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あひる の商品レビュー

3.8

218件のお客様レビュー

  1. 5つ

    40

  2. 4つ

    90

  3. 3つ

    57

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

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2023/03/07

一見穏やかな日常を切り取って書いた感じだが、不穏な雰囲気を残してプツッと終わるストーリーで、なんだこれは!となった。同じく今村夏子さんの「星の子」を読んだ時も思ったが、何気ないところに、あら?なんかおかしくない?を忍ばせるのがとても怖いと思う。

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2023/02/19

淡々と恐ろしいことが描かれている。でも、現実世界でも実際に存在すると思えてしまう。世界観に飲み込まれていく。 良い意味で不快、不穏。

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2023/02/14

就寝前に本著を読んだら夢の中でずっとあひるが動いていた。 今村さんの作品は不思議だ。 大事件や事故が起きるわけでもなく、強烈な人物が登場するわけでもない。 動物病院から戻って来たあひるが小さくなっていたり、太っていたりする。 特徴も明らかに以前飼っていたあひるとは違う。 ...

就寝前に本著を読んだら夢の中でずっとあひるが動いていた。 今村さんの作品は不思議だ。 大事件や事故が起きるわけでもなく、強烈な人物が登場するわけでもない。 動物病院から戻って来たあひるが小さくなっていたり、太っていたりする。 特徴も明らかに以前飼っていたあひるとは違う。 違和感を感じても家族はなんら行動を起こす事もなく受け入れ、日々を淡々と過ごして行く。 同時収録の「おばあちゃんの家」「森の兄妹」にしても何かヘン、モヤッとする。 そしてラストでスカッとする事もないまま、読後もモヤッと感が続く。 独特な世界観だが癖になる。

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2023/04/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

何も起きてないんだけど怖い。 お風呂場で天井から水が背中に落ちてくるとか、 視線を感じて振り向くと鏡にうつる自分と目が合ったとか。 日常に潜むちょっとした不快感。 それをさらっと書かれているからこそ不快感が増す。 好きでした

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2023/01/31

3つの短編はどれも家族の風景を描いているが、少し不思議で不穏な空気感に溢れ、ざわざわとした感情を呼び起こさせられる。思いがけずあひるを飼うことになった家族、離れに住む血の繋がっていないおばあちゃんと家族、貧しい母子家庭の幼い兄弟が偶然出会ったおばあちゃん(2話目のおばあちゃんだ!...

3つの短編はどれも家族の風景を描いているが、少し不思議で不穏な空気感に溢れ、ざわざわとした感情を呼び起こさせられる。思いがけずあひるを飼うことになった家族、離れに住む血の繋がっていないおばあちゃんと家族、貧しい母子家庭の幼い兄弟が偶然出会ったおばあちゃん(2話目のおばあちゃんだ!)との不思議な交流。なにげない日常が実は不安定で予測できない時間の連なりであることを、改めて感じさせられる。

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2023/01/30

2023.1.30 読了。 今村夏子の3作の短編集。 読んでいて仄かな不安と恐怖感があるが、それを簡潔に説明せよと言われるととても難しい作品だと思った。不穏な空気を漂わせつつもそれが何かをはっきりと明言せず一見淡々とした日常と思わせるが不明瞭な日常、登場人物たちの何故か見て見...

2023.1.30 読了。 今村夏子の3作の短編集。 読んでいて仄かな不安と恐怖感があるが、それを簡潔に説明せよと言われるととても難しい作品だと思った。不穏な空気を漂わせつつもそれが何かをはっきりと明言せず一見淡々とした日常と思わせるが不明瞭な日常、登場人物たちの何故か見て見ぬふりをして生きていく様等が不気味に思わせる一冊。読み終えても明確な答えをくれないところがある種の中毒性を持っていると感じた。 この本の読書感想文を書けと言われたらほとほと困ってしまう。何を言いたいのか分からないのにこんなに魅力的な作品を読んだのは久しぶりだし自分の中で新しいジャンルの本との出会いになった。

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2023/01/23

特別なことは何も起こらない。けれど、日常のちょっとした出来事、人の気持ちなどが淡々と書かれている。もやもやした気持ちになる、けれど読み進めてしまう。そんな一冊でした。

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2023/01/18

のりたまが交換可能なペットで、さらにそのペットという存在さえも、孫に取って代わられる交換可能な存在、という皮肉が面白かった。 今村夏子さんの面白さが少し分かった小説。

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2023/01/08

知らない空き地に放り出されたような読了感。 解説から「今村夏子が何について書いているかは誰も知らない。ー中略ー 文章は平易で、曖昧なところはどこにもない。見えるものが書かれ、見えないものは書かれていない。」 表題『あひる』(わたし目線)…寂しさから⁈ 何かにのめり込むことに夢...

知らない空き地に放り出されたような読了感。 解説から「今村夏子が何について書いているかは誰も知らない。ー中略ー 文章は平易で、曖昧なところはどこにもない。見えるものが書かれ、見えないものは書かれていない。」 表題『あひる』(わたし目線)…寂しさから⁈ 何かにのめり込むことに夢中になる父母。その対象自体には執着せず、無くなると次の対象へ矛先を変える。その冷淡さにゾクッとした。 他『おばあちゃんの家』(みのり目線)、『森の兄妹』(モリオ目線)の2話は連作短編。迷宮入りの疑問が、なんとも言えず好き♡

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2023/01/08

この本を読んで、自分は何か大きな出来事が起き、それを紐解いていく話(解説まですっきり入っているような話)がすきなのだと改めて実感した。 それくらいこの本は何も起きていない(実際には起きているのだろうけれど)ように感じさせてくる奇妙な物語でした。 文書自体は、まるで子どもが見たまま...

この本を読んで、自分は何か大きな出来事が起き、それを紐解いていく話(解説まですっきり入っているような話)がすきなのだと改めて実感した。 それくらいこの本は何も起きていない(実際には起きているのだろうけれど)ように感じさせてくる奇妙な物語でした。 文書自体は、まるで子どもが見たままを語るかのような矢継ぎ早に短文が続くもので、あっという間に読み終わりました。 大事なところが語られない、もやもやの正体がわからないまま終わる読後感があまり受け付けなかったけれど、色々な方の感想を読んで、捉え方も様々あって楽しかったです。 登場人物一人ひとりみんな何かが少しずつずれてる感覚が拭えないまま読み終わりました。 

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