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タコの心身問題 の商品レビュー

3.9

60件のお客様レビュー

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2020/12/07

『タコの心身問題』ピーター・ゴドフリー=スミス著、夏目大訳(みすず書房)なんだか色々煮詰まったので、タコに会いに。タコの本にジャズやカンディンスキーが出てくるなんて。笑 タコになったらどんな気分?というシンプルな問いから進化への深い問いかけへ。なんだか癒...

『タコの心身問題』ピーター・ゴドフリー=スミス著、夏目大訳(みすず書房)なんだか色々煮詰まったので、タコに会いに。タコの本にジャズやカンディンスキーが出てくるなんて。笑 タコになったらどんな気分?というシンプルな問いから進化への深い問いかけへ。なんだか癒された。面白かった。#読書 #翻訳 #タコ#進化 #petergodfreysmith

Posted byブクログ

2020/11/21

『タコの心身問題 - 頭足類から考える意識の起源』 ピーター・ゴドフリー・スミス 夏目大 訳 みすず書房 I felt the ability that far future octopus have something language and generate like p...

『タコの心身問題 - 頭足類から考える意識の起源』 ピーター・ゴドフリー・スミス 夏目大 訳 みすず書房 I felt the ability that far future octopus have something language and generate like police.  違った視点を求めて購入したんだと思う。人間に関する本ばかり読んでいてもひろがない気がしていた。それから忘れていて、Netflixのオススメで『オクトパスの神秘 海の賢者は語る』を観た。身体を周囲に擬態させたり、帆を開くようにして身体を大きく見せたり、その身体で獲物を一気に包み込んだり、行動を改善していく頭の良さ。食べるばかりだったけど、これほど魅力的な生き物だとは知らなかった。  タコの心身問題という邦題だけど、意識の起源を探ることが主題だ。進化の系統樹をみると、6万年前に人と頭足類とは分かれている。魚だった頃より前になる。人間も魚も脊椎動物で、軟体の頭足類にはそれがない。でもタコにも脳があり神経のネットワークをもっている。  脊椎動物もネットワークになっていて各機関が独自に動くこともあるけど、脳の中央集権的なところが大きい。一方のタコは足と脳はもっと独立しているようなのだ。ネットワークの複雑さを制御していて、そいの複雑さがタコの脳を発達させている。このような複雑さを成立させるために、発達していくというのは社会のコミュニケーションと相似ではないか。  単細胞生物が周囲の変化をかんじとるところから、コミュニケーションは始まっていた。それ以来、周囲の変化より感じとる仕組みを体内にいくつも取り込みながら生物は進化していった。でも、ずっと言葉は不在だった。著者はタコを通して言葉と心の関係を教えてくれる。言葉がないとコミュニケーションを取れないのではない。たしかに言葉はコミューニケーションの手段として進化した。でもそれは、そのままうちなる声として取り込まれていった。それが心を形成していったのだった。  最後の章は、パラレルワールドをみるようだった。オクトポリス、タコの都市についての興味深い論考だ。著者は海底のある一角にできたその都市にすいて仮説を述べている。なぜその都市ができたのか。都市といっても、貝殻のベッドがひかれてたくさんのタコが巣を設けているに過ぎない。でももしかすると数万年を経たのちに言葉のようなものをもつタコの末裔が存在するかもしれないと思わせるのだった。 #タコの心身問題 #OtherMinds #TheOctopus #ピーターゴドフリースミス #PeterGodfreySmith #夏目大 #みすず書房 #進化論 #進化生物学 #進化心理学 #タコ #Octopus #Netflix #オクトパスの神秘 #海の賢者は語る #書評というか感想 #書評 #読書の秋

Posted byブクログ

2020/08/05

この本は、「意識」とはなにか?人類は進化のいつの時点から「意識」を持つようになったのか?なぜ人類だけがここまで「意識」を進化させることに成功したのか?という究極の問いに、人類とは全くことなる進化経路をたどってきたタコを研究することで解き明かしていくというユニークでありながらしかし...

この本は、「意識」とはなにか?人類は進化のいつの時点から「意識」を持つようになったのか?なぜ人類だけがここまで「意識」を進化させることに成功したのか?という究極の問いに、人類とは全くことなる進化経路をたどってきたタコを研究することで解き明かしていくというユニークでありながらしかし真相をするどく突いた本です。 例えば、人間は言語を操る能力を持っているけれど、その言語は単に外に向けて誰かに発せられるだけでなく、人間の意識の中で内なる自分に向けても発せられていて、それは何かを思考する上で無くてはならない能力だけど、意識の中で自分自身に向けて内なる会話をする能力を人類はいかにして手にしたのか、それは脳や視聴覚機能がどう作用して実現しているのか、賢いタコにもその能力があるのか、といった問いに、実際にオーストラリアの海に潜ってタコを長く観察してきた著者が挑んでいる本です。 なぜ、著者は、この問いを解き明かすヒントをタコをはじめとする頭足類から得ようとしたのか。それは、タコが、類人猿から進化した人類とは全く違う経路の進化をたどりながら、しかしある意味では人類と非常によく似た脳の働きと大規模な神経系を持つ賢い生き物であるからです。 例えば、ある動物にプラスチックの棒を差し出した時、ほとんどの動物はそれが食べられないものだとわかるとその棒には一切興味を示さなくなるけれど、タコは、そうだとわかった後でも、その棒を8本の手で掴んだり蹴飛ばしたりして遊んだりするらしく、これはタコがそれだけ能力に内面的な余剰があることを示唆しているそうです。 この時、タコの内面になにが起きているのか? 棒で遊ぼうとする時、人類の場合は、その決定を絶対的な中枢機関である脳が決定し、それを筋肉に伝えて手足を動かすけれど、タコの場合は、ニューロンが集まった脳のようなものが頭部付近にあるにはあるけれども、それとは別に同じようなニューロンの集まりがあの8本足付近にもあって、足にある脳とも言える部分が独自に意思決定をして足を動かすというようなことが起きているそうです。この時、頭部付近の脳は意思決定にあまり関わっていない可能性があるのだとか。 もしこれを、タコの、脳から独立した足の個別意識だとするならば、その意識はどのように決定されて足の筋肉に伝えられているのか、長い進化の歴史の中で頭足類がそういう機能を持つように進化してきた理由は何かを探っていけば、この本が挑む問いである「意識」の起源に近づけるのではないか、という筆者の研究と考察の結果が約250ページに渡って記されています。 この本は、読むのにとても難しい本です。知らない言葉がたくさん出てきます。読むのには根気が必要な一方で得られるものはタコのことが好きになるぐらいしかないのですが、それでも、自分の普段の生活とは全く関係のないこういう研究の世界があり考え方があるんだということを知れて、読んで良かったと思います。あとは、本の表紙のデザインがなかなか良くて、みすず書房さん出版の他の本も読んでみたいという気持ちになりました。

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2020/03/26

現時点における進化の最終形態は人間だと思いますか? 立派な神経系をもっているのは人間だけだと思っていますか? いえいえ、人間でなく哺乳類でもなく、脊椎動物でもない、頭足類「タコ」の神経系のなんと密なこと! タコが好奇心旺盛であること。いたずら好きで好き嫌いもあって、自分を研究...

現時点における進化の最終形態は人間だと思いますか? 立派な神経系をもっているのは人間だけだと思っていますか? いえいえ、人間でなく哺乳類でもなく、脊椎動物でもない、頭足類「タコ」の神経系のなんと密なこと! タコが好奇心旺盛であること。いたずら好きで好き嫌いもあって、自分を研究する気に入らない研究者には容赦なく水をぶっかけたりすること。闖入者である自分の手を引いて海底散歩をしたことなど。 微笑ましいエピソードと進化ツリーの話が交互に語られています。 タコとの触れ合いに関してはとても興味深くて、カンブリア紀以前からすでに進化を着々と進めていたことなど、「へーーーー!」とワクワクしながら読みました。 まー、半分くらいは退屈なところがあったのですが、タコやらイカやらの話が面白くて読み切りました! 生物として驕っていたなと反省、考えを修正しました。

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2020/03/08

とても興味深い本。 タコの気持ちは分からない。そもそも、タコに人間と同じような気持ちがあるかどうかわからない。 しかし、タコには知性があるようである。 哺乳動物とは、遥かに遠い昔に分岐し、別々に進化し、脳の在り方も違う。このように遠い存在に、人間と共通するうような気持ちがあるので...

とても興味深い本。 タコの気持ちは分からない。そもそも、タコに人間と同じような気持ちがあるかどうかわからない。 しかし、タコには知性があるようである。 哺乳動物とは、遥かに遠い昔に分岐し、別々に進化し、脳の在り方も違う。このように遠い存在に、人間と共通するうような気持ちがあるのではないかと感じるような振る舞いがあることが不思議なことである。 その謎が本書の中で解き明かされる訳では無い。 むしろ、海底で様々に色を変えるタコ、イカに対する、著者の愛の書。 フィードバックループが脳、神経系を発達させるという指摘は、その通りと思う。

Posted byブクログ

2020/03/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

異文化体験というか、異生物を推測しないことの大切さというか。つい擬人化したくなるよね。それをしないということ。

Posted byブクログ

2020/02/23

ヒトとはまるで違う進化を遂げたタコの生態から、「意識」を考察した一冊。小難しい話はさておき、読むにつれてタコの魅力にハマってしまいます。好奇心旺盛でいたずら好き、日和見主義だけど時に大胆。そして、たった2年で生を終える。これ何てラノベのヒロイン?

Posted byブクログ

2020/02/17

信頼できる各方面の方々が絶賛していたので手に取った。 ゆっくり読んでいる。 私はタコの知能が高いこととタコが軟体動物であることを両方とも知っていたのに、「哺乳類や鳥からこれほど離れた無脊椎動物に知能の高い生物が孤島のように存在する」ということに疑問のひとつも抱かずにのうのうと生...

信頼できる各方面の方々が絶賛していたので手に取った。 ゆっくり読んでいる。 私はタコの知能が高いこととタコが軟体動物であることを両方とも知っていたのに、「哺乳類や鳥からこれほど離れた無脊椎動物に知能の高い生物が孤島のように存在する」ということに疑問のひとつも抱かずにのうのうと生きていたのだ…と唸りながら読んでいる。 読了。いろいろと興味深い話が目白押しだったのだけれど(意識の起源とか)、読み終わってみると著者達がオクトポリスと呼ぶ貝殻のベッドで暮らすタコたちのファンタジーめいた奇妙に平和な風景ばかりが頭に残っている。タコに手を引かれて10分程度の海底散歩をしたローレンス氏の話など最高だった。 それだけに、オクトポリスのタコ達の寿命が2年程度というのは驚きだった。きちんと意味の説明はされていたものの、直感的には随分奇妙な感じがした。 タコのいたずらや奇妙な生態が面白すぎて他の部分を大分おろそかにしてしまった気がするけれど、でも本当にタコが面白い本だった。 まあ別に、すみからすみまで熟読して優等生めいた感想を持つために本を読んでいるわけではないし、これで良いのだ。

Posted byブクログ

2020/01/05

タコって面白い!タコは知性的だけど進化の過程は脊椎動物と大きく異なる、その事実にハッとさせられた。そして著者の専門は哲学とのことで、切り口が新鮮。興味深く読めた。 後半の「心」や「老化」をテーマにした章はやや消化不良。

Posted byブクログ

2020/01/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

全般的に面白かったと思う……が、これほど神経系の在り方やその別などを解説してくれながら、これほど頭足類に親しみを持ってくれながら、どうして後半においては人間を賢さの特異点に置いてしまったのだろうとなんだか悲しくなってしまう。私の読み方が至らないせいだろうか。 しかしわからないことはわからないという態度には好感が持てた。また、老化と突然変異の関連の項、自分の行動の「打ち消し」関連の項は非常に興味深かった。さらに進んだものも読んでみたい。

Posted byブクログ