み始めたら あら?意外とスラスラ読めちゃう、楽しい。 まだ一章節目、ここから入り込めたら 他の作品も読んじゃうかも *・゜゚・*:.。..。.:・*:.。. .。.:*...

ノルウェイの森以来の村上春樹‥ そのくらい村上春樹が読みにくかった印象ながら 久しぶりに手を伸ばして読み始めたら あら?意外とスラスラ読めちゃう、楽しい。 まだ一章節目、ここから入り込めたら 他の作品も読んじゃうかも *・゜゚・*:.。..。.:・*:.。. .。.:*・゜゚・* ゜゚・*:.。..。.:・*:.。. .。.:*・゜゚・* ここから、どうなって騎士団長に辿り着くのか 想像も出来ない‥けど、面白かった! 今まで長編小説を読んだことがなかった私が まさか苦手と思っていた村上春樹で長編を読むなんて(驚)

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