すみれ屋敷の罪人 の商品レビュー
内容の8割が回想で進んでいく作品。 作中の至る所に作者の配慮があり、一気に読み進めることができました。相手を思いやる気持ちがすれ違いを生みますが、話が二転三転し、爽快感がありました。
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戦前から続く名家紫峰家。 そこで見つかった白骨死体をめぐる 昔話。戦前から戦後まで続く、その秘密とは。 ミステリーというよりも 抒情詩的な意味合いが強く 肩透かしを食らった。 帯の謳い文句が良くない。 物語のキーが みんなで嘘ついてたって。。。 嘘でいいならどうにでも組み立てられ...
戦前から続く名家紫峰家。 そこで見つかった白骨死体をめぐる 昔話。戦前から戦後まで続く、その秘密とは。 ミステリーというよりも 抒情詩的な意味合いが強く 肩透かしを食らった。 帯の謳い文句が良くない。 物語のキーが みんなで嘘ついてたって。。。 嘘でいいならどうにでも組み立てられる。 いろいろ意味で悲しい物語でした。
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美しくて悲しくて切ないミステリー。 命を絶とうとした岡林が見たのは、実は生きていたヒナだったのか?それとも幻だったのか? 紫峰家で起きた悲劇。守るためでも罪は罪だと思う。
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名家・旧紫峰邸から発見された2体の白骨死体。身元が不明のため、一人の刑事が捜査のために関係者を訪問していきます。インタビュー&独白形式で、戦前の生活が次々と明らかになっていきます。そこで見えてきた秘密の数々。裏の裏、さらに裏と二転三転していく展開。果たして白骨死体は誰なのか? ...
名家・旧紫峰邸から発見された2体の白骨死体。身元が不明のため、一人の刑事が捜査のために関係者を訪問していきます。インタビュー&独白形式で、戦前の生活が次々と明らかになっていきます。そこで見えてきた秘密の数々。裏の裏、さらに裏と二転三転していく展開。果たして白骨死体は誰なのか? 全2部構成で、第1部は「証言」。戦前や戦時中当時に働いていた4人の関係者の証言を元に何が起きていたのか、浮き彫りになっていきます。 単純な身元捜査だけだと思いきや、色んな秘密が明らかになっていき、複雑に絡んでいきます。最後の最後まで驚きでした。読み進めるたびに関係者だけでなく、訪問する刑事など全員が怪しく感じてしまいました。 第2部は「告白」。第1部での疑問の数々が回収されるかのように答えが分かっていきます。今まで思っていた事がガラリと変わるかのように意外な展開に変わっていきました。色んな嘘が交錯していき、結果として、哀しく、やるせない気持ちになりました。煌びやかな生活と背景にある戦争、段々と不穏な空気になっていく登場人物たち、美しいけれども儚い物語でした。同時に何か呪縛が解かれたような開放感もありました。 哀しい物語でしたが、読んだ後味が良かったため、不思議な感覚でした。
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この作品は、第一部の証言と第二部の告白からなっています。 第一部の証言では、2001年に古い洋館の庭から二体の白骨死体が発見されます。 西ノ森がある人物の依頼を受けて白骨死体の身元を探ります。 彼はかつて使用人だった人を訪ね、昭和十年代の洋館、紫峰邸についての話を聞きます。 す...
この作品は、第一部の証言と第二部の告白からなっています。 第一部の証言では、2001年に古い洋館の庭から二体の白骨死体が発見されます。 西ノ森がある人物の依頼を受けて白骨死体の身元を探ります。 彼はかつて使用人だった人を訪ね、昭和十年代の洋館、紫峰邸についての話を聞きます。 すみれの館に暮らしていた戦後目の見えなくなった主人と三人の姉妹、葵、桜、茜。 使用人や書生たち。 白骨死体の謎。 第二部の告白では、ストーリーは二転三転して、思いもかけない人物の登場もあり俄然面白くなってきます。 白骨死体は一体誰のものなのか。 戦時中、すみれの館で何が起きたのか、生き残った人物たちが告白し謎を解き明かします。 館の主人だった太一郎と三姉妹、そして使用人たちの心中は、お互いにお互いを想い合う気持ちでいっぱいでした。誰も悪い人はいません。 使用人だった者たちの命がけで主人を想う気持ちと愛情がなんともあたたかく心に染みる優しい話でした。
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今は廃屋となっている紫峰家のお屋敷から白骨死体が合計3体出てきた。当時紫峰家と関係のあった人たちの話からパズルが合わさるように少しずつ真相がわかっていく。静かに少しずつ語られることで現代から、戦中・戦後の世界へスッと引き込まれる。本なのに不思議と空気感も雰囲気もガラリと変わって心...
今は廃屋となっている紫峰家のお屋敷から白骨死体が合計3体出てきた。当時紫峰家と関係のあった人たちの話からパズルが合わさるように少しずつ真相がわかっていく。静かに少しずつ語られることで現代から、戦中・戦後の世界へスッと引き込まれる。本なのに不思議と空気感も雰囲気もガラリと変わって心はタイムスリップしているかのよう。全てが分かった時、物哀しさとお互いを思う温かい気持ちとさまざまな気持ちが入り混じって不思議な感覚になった。面白かったな。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2020/11/21(土)読み終わり。 ゆっくりゆっくり読み進めていたせいで、時々「この人はなんの人やっけ?」が発生してしまったのが後悔…。 “第一部 証言” 登場人物によって、見方や感じ方、捉え方がぜんぜん違うくて、それぞれの登場人物のイメージが少しづつ変わっていく! “第二部 告白” 急展開! ここからページをめくるのが一気にスピードアップ! 色々と思い込んでいたことが、違うかったりしてワクワク!! ヒナさんの生き方が切なくて、使用人たちがやった事は間違ってるかもしれないけど、優しくて、せつない…。 すごい綺麗なお屋敷、お洋服、三姉妹がうかぶお話! 娘たちがスミレから名前をつけられているところ、おぉ!ってなる。 やっぱり、本は短期間でしっかり読んでしまうのがいいなって改めて思った…(´・_・`)
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最初の調査の方ではそれぞれの人間関係をつかむまで。 物語の世界になかなか入り込まれなかったけど。 中盤から徐々に。そして告白の章からクライマックスまで。 時代背景や関わる人達の想いと儚さ。それを感じました。 人を想ってつく嘘。苦渋の思いを十字架として生きる者。 どの想い...
最初の調査の方ではそれぞれの人間関係をつかむまで。 物語の世界になかなか入り込まれなかったけど。 中盤から徐々に。そして告白の章からクライマックスまで。 時代背景や関わる人達の想いと儚さ。それを感じました。 人を想ってつく嘘。苦渋の思いを十字架として生きる者。 どの想い、思いも尊くて切ない。
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切ない、あまりにも切ないミステリーだった。戦前、地元の名士が所有していた館から三体の白骨が発見された。60年以上前に館に勤めていて、今も生存している使用人の元を刑事が訪れる。空襲で亡くなった館の主人と3人の娘達、そして使用人達に関する彼らの証言。それは語られる毎に上書きされ、姉妹...
切ない、あまりにも切ないミステリーだった。戦前、地元の名士が所有していた館から三体の白骨が発見された。60年以上前に館に勤めていて、今も生存している使用人の元を刑事が訪れる。空襲で亡くなった館の主人と3人の娘達、そして使用人達に関する彼らの証言。それは語られる毎に上書きされ、姉妹の確執、変わった主従関係は全く別の様相を呈していく。白骨は誰のものなのか?刑事の正体は?『すみれの丘の、すみれの館。やさしい旦那さまと、美しい三姉妹。面倒見のよいふたりの書生と、気のいい使用人たち』誰かが誰かの為についた嘘が明かされる度に思わずため息が出る、ミステリーとしても読み応え抜群だった。
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