坂の途中の家 の商品レビュー
主人公は、期せずして裁判員を経験することになった若い母親。 事件は母親による子殺し。 はじめての裁判への参加。 ひとつの事件が、語る証人によって、幾重にも違う相を見せることの驚き。 そして主人公は、母親の子殺しという事件が 決して自分と遠いことではなく、 自分の生活の中でも一歩...
主人公は、期せずして裁判員を経験することになった若い母親。 事件は母親による子殺し。 はじめての裁判への参加。 ひとつの事件が、語る証人によって、幾重にも違う相を見せることの驚き。 そして主人公は、母親の子殺しという事件が 決して自分と遠いことではなく、 自分の生活の中でも一歩の違いで起こっていたかもしれないことに思いが至る。 不思議なんですが、主人公も、似たような状況にあったことを、 なぜか忘れているんですね。ページが進むにつれて、 主人公もかなりヒドイ毎日を過ごしてきたことがわかってきます。 なぜ忘れているんだろう。 あと一歩のところで、破滅を切り抜けてきた、 だから今は忘れていよう、という無意識の現れでしょうか。 朝日文庫 500ページ
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とても面白かったのだけど、結局、主人公がどういう決断をしたのかまでは書かれていなかった。 事件の真相もわからないままだった。 ちょっとモヤモヤ。 こどもを電車に忘れてしまったり、夜道でこどもをひとりきりにするなんて…さすがに首を傾げた。 未就園児だし、交通事故に遭いかねない。 ...
とても面白かったのだけど、結局、主人公がどういう決断をしたのかまでは書かれていなかった。 事件の真相もわからないままだった。 ちょっとモヤモヤ。 こどもを電車に忘れてしまったり、夜道でこどもをひとりきりにするなんて…さすがに首を傾げた。 未就園児だし、交通事故に遭いかねない。 夫の反応は普通だと思った。 今、中学生の息子がいるのだが、大変さは赤ちゃんの頃から少しずつキツくなっている。 大変さの質は異なるが、ちっとも楽にはなっていない。 大変だったけど、赤ちゃんの頃の方がまだ良かったよ…と思ってしまった。
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途中まですらすらと読めたのに、半分を過ぎたあたりからわかるようなわからないような気持ちになってしまった。結局、何だったんだろう何が言いたかったんだろう
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私は子供を持っていないがかなり感情移入をして読んだため、本当にこういうことがどこかで起きてるだろうなと思った。 周りからはわからない、自分にしか感じ取れない相手の物言いや態度が人を苦しめることは本当にあると思う。 自分も気をつけようと思った。
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私も乳幼児期の子育てをしていて、児童虐待の事件をニュースで目にするたびに、「明日は我が身」と思っていた。 読んでいてあの頃がフラッシュバックされ、非常にしんどかった。一度挫折もしたし、最後まで涙無しには読めなかった。 里沙子は、水穂の事件について裁判員として関わることで、里沙子...
私も乳幼児期の子育てをしていて、児童虐待の事件をニュースで目にするたびに、「明日は我が身」と思っていた。 読んでいてあの頃がフラッシュバックされ、非常にしんどかった。一度挫折もしたし、最後まで涙無しには読めなかった。 里沙子は、水穂の事件について裁判員として関わることで、里沙子自身が抱えていた、あるいは封じ込めていた感覚や考え、想いに触れることができた。 それと同時に、水穂の行為や里沙子の物語を読者として見つめることで、私自身の内省に繋げられたような感じがする。
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子育ての怖さを感じさせる場面が多かった。確かに四六時中文句ばかり言って言うことを聞かず、自分以外には甘えて自分を貶めるような素振りをされたらたとえ実の子供でも可愛いと思えるか不安になった。 裁判中の供述によって子殺しをした女への見方がグルグルと変わっていくのは角田光代がどちらの立...
子育ての怖さを感じさせる場面が多かった。確かに四六時中文句ばかり言って言うことを聞かず、自分以外には甘えて自分を貶めるような素振りをされたらたとえ実の子供でも可愛いと思えるか不安になった。 裁判中の供述によって子殺しをした女への見方がグルグルと変わっていくのは角田光代がどちらの立場にも立ってないからなのかと感じた。どちらの視点もフラットに見せているため気持ちよく振り回されてしまった。 善意に隠された悪意は相手を貶め、傷つけ、自分の元から出ていかないようにする愛っていう事が胸に残った。そういう愛し方をしない人間になりたい。 最後の空想シーンは胸が痛くなった、やはり孤独は怖い。
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重なり合う2人の女性の思考が、まるで私が感じている事かのように描かれていて角田さんらしいリアルな文章だった。引き込まれた また、里沙子の視点で描かれているので本当に周りに追い詰められているのか、周りからみた里沙子の印象を想像しながら読むと恐ろしくもあり良い作品だと感じた
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一度は感じたことや見たことはある嫌な人の描写が絶妙 結婚を機に旦那に影響されコントロールされやすい人間になってしまった主人公は裁判員で知ったある母親がおこした事件に自らを重ね人生を見直していく 考えすぎと思う人もいるのだろうけど自分を形作っているのは自分だけではなくて大なり小な...
一度は感じたことや見たことはある嫌な人の描写が絶妙 結婚を機に旦那に影響されコントロールされやすい人間になってしまった主人公は裁判員で知ったある母親がおこした事件に自らを重ね人生を見直していく 考えすぎと思う人もいるのだろうけど自分を形作っているのは自分だけではなくて大なり小なり身近にいる人にも影響されているのだろう もちろん他責はいけないが、はっきりとは言わずに無自覚にしろ自覚的にしろ誘導するような言い方をするこの旦那みたいな人っている でも所詮他人の気持ちなんて予測したところで完全には分からないし自我を押し殺してまで受け入れる必要もない 自分を見つめ直すのはしんどいし見ないふりは楽だけど自分が変わらなければ一生嫌な自分のままだ 果たしてそれでいいのだろうか? 辛いけれど読んでいて勇気を持てる話だった
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乳児虐待死事件の補充裁判員に選ばれた主婦の話。裁判が進むにつれ、全く異なる人種と思っていた被告人と自分の姿を重ねていく主人公。次第にこれは裁判の話か、主人公の話か、混乱してくる。主人公の心情の描写がほんとにリアルで、読んでいる自分も、これは自分の話か?と錯覚してくる感覚があった。...
乳児虐待死事件の補充裁判員に選ばれた主婦の話。裁判が進むにつれ、全く異なる人種と思っていた被告人と自分の姿を重ねていく主人公。次第にこれは裁判の話か、主人公の話か、混乱してくる。主人公の心情の描写がほんとにリアルで、読んでいる自分も、これは自分の話か?と錯覚してくる感覚があった。 子育てしたことがある人、だけではなく、身近な人との関係に少しでも葛藤を感じたことのある人(ない人なんている?)は、必ずどこか共感したり、どきっとしたりする描写が出てくるはず。 そんな感想を持って解説読んだら、まさに私が思っていたことが的確に表現されていて、激しく頷いた。
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親子や夫婦間でさりげなく相手をコントロールしようとする姿がリアル。 これはもっと幅広く色々な人間関係で行われている気がする。 それが恐ろしくて絶望的な気持ちだったので、電車内の迷惑カップルに励まされた。
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