タコの心身問題 の商品レビュー
科学哲学者の著者が、頭足類の心理について語ります。 タコやイカは賢いと知っていましたが、全体が脳とも言えるほど神経細胞だらけであることに驚きました。 哺乳類とは違う知的進化を選んだ彼らは、宇宙人ではありませんが別世界の知的生命体です。 地球にはまだまだ研究余地が残されていることを...
科学哲学者の著者が、頭足類の心理について語ります。 タコやイカは賢いと知っていましたが、全体が脳とも言えるほど神経細胞だらけであることに驚きました。 哺乳類とは違う知的進化を選んだ彼らは、宇宙人ではありませんが別世界の知的生命体です。 地球にはまだまだ研究余地が残されていることを教えてくれる一冊。
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なかなか読み急いでしまったのと、ちと難しい部分があったけれども、純粋に「へ〜そんなことがあるんか」という知識としておもしろかった。タコの賢さ、考えたことがなかった……
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数年前から、タコやイカといった頭足類が、実は人間に匹敵する知性を持った生物であるという認識が深まってきている。この本は、その認識を広めるきっかけとになった本のうちの一冊で、スキューバ・ダイビングによる観察や多数の研究論文を通して、頭足類の習慣や「意識」について考察する。 脊椎動...
数年前から、タコやイカといった頭足類が、実は人間に匹敵する知性を持った生物であるという認識が深まってきている。この本は、その認識を広めるきっかけとになった本のうちの一冊で、スキューバ・ダイビングによる観察や多数の研究論文を通して、頭足類の習慣や「意識」について考察する。 脊椎動物が脳を中心とした中央集権的な神経系を発達させたのに対し、頭足類は多数の柔軟に動く足と体中に配置された分散神経系を発達させており、神経系という意味では収斂進化しているのは興味深い。他の軟体動物と異なり(人間のそれとはかなり異なるものの)目が発達しているのも特徴だ。「タコになったら、どんな気持ちがするのか?」という思考実験は、「意識」に関する考え方を一変させる。
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8/8はタコの日。 人間とは全く異なる心/内面/知性と呼ぶべきものを持つ頭足類を介し、 私たちの心の本性を覗き込む。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
タコの行動・意識についての興味深い知見が数多く記載されている。「タコになったらどんな気分か」という問いに対して慎重にアプローチする著者の姿が印象的。著者の単なる仮説も多いので学術書とは呼びづらいが、意識科学、比較認知科学、神経科学、心理学などに興味のある人は心惹かれるかも。 タコは系統学的には人間とかけ離れた種だが、地球という環境に適応する過程で知能や意識をお互いが別々に発展させてきた点は興味深い。それらの実装方法は大きく異なるが、知能や意識にはある程度の普遍性があるのかもしれない。
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前半は面白いんだけど、後半は失速 事実は小説より奇なり 最終的な結論に至れていないのであれば、タコやイカの観測事実をもう少し詳しく話して欲しい そこから驚きが得られればよいのでは 著者がそれに驚いた様子や驚いて抱いた発想などは、最後にちょっとまとめてくれればいい 著者も人なの...
前半は面白いんだけど、後半は失速 事実は小説より奇なり 最終的な結論に至れていないのであれば、タコやイカの観測事実をもう少し詳しく話して欲しい そこから驚きが得られればよいのでは 著者がそれに驚いた様子や驚いて抱いた発想などは、最後にちょっとまとめてくれればいい 著者も人なので、タコの異世界感に比べて著者の解釈のなんと人間ぽいこと、と、胡散臭くなること多数 そのあたりが、著者が科学者でなくて哲学者なのでそんなもんか 後半、前半と同じ話をまぜっかえしたり、なんとも整理が中途半端でもある 単に、結論はまだ調査中、みたいな 意識の思索の怪しさに対して観察や観察に基づく洞察はみずみずしい 心身問題、人間のものが解決してないので、結論はまだまだ先 タコのを知ることから人を知ることもできるかもしれないが、そんなに昔に分岐したタコに人を投影しすぎるのも怪しい
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タコ・イカの生態が続いたあと、気づくといつの間にか意識に関する本になっていた、感じられる。タコを通じて、意識を考えさせられる。タコにとって、興味とはどのようなものなのだろうか。
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タコに興味を持てきれず挫折。哲学者のダイバーの著書ということで気になって読んでみた。生物や神経などに興味がある人が読むと、また違うと思う。
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みすず書房 タコの心身問題 読了。タコの神経系(心=思考、記憶、認識)から 人間と動物の対称性を 人類学的に 検証した本という解釈でいいのだろうか? 各論で 面白い箇所はあるが、全体のテーマが読み切れなかった 進化の中で 老化が なぜ起こるのかの論述は面白い「衰えることに ...
みすず書房 タコの心身問題 読了。タコの神経系(心=思考、記憶、認識)から 人間と動物の対称性を 人類学的に 検証した本という解釈でいいのだろうか? 各論で 面白い箇所はあるが、全体のテーマが読み切れなかった 進化の中で 老化が なぜ起こるのかの論述は面白い「衰えることに 進化的利益があるのではなく、衰えることは 早い時期で 得られる良い影響に対するコストである」 タコなど頭足類 *発達した神経系を持つ〜無脊椎動物の例外 *頭足類は心があると感じる〜進化は 人類と頭足類に、全く違う経路で心を作った *殻を捨てた→攻撃には弱くなる=寿命が短くなる→しかし 行動の自由度は高まる *身体を制御する必要=淘汰圧→すべきことを明日に伸ばさない→ニューロンの増加→発達した神経系
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タコ(や頭足類)にも高度な知能がある、という主題ではない。 もちろんタコには普通に人間が軟体動物に想像するよりも遥かに高い知性があるように思える。しかしそれは軟体動物にしては、というレベルではある。 しかし、軟体動物と哺乳類を含む脊椎類と進化の過程で分かれた後に我々人間とは異なっ...
タコ(や頭足類)にも高度な知能がある、という主題ではない。 もちろんタコには普通に人間が軟体動物に想像するよりも遥かに高い知性があるように思える。しかしそれは軟体動物にしては、というレベルではある。 しかし、軟体動物と哺乳類を含む脊椎類と進化の過程で分かれた後に我々人間とは異なった方法で知性を獲得したという事実は、知性というのは決してそれを獲得して磨き上げた人間が奇跡であったというわけではなく、偶然とはいえそれなりにありふれた出来事かもしれない、ということか。
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