坂の途中の家 の商品レビュー
読み進めるのがとても辛くて一刻も早く読み終えて、この世界から解放されたいと思う自分がいた。様々な後悔がそう思わせるのだろう...。ただ、過去を無きものになどできはしないのだ。背負いながら生きていきますよ、これからも...。
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主人公のように旦那に遠慮している人はとても多いと思う。 我が家は遠慮など一切なくバシバシ言い合う家庭だが、その分他の夫婦より何倍も喧嘩は絶えなかった。 どちらがいいとかではないが 旦那を怖がる友人を見ると不思議に思っていた。 なんで怖がるのか? なんで遠慮するのか? どうし...
主人公のように旦那に遠慮している人はとても多いと思う。 我が家は遠慮など一切なくバシバシ言い合う家庭だが、その分他の夫婦より何倍も喧嘩は絶えなかった。 どちらがいいとかではないが 旦那を怖がる友人を見ると不思議に思っていた。 なんで怖がるのか? なんで遠慮するのか? どうして言えないのか? ずっと疑問だったけど、そうか。 対等じゃない関係性を創り上げられてしまっていたのか…と理解した。 自己嫌悪に陥る環境の中に居れば、自分の意見など通らないと最初から諦めてしまうのだろうなと。 周囲から見たらしっかり言い返せているように見える夫婦も、本当に言いたいことは言えずにいることもある。 そこに子育てが加わった時にもたらす 女性の精神状態はきっと周囲には想像もできない負担があるのだろうと察することができた。 私は子育ての経験がないからこそ 読んで良かった。
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モラハラをされた時、自分のせいだと思ってしまう人もいる。モラハラをする側は、自分の事を棚に上げて相手を下に見ることで、安定を保っている。 どちらの側にも居着く事がないように、カラリとかわせる術を身に付けたい。
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読んでてこんなにやり切れない思いになる本も珍しい。幼児を死なせてしまった母親の裁判の裁判員となった同じく幼児の母親の話。被告を自分に重ね被害妄想的に追い詰められていく様子は息ぐるしくなる。
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解説者の方も書いているが、私も主人公の美沙子と自分を重ねて読んだ。 「そうそう!そうなのよ!」と子供が小さかった頃の色んなことが思い出されて仕方がなかった。 美沙子のその後の小説が読みたい。
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親や夫との力関係や子育てについて、経験はないけれど主人公の立場に共感できた。 最初は、ちょっと考えすぎでは…?と感じていたけど、読んでいくうちに感情移入してしまっていた。 すごいなと思ったのは、里沙子も水穂も、陽一郎も寿士も、特別な環境にいたり性格であるわけではなく、どこにでもいそうな「ふつう」の人だったこと。 最後の、里沙子が一度は考えることや決めることを放棄して、地下のレストランでカレーを食べている場面で、いままでの疑問や違和感が解け、もう一度話し合いの場に戻り勇気を出して言いたいことを言うところが心を動かされた。
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もし、凛ちゃんが死んでなかったら……すぐに抱き上げ、夫が帰って来る前に「先にお風呂に入れた」設定を作り上げていたとしたら。何事もなく済んでいたのか?里沙子が電車で起こしたそれのように。 助けるべきは子どもだけではない。 母親にとって、本当に子育てに恵まれた環境なんてないに等しいの...
もし、凛ちゃんが死んでなかったら……すぐに抱き上げ、夫が帰って来る前に「先にお風呂に入れた」設定を作り上げていたとしたら。何事もなく済んでいたのか?里沙子が電車で起こしたそれのように。 助けるべきは子どもだけではない。 母親にとって、本当に子育てに恵まれた環境なんてないに等しいのかもしれない。 物的環境が揃っていたって、人的環境が整っていたって大変。とにかく大変なのだ。 子育てをする母親として、いち娘として、息子を持つ母(義母)として、子を持つ娘の実母として。様々な角度から読み取っていったが、誰の気持ちもわかる。 夫の恐怖、わかる。自分が劣っているからという考えに着地してしまうのもわかる。後で考えると何故そんなことを思ったのか不思議になる気持ちもわかる。 共感できる自分がいることを知ってショックさえも覚えたけれど、振り返り向き合うきっかけを持てたと思うことにする。
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刑事裁判の補充裁判員になった主人公。携わった事件は乳幼児の虐待死事件だった。 彼女も幼児を抱えていて 加害者の母と自分を照らし合わせ 葛藤する… 圧倒的に心理描写が上手いだけに 読み進めていくうちに 苦しくなりました。我が子に虐待をしたことがないと100%言えますか?コトバでも行...
刑事裁判の補充裁判員になった主人公。携わった事件は乳幼児の虐待死事件だった。 彼女も幼児を抱えていて 加害者の母と自分を照らし合わせ 葛藤する… 圧倒的に心理描写が上手いだけに 読み進めていくうちに 苦しくなりました。我が子に虐待をしたことがないと100%言えますか?コトバでも行動でも… 子育て中のお母さんは 体調のいい時に読むことをオススメします。
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これは…読んでて気持ちが苦しかった。 主人公の里沙子が、児童虐待裁判の被告の女性と自分を 重ねていたけど、私も自分をさらに重ねて読んでしまった。 だから、読み進めてるはずなのに、進んでない なんだか気持ち悪い気分を味わってしまった…。 裁判員に選ばれた専業主婦の里沙子は、 3歳...
これは…読んでて気持ちが苦しかった。 主人公の里沙子が、児童虐待裁判の被告の女性と自分を 重ねていたけど、私も自分をさらに重ねて読んでしまった。 だから、読み進めてるはずなのに、進んでない なんだか気持ち悪い気分を味わってしまった…。 裁判員に選ばれた専業主婦の里沙子は、 3歳の娘を義理の実家に預けながら、裁判に参加する。 児童虐待の裁判に対して、重苦しい気持ちも感じ、 だんだんと被告の女性と自分を重ね合わせる。 悪いことをしているのは、自分だったのか…。 いや、そんなことはない…。 そんな葛藤の中、裁判の判決を決めていく。 母親として、なかなか育児が思うように行かない気持ちは すんごい伝わってきたー!!!! もぅ、私のこと、書いてるでしょ!?って感じ。 きっと、同じように感じた人、いるんだろうなぁー。
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文庫本の裏に感情移入度100%とあったけど、ホントにそうで読んでて鬱々しくなり中々読み進めなかった。 私は子育てしてないけど、子育て体験してる気持ちにもなったし、裁判員制度について知ることもできた。また何よりモラハラについて考えるきっかけになった。 モラハラは傍から見たら普通の会話であっても、モラハラをうけている当事者からすれば全てが違って聞こえるんだなと知った。モラハラにより自己肯定感が低くなり、自分は間違っている、相手方が正しい、相手の言うようにするのが正解だと思い込んでいる様子が心理描写とともに描かれており、逃げ場がない、話を聞いてもらえない、話しても分かってもらえない様子がとても辛い気持ちになった。 公判で主人公が伝えた思いが、主文として読み上げられ私も嬉しくなった。 このあと主人公はどう生きていくんだろうか?と希望がもてる終わり方だったのが読み終わって明るくなれた。
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