私が大好きな小説家を殺すまで の商品レビュー
憧れの相手が見る影なく落ちぶれてしまったのを見て、「頼むから死んでくれ」と思うのが敬愛で「それでも生きてくれ」と願うのが執着だと思っていた。だから私は、遥川悠真に死んでほしかった。 という書き出しから引き込まれる本ですね。 梓が彼の小説と人格に鮮やかに救われたとしても、それだけ...
憧れの相手が見る影なく落ちぶれてしまったのを見て、「頼むから死んでくれ」と思うのが敬愛で「それでも生きてくれ」と願うのが執着だと思っていた。だから私は、遥川悠真に死んでほしかった。 という書き出しから引き込まれる本ですね。 梓が彼の小説と人格に鮮やかに救われたとしても、それだけで物語はきれいに終わらず、人生は続いていく。 二人が出会った頃のバランスを崩していく様子が切なかった。
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小説家と少女の崩壊の物語 個人的にはどこまでも真っ直ぐな愛と信仰の物語に見える 現実的なところでのツッコミどころは正直多いのですが、 それを補って余りある美しさを感じました 欲を言えばオチにもうひと波欲しい気持ちはありました
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※このレビューにはネタバレを含みます
割とありがちなイメージの設定ながら、斜線堂先生らしい読み味のある作品だった。正直かなり好き。 自殺を考えた少女が、人気小説家に拾われる。成長しても、書けなくなった小説家の家に通う少女・梓。彼のいちばんのファンである彼女が恋文代わりに書いた小説が、全てを狂わせていく。 愛憎や嫉妬が入り混じっていても、先生は梓のことを大切に思っていたんでしょうね。梓も先生のことが大切だったから、あのラストシーンになるんだろうけれど……。 まるで伏線を回収するように、彼との約束を守って踏切を超えるのが、切ない。 印象的な一冊でした。
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最初は仲の良い2人が徐々に破壊していく話。 とても面白く話にのめり込んでいきました。 ラストは衝撃で涙が溢れ出てきました。
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どちらがどちらを殺したのか、どちらがどちらに依存していたのか、これは執着なのか敬愛なのか、いろんな思考がぐるぐるしながらも、弱い2人がこんな風にしか出会えず、こんな風にしか共生できなかったことがひたすらに切なく苦しい。 一気に読み終えた。
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「才能を愛された人間は、その才能を失った後にどうすればいいのか」あるいは「誰かを神様に仕立ててしまった人間は、変わりゆくその人とどう向き合えばいいのか」 あとがきに作者自身が書かれている、この言葉がすべてですね。 読み終わるとタイトルも納得だし、切ない空気をまとっているように感...
「才能を愛された人間は、その才能を失った後にどうすればいいのか」あるいは「誰かを神様に仕立ててしまった人間は、変わりゆくその人とどう向き合えばいいのか」 あとがきに作者自身が書かれている、この言葉がすべてですね。 読み終わるとタイトルも納得だし、切ない空気をまとっているように感じました。 ただの恋愛小説で誰かが命を落とすことで、御涙頂戴な話にしないところが私は好きでした。
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タイトルを裏切らない、尖った内容です。中高生にオススメ。いわゆる普通の感性をもつ年配の方は多分なんじゃこりゃ?っていう展開についていけないかも。もともとは「神様の断頭台」というタイトルにする予定だったそうです(後書きより)。なるほど。もう、最初からあり得ない虐待母子出てきてヒリヒ...
タイトルを裏切らない、尖った内容です。中高生にオススメ。いわゆる普通の感性をもつ年配の方は多分なんじゃこりゃ?っていう展開についていけないかも。もともとは「神様の断頭台」というタイトルにする予定だったそうです(後書きより)。なるほど。もう、最初からあり得ない虐待母子出てきてヒリヒリがノンストップです。 描写ないものの、ホテルに行ったりするシーンあるので、小学校向きじゃないです。関係の不健全さとかも不向きかな。斜線堂有紀は小説に挑戦状を叩きつけながらしか書かないのだろうか。いつか万人受けっぽいのも書いてみて欲しいなぁ
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敬愛する人と、あるきっかけで出逢い、人生を共に過ごせるとしたら、それは幸せなのか?どんな罪でも姿でも赦せるのであろうか? と、複雑な課題を突き付けられたような読後感でした。 母親からも見捨てられ、孤独と闇の中で唯一、少女はとある小説家の本を愛し、その本を生き甲斐に日々を過ごす。...
敬愛する人と、あるきっかけで出逢い、人生を共に過ごせるとしたら、それは幸せなのか?どんな罪でも姿でも赦せるのであろうか? と、複雑な課題を突き付けられたような読後感でした。 母親からも見捨てられ、孤独と闇の中で唯一、少女はとある小説家の本を愛し、その本を生き甲斐に日々を過ごす。そして物語は数多くの本と共に少女の成長記録として綴られる。しかし、どこで間違ってしまったのか少女は次第に敬愛と悲哀の間で生き甲斐を見失う。 なんとも言えない愛の形であり結末であり、ページ数は少なめながら重厚感が半端ない作品でした。約一年積読でいましたが、ようやく読み終えた今の気持ちとしては、早く心癒される作品で浄化されたい。いやでも良い作品ですよ♪
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ブクログで出会った作品でした。 あらすじも読まずタイトルだけで選んだので、どんな感じかな?と読み始めたら、途中から止まらなくなりました。 後編は目をバッキバキにして、一気読みしてしまった。 二人だけの世界の中で生きている梓と先生。 少しずつ変化していく二人の関係性が、時間と共...
ブクログで出会った作品でした。 あらすじも読まずタイトルだけで選んだので、どんな感じかな?と読み始めたら、途中から止まらなくなりました。 後編は目をバッキバキにして、一気読みしてしまった。 二人だけの世界の中で生きている梓と先生。 少しずつ変化していく二人の関係性が、時間と共にどんどん拗れていく… 初めの方はキラキラした瞬間もあるけど、徐々に読む側もしんどくなる。 でも、拗れていけばいくほど、互いが唯一無二の特別な存在になっていくもんだからややこしい。 人間の心って矛盾を抱えているから、何がどうなるかわからないのが面白いですね! 終始ほんのり闇の空気が漂う作品だったので、元気のないときには読めないかも… それでもラストの雰囲気まで好みの一冊でした。
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ネグレクト?に近い親からの虐待により死のうとした小学生が、大好きな作家に救われる?形で共生していくお話。スラスラと読みやすかった。 タイトルからまさかゴーストライターに繋がると思わなかったのでびっくりした。 好きだった人が良くも悪くも変わってしまって、面影がなくなった時、その事実を受け入れられなったら、好きだったその人は死んだも同じなのだろうと思う。 それを認められなくて必死に足掻いた梓と、許されなかった遙川、お互いがお互いを本当に好きだからどちらもとても苦しかったと思う。 最後の描写的に、結果2人とも亡くなったのかな…?天国では、ただ小説が好きでお互いのことがだいすきな2人でいてほしいな。 ”「才能を愛された人間は、その才能を失った後にどすればいいのか」あるいは「誰かを神様に仕立ててしまった人間は、変わりゆくその人とどう向き合えばいいのか」の話でした。”
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