すみれ屋敷の罪人 の商品レビュー
今は放置されている紫峰邸の敷地から身元不明の遺体3体が発見された。 事件を調べるために、とある人から依頼された西ノ森が、今は年老いた3人の使用人から当時の話を聞く。 戦時中に旦那様、三人姉妹の娘達、書生達、使用人達、多くの人が住んでいた。 前半は3人の証言、後半は告白。 後半では...
今は放置されている紫峰邸の敷地から身元不明の遺体3体が発見された。 事件を調べるために、とある人から依頼された西ノ森が、今は年老いた3人の使用人から当時の話を聞く。 戦時中に旦那様、三人姉妹の娘達、書生達、使用人達、多くの人が住んでいた。 前半は3人の証言、後半は告白。 後半では依頼人の正体にもびっくりしたが、登場人物の優しさが何度も心に突き刺さる。 【相手のために嘘をつく】これがこの作品の一番の説明文ではないだろうか。 親のために、娘のために、主人のために、好きな人のために。 戦争中の悲劇が重なり生まれた、それぞれが持つ隠すべき真実とは、そして罪人とは。
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昭和初期の立派なお屋敷、素敵な旦那様、綺麗な3姉妹、書生さん、執事、女中、台所番。みんなが守りたかったものは何?悲劇と事件、愛情と悲しさ、真実と嘘を時代が隠した。3つの白骨死体が出てくるまでは… 昭和初期の上流階級はどこか耽美で儚く寂しい感じがするのは、この後の動乱を私が知って...
昭和初期の立派なお屋敷、素敵な旦那様、綺麗な3姉妹、書生さん、執事、女中、台所番。みんなが守りたかったものは何?悲劇と事件、愛情と悲しさ、真実と嘘を時代が隠した。3つの白骨死体が出てくるまでは… 昭和初期の上流階級はどこか耽美で儚く寂しい感じがするのは、この後の動乱を私が知っているからなのかしら。とても引き込まれてしまった。視点が変わると1人の人物像の見え方が変わるのも面白かった。自分のことを忘れていたり、故意に嘘をついていたり、ハッとさせられる部分が多くあって。もっとボリュームがあるかと思うと意外にページ数が少なくて、もっと読んでいたかった。さて、1番罪深いのはだれ?
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戦前の名家紫峰家から白骨死体が2体発見された。当時の使用人たち関係者から話を聞きながら真実を探る。誰の遺体なのか、そして誰が調査を依頼しているのか。屋敷の主人と三姉妹たちの華やかな生活と、忍び寄る軍靴の響きなど戦前のノスタルジックな雰囲気が良く出ていた。
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後半喉がヒュンヒュンなる。 終盤の纏め方は絶品だな… それまではドロっとした最後を予想してたのに、なんて切なくて綺麗な終わり方なんだ。良い読後感。
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朽ち果てた洋館から発見された白骨死体…その身元を探ってほしいとの依頼を受けた西ノ森が関係者からの聞き取りを行うところからはじまる…。戦前、その洋館は手入れが行き届いており、庭にはすみれの花が咲き乱れていたという…名士の紫峰家が所有し、当主の太一郎と3人の美しい姉妹、女中と使用人...
朽ち果てた洋館から発見された白骨死体…その身元を探ってほしいとの依頼を受けた西ノ森が関係者からの聞き取りを行うところからはじまる…。戦前、その洋館は手入れが行き届いており、庭にはすみれの花が咲き乱れていたという…名士の紫峰家が所有し、当主の太一郎と3人の美しい姉妹、女中と使用人が暮らしていた…。当時の様子を聴きとる中でたどり着いた真相とは…。 この作品の表紙、すごくキレイでポストカードみたいですよね!なので前々から読みたいと思ってました!お屋敷に住まう人々のお互いを想う気持ちが伝わってきて…これ、戦時下でなければみんな幸せな未来もあったのかなって思うと、やっぱり戦争っていいことはない!ただ、いつの時代でも大切な人を思う気持ちはかけがえのないもの、痛いくらいせつない余韻を得ることができました。
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名家の美人三姉妹の末路と、それにまつわる謎が次第に解き明かされていきます。 太平洋戦争前の華麗な生活と、太平洋戦争中後の悲惨な末路。 そして現代廃墟になった屋敷から3人の遺体が発見されます。 果たしてどんな秘密が有ったのでしょうか・・・。 とても読みやすく、美しくも悲しい情景が頭...
名家の美人三姉妹の末路と、それにまつわる謎が次第に解き明かされていきます。 太平洋戦争前の華麗な生活と、太平洋戦争中後の悲惨な末路。 そして現代廃墟になった屋敷から3人の遺体が発見されます。 果たしてどんな秘密が有ったのでしょうか・・・。 とても読みやすく、美しくも悲しい情景が頭に浮かぶ本でした。 この後の作品の方が面白いのはとてもうれしい。期待しています。
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古い洋館から、複数の白骨死体が見つかる。 この白骨は一体誰なのか。 屋敷に勤めていた人や関わっていた人から聞き取り、 白骨死体への真実へ繋がっていく。 最初は白骨死体が誰なのか謎を解いていくのかなー と思って読み進めていたら、 それだけじゃなく、屋敷全体の隠していた謎まであり、...
古い洋館から、複数の白骨死体が見つかる。 この白骨は一体誰なのか。 屋敷に勤めていた人や関わっていた人から聞き取り、 白骨死体への真実へ繋がっていく。 最初は白骨死体が誰なのか謎を解いていくのかなー と思って読み進めていたら、 それだけじゃなく、屋敷全体の隠していた謎まであり、 読み応えあるミステリーって感じだった。 ただ、なんとなく屋敷全体が隠していた謎は 私的に分かってしまい…物足りなさを感じてしまった…。 なので☆3です。 「すみれ屋敷」というだけあり、 娘たちの名前がすみれから命名されていたり、 すみれの別名が「満州」という意味合いがあったり、 深いなーって思ったよ。 屋敷自体は昭和の始め頃で戦争とかの話もあったりで、 現代と昔を行き来してる感じだったなー。 まぁー、ハラハラはしないけど、 じわじわ続きが気になる感じだったよー!!
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登場人物が多くて人間関係を把握するのがちょっと大変だったけど、読みやすくて一気に読めた。 想像してたがっつりミステリーという感じではなかったけど、じわじわとくる面白さがあった。
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紫峰邸の二体の白骨体について身元調査。 紫峰三姉妹,葵,桜,茜,使用人ヒナ。 真相解明は第2部告白から。 特筆すべきはヒナ,自分の顔を焼いて紫峰家の秘密を守りぬく。家を捨てた葵とは対象的。生き様が凄い
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事件の調査依頼と関係者への聞き込みが交互に繰り広げられ少しずつ全体の概要が掴めていく作りで、証言の嘘に惑わされたり意外な事実に衝撃を受けたりと読んでいて飽きることなくテンポよく話が展開していきスッキリした読了感が得られた。
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