あひる の商品レビュー
今までの人生で一度はあった、なんか怖いなと思う出来事が物語になった感じ。 ファンタジー的なホラーよりリアリティのある不気味な違和感がよっぽど怖い。
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芥川賞を受賞したむらさきのスカートの女を読んでから2作目。むらさきのスカートの女を読んだときも感じたゾワゾワとした感じを今回も感じた。 なんとも言えないゾワゾワとした感じ。最高。あひるは何なのか。後の2作品も何を意味しているのか。おそらく、描かかれていないのに感じるこの「何か」が...
芥川賞を受賞したむらさきのスカートの女を読んでから2作目。むらさきのスカートの女を読んだときも感じたゾワゾワとした感じを今回も感じた。 なんとも言えないゾワゾワとした感じ。最高。あひるは何なのか。後の2作品も何を意味しているのか。おそらく、描かかれていないのに感じるこの「何か」が良いのだろう。 いやー良かった。
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純文学に触れてみたくて検索をした結果、むらさきスカートの女がオススメとなっていたが、先にこちらを読んでみた。同じ世界観で起こる3つの物語。子供視点で描かれる大人って何してるんだろう?を、他の本ではそのままサスペンスになりそうな、ちょいホラー感スパイスとしているように感じた。読みやすい文体も相まって先を読んでしまう。しかしそこから事件が発生するわけでもなく、何事もなかったように日常に戻っていく。 なんとも不思議な本を読んだ気がした。
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終始流れる不穏な空気が癖になる 帯にある、"何気ない日常のふわりとした安堵感にふとさしこむ影" ほんとそのまま あひるは特に、今村夏子っぽい歪んだ人が見れた 考察を本好きで語り合いたいような、深読みさせたくなるような本 難しくて手放しに面白い!となれないから...
終始流れる不穏な空気が癖になる 帯にある、"何気ない日常のふわりとした安堵感にふとさしこむ影" ほんとそのまま あひるは特に、今村夏子っぽい歪んだ人が見れた 考察を本好きで語り合いたいような、深読みさせたくなるような本 難しくて手放しに面白い!となれないから星3、笑
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表題作の「あひる」と、「おばあちゃんの家」「森の兄妹」の三部作。 タイトルのほんわかさに、まんまと騙された。 最初の引っ掛かりは気のせいでもなんでもなく、読み終わるまでずっとついて回る。 でも、勝手に気味悪がっているだけ。 決定的な「なにか」は書かれていないのに、勝手に想像し...
表題作の「あひる」と、「おばあちゃんの家」「森の兄妹」の三部作。 タイトルのほんわかさに、まんまと騙された。 最初の引っ掛かりは気のせいでもなんでもなく、読み終わるまでずっとついて回る。 でも、勝手に気味悪がっているだけ。 決定的な「なにか」は書かれていないのに、勝手に想像した私は、勝手に背筋を寒くする。
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この著者の作品は、読んでてゾワゾワする、三つの短編であるが、どこにでもある家庭の秘密と子供の残酷さ、そして何となくこの後の不穏さを感じてしまう、湊かなえのイヤミスとは違う不安の立像のような感じだ。
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きっとわざとだ だからこそものすごくリアリティがある 矛盾しているようだけど 一見本質的な事は書いていない むしろ避けているように書かれている 読後、ぽっかり空いた書かれていない部分をアウトラインにして本質が自動的に立ち上がってくる それだけに全く説教臭くないのだ 現代の人...
きっとわざとだ だからこそものすごくリアリティがある 矛盾しているようだけど 一見本質的な事は書いていない むしろ避けているように書かれている 読後、ぽっかり空いた書かれていない部分をアウトラインにして本質が自動的に立ち上がってくる それだけに全く説教臭くないのだ 現代の人間性が『置いてある』のを観る感覚でした すげー
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文字が大きく、文章も読みやすい。 物語にすぐ引き込まれていった。 読み終わった後に、何度か読み返したり、 色々と考えさせられる小説。 言葉にしないけど、みんな気づいている怖さ。 今村さんの作品をもっと読んでみたくなった。
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河合隼雄物語賞受賞の表題作「あひる」。何も起こっていないはずなのに、読み進めるほど漂ってくる不穏さに、気持ちをざわつかせながら読んだ。他の2作も静かに壊れている。
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作者の作品は既に数冊読んでいるが、読み始めてすぐ今村夏子の作品世界にスッと引き込まれる。不思議なのは常識とズレた感性の登場人物に違和感どころか、どこか親近感のようなものを覚えてしまうところ。彼女の作品は忘れてしまった感性をいつも思い出させてくれるような気がする。だから自分が失ってしまった感性を持ち続けている登場人物たちにどこか愛しさを覚えてしまうのだろうか。それは特に『森の兄妹』で強く感じた。フワッとした感じで終わることの多い作者の作品の中でこの作品のほのぼのとしたあったかい雰囲気のラストが予想外で思わず泣けてきそうだった。
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