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私が大好きな小説家を殺すまで の商品レビュー

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95件のお客様レビュー

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2024/10/20

母親からネグレクトを受けていた梓は、ある日敬愛する人気小説家・遙川悠真に命を救われる。 その日から梓と遙川の奇妙な関係が始まるのだが、その時すでに遙川は小説を書けなくなっていた。 梓はゴーストライターになることを決意する。

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2022/06/02

少女の愛は、あまりにも忠実で幼稚で残酷だった しかし救済でもあったのだ #私が大好きな小説家を殺すまで 過酷な環境で育ってきた少女は、ある一冊の本と小説家に救われる。少女と小説家は創作を中心に、男女とも師弟とも言えない奇妙な情愛関係を築いていく。しかし小説家がスランプに陥った時...

少女の愛は、あまりにも忠実で幼稚で残酷だった しかし救済でもあったのだ #私が大好きな小説家を殺すまで 過酷な環境で育ってきた少女は、ある一冊の本と小説家に救われる。少女と小説家は創作を中心に、男女とも師弟とも言えない奇妙な情愛関係を築いていく。しかし小説家がスランプに陥った時、二人の関係性が徐々に変化していき… 切ないよ 少女と小説家の歪んだ関係、でもまっすぐな愛情が読者の胸をうつ作品です。 作者はこのなんとも言えないズレた恋愛心情を描くのが本当にお上手。丁寧で優しい日本語でしたためられ、少女の価値観や行動が正しいとすら思えてきてしまう、なんとも手品のような文章です。 また本作はほぼ恋愛小説ですが、ミステリー作家の手腕をいかんなく発揮され、物語にぐいぐい引き込まれてしまいます。 そして本作の読みどころは、やっぱり二人の関係性。 少女のまっすぐな愛情と献身ぶりが切なく、また小説家の苦悩とプライドが絶望的に悲しいです。つづられた独白は、小説であり、ラブレターであり、そして自身の次の行動への意思表明であったと思います。 高水準で芸術性の高い小説の世界での魂のやりとりをしているのにも関わらず、あまりにも二人が幼稚で、ただただツライ… この二人がたどり着く未来は、もっと幸せなものにできなかったのでしょうか。 純粋でまっすぐだった自分に戻りたい、そんなあなたにはおすすめの作品でした。

Posted byブクログ

2022/03/30

愛してたのは才能なのか人間なのか。 前者なら「死んでくれ」後者なら「生きてくれ」 のっけの一文でやられました。ほんとに斜線堂さんの書く作品って抉られる。メンタルに体力が必要だなって思います。 敬愛か執着か。 2人の関係はこれ以外では成り立たなかったのか、いや成り立たないとこ...

愛してたのは才能なのか人間なのか。 前者なら「死んでくれ」後者なら「生きてくれ」 のっけの一文でやられました。ほんとに斜線堂さんの書く作品って抉られる。メンタルに体力が必要だなって思います。 敬愛か執着か。 2人の関係はこれ以外では成り立たなかったのか、いや成り立たないところがこの作品の魅力でもあるんだろうけど。 破滅しかないって分かっていても、2人の幸せを願わずにはいられなかった読者も少なくはないはず。 先生が壊れていく姿が会話文で巧みに表現されているところや、梓の空回り具合がほんとに読んでて痛々しかった。 救われたから救いたかったのに。

Posted byブクログ

2022/03/20
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なんの比喩だろうと思ったらそのままのタイトルだった。 その“小説家”は“私”によって実存も魂も失われるけれど、その死に際しての演出から、名は忘れがたく残り続けるのかも知れない。 先生と私、どちらが欠けてもその演出は成立し得なかったことを思えば、当人たちにとっては死に収束する物語だけど、読者にとってはその後も残る『小説家・遙川悠真』が完成するまでの物語だ。

Posted byブクログ

2022/02/11

読んだ後味は悪い。でも、面白い。 ある少女の成長と人気作家の物語。何故こうなってしまったのか、でも、こうなるのが必然だったのか。読んでいて惹き込まれる作品である。初めて読んだ作家だったが、他も読まずにはいられないだろう。

Posted byブクログ

2022/01/07

あり得るフィクションという感じなので、非現実的ではないかとは思う。人間を敬うということはどういうことか、という観点から書かれていると思い、自分の心の機微を知るきっかけにはなると思う

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2021/12/16

憧れの相手が見る影もなくおちぶれてしまったのを見て「頼むから死んでくれ」と思うのが敬愛で 「それでも生きてくれ」というのが執着だ って、いきなり凄いテーマをぶつけてきたよね まあ… 憧れの相手というのは こちらが一方的に理想的に作り上げている部分もあるから落ちぶれた姿は見たく...

憧れの相手が見る影もなくおちぶれてしまったのを見て「頼むから死んでくれ」と思うのが敬愛で 「それでも生きてくれ」というのが執着だ って、いきなり凄いテーマをぶつけてきたよね まあ… 憧れの相手というのは こちらが一方的に理想的に作り上げている部分もあるから落ちぶれた姿は見たくないっていうのはわかるけど、さすがに「死んでくれ」とはね… 「それでも生きてくれ」というのはこの場合 「大丈夫!君はまだ落ちぶれていない!」と 励まし続けることなんだね 励まされて何とかなるならいいけれど そうでない場合は残酷だ 期待に沿わないと捨てられると 追い詰められていく この作品は そのことに気づかず破滅に向かって行く二人のお話だ なかなかおもしろい発想だったと思う 最後にちょっとだけ扉を開けておいたのは 読者に希望を持たせるためかな

Posted byブクログ

2021/10/13
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レーベルと題名で損してる作品な気がする。ノリとか文章はやっぱメディアワークスな感じなんですが、続きが気になって一気読みしました。題名は意味がわかってくると納得。あと、あらすじ読まずに読んだけど、読まない方がいい。

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2021/09/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

こうあるべきだ。 こういう人であって欲しい。 人への願望または理想を押し付け盲目となり歪む。 あまり気持ちのいい話ではありませんでした。 余談ですが 本作のあとがきの中で感情により最適解を選べないとあるが、本作は選べないどころか最適解の真逆をあえて選択している様に思えます。

Posted byブクログ

2021/08/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

哀しい話でした。 読了してもう一度最初からページをめくりました。 これは主人公の幕居梓の書いた小説だったのだと全部読んでから気づきました。 梓は子供の頃から大好きな小説家だった遥川悠真を実際には殺していません。だけど精神的に追い詰めていました。 作家としての才能のなくなった遥川は自殺しました。 自殺したはずの遥川のゴーストライターとなった梓は生き延びました。梓は全然悲しそうでなく、なんで一読者の私が遥川の死をこんなにも哀しいと思ってしまうのか。 これは作者の斜線堂さんのたくらみでしょうか。 斜線堂さんのあとがきによれば「才能を愛された人間は、その才能を失った後にどうすればいいか」あるいは「誰かを神様に仕立ててしまった人間は変わりゆくその人とどう向き合えばいいのか」の話。だそうです。 誰かが誰かを救おうとした時に発生する救済の責任の話でもあり、感情の為に最適解が選べない人間の話でもあるそうです。 だから作者は才能のなくなった小説家を自殺へと追い込み、才能の豊かな梓を遺したのでしょうか。 そうですね、反対の結末で才能豊かな梓が亡くなって小説家が生き延びていたらどうしようもない悪趣味な読み味だったかもしれないですね。 ちょっと哀愁があるくらいの方がいいのかもしれません。

Posted byブクログ