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QJKJQ の商品レビュー

3.4

116件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    32

  3. 3つ

    47

  4. 2つ

    15

  5. 1つ

    1

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2023/11/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

個人的には特に引っかかるものが何もなかった もちろん幻想→現実への転移を起こすための様々な仕掛けが施されているのは本品の強みだ 十数年もの長きに渡り人殺し一家の幻想を見続けた娘 その脳が捉えていた幻想──序盤の描写の数々──がスルスルと現実の、過去に起きた実際の事象に紐解かれていく 虚像が実像へと戻っていくこの形式は心地よかった ただ、これら用意周到なギミックも、例えば下記のようなノイズが邪魔をして手放しに称賛できない  ・虚像の母兄を構築するレベルの強い幻視状態にいた主人公が家の外でも現実に補正をかけて幻想の整合性を保つ言動が、周囲の人間の目にはどう映っていたのか等の描写がない  ・あるいは上記の描写の一切を、主人公の誰ともつるまない性格ゆえ、またはラストで明かされるIQ200という設定に委ねようとしている点  ・殺人を観測する公的機関というのがいかにもな創作の産物であり、しかもこの作者の文体も相まってか余計に物語に対する外付けの設定然としており鼻についてしまった  ・特に鳩ポンはアカデミーの一員であるのに、3日前に確保・拷問を受けていた少年の事前情報が無かったのはいささか無理がある  ・二人の娘の行動パターンを桐清が把握しきったというのは、いささか展開をテンポよく進めるための舞台装置然とし過ぎている などなど… どうしてもこれらのご都合的すぎるノイズが邪魔をしてか、せっかくの幻想→現実への紐解きギミックも、 なんだか外装ばかりに力を入れて肝心の味は記憶に残らない飲食店のように感じてしまった

Posted byブクログ

2023/10/29

なんかもう、何がなんだか分からん。さすがにキラー一家という設定が現実的でなさすぎる。小難しいことを言って死ぬとか殺すとか闇の機関とか組織が好きな中学2年生には受けそうな気がする。

Posted byブクログ

2023/10/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

登場人物も設定も怖すぎなんだけどめちゃくちゃおもしろい まさかの結末だった 昔読んだやつにヒトラーが赤ん坊にもどってもういちど大人になったら同じようになるのか?という漫画があったんだけど、結局その人の気質や遺伝子が悪いんじゃなくて環境と運だと思う

Posted byブクログ

2023/09/30

設定から興味を惹きつけられました。 トンデモストーリーが論理立てて、様々な知識を交えながら展開されます。なかなか面白かったです。

Posted byブクログ

2023/09/05

物語に漂っている薄暗くて胸にずしっと重りを乗せられたような黒い雰囲気が好きです。この本が抱く謎が明らかになった瞬間、黒色の濃さはピークに達して、私はどん底に落とされた気分でした。気持ちいいくらいに深く落とされたので、この作者に病みつきになりそうです。個人的には中村文則さんと同じ空...

物語に漂っている薄暗くて胸にずしっと重りを乗せられたような黒い雰囲気が好きです。この本が抱く謎が明らかになった瞬間、黒色の濃さはピークに達して、私はどん底に落とされた気分でした。気持ちいいくらいに深く落とされたので、この作者に病みつきになりそうです。個人的には中村文則さんと同じ空気を感じました。(どん底への落とし方は全く違うけれど)

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2023/08/08

シンプルにかっこいいタイトルと、マックスエルンストの『カルメル修道院に入ろうとした少女の夢』から抜粋された装丁に惹かれ「なんじゃこの中二病心を擽られる本はぁ!!」と勢い勇んで手に取りました。 結果、「封印された左腕が疼く!!」とまでは行かずとも、ダークなサスペンス好きの私は夢中に...

シンプルにかっこいいタイトルと、マックスエルンストの『カルメル修道院に入ろうとした少女の夢』から抜粋された装丁に惹かれ「なんじゃこの中二病心を擽られる本はぁ!!」と勢い勇んで手に取りました。 結果、「封印された左腕が疼く!!」とまでは行かずとも、ダークなサスペンス好きの私は夢中になって読んだ次第。 冒頭はグロ描写が凄く、始まったぞぉ!と覚悟を決めたのですが途中からどうも様子が変わってきます。 もしかするとこれは、私が思っていた殺人鬼一家の話とは全く違うのでは…? もうそこからはノンストップです。 皆さんは殺人鬼一家の話、とだけ聞くとどんな物語を想像しますか? 恐らく、そのどれとも違う話になって行くと思います。 『QJKJQ』の意味が分かった時、「かっこよすぎるだろ!!」と天を仰ぎました。(お家芸) まさにThe江戸川乱歩賞。 刺激的な世界に足を踏み入れたい方は冒頭とクライマックスのグロには目を瞑り、是非読まれてみてはいかがでしょうか。(こんな事ばかり言っている気がしますが、小説のグロ描写は本当に想像力を掻き立てられるので、無理な方にはとことん無理なんだろうなぁ) 佐藤さんの『テスカトリポカ』がよりダークみを増しているらしいので読む予定です。楽しみだなぁ。

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2023/07/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『テスカトリポカ』で直木賞を受賞した佐藤究さんのデビュー作。佐藤さんは一度群像新人文学賞でデビューし、それから江戸川乱歩賞に応募して本作『QJKJQ』で受賞したとのことで、正確には再デビュー作とのこと。たまたま本屋で手に取って面白そうだったので読んだが、経歴だけでなく話も凄かった。 話は家族全員が殺人鬼の猟奇一家に生まれた主人公亜季亜(アリア)がある日、兄が自室で殺されているのを発見する。翌日母が失踪。兄も母も殺しのプロなので、並の人には彼らを手にかけることはできない。やがて亜季亜は残った父を疑うことに…。ここから話が急展開して国家や社会、あるいは人類規模の壮大な話になっていく。 殺人とはなんなのか、ということを突き詰めた話はいい意味で異様だった。殺人の考察、哲学、遺伝子、脳科学、社会学、著者の豊富で雑多な知識がフィクションにリアリティを与えていた。突拍子もない物語なのだが、もしこういった話が本当にあって、自分が亜季亜だったとしたら?と考えたら背筋が寒くなった。佐藤さんの他の著作も読んでみたいと思った。

Posted byブクログ

2023/07/28

スプラッタサイコホラーミステリーな書き出しの序盤。 胸糞だなーと思いながら読み終わると想像と全く違う地点に着陸してびっくりする。 これは哲学書である、と思う、、、

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2023/07/24

23/07/01読了 テスカトリポカより好みとのコメントを見て読んだのだが、わかる。 救いもわかりやすさもない、と言って悲壮感があるのでなくドライな緊張感の漂う物語を書くひとなので、話の長さでメンタルの疲れ方が変わるんかもしれません。今の私の好みとして。

Posted byブクログ

2023/06/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

佐藤究ワールドが炸裂している作品。 毎度のことだが、冒頭から読者を置いて行くような始まりだが、独特の世界観に引き込まれていき、最後に繋がってくる。 映画ゴーストランドの惨劇を思い出すような、現実に引き戻された時の絶望感がたまらない。 ダークでカオスなんだけど、不思議と暗い気持ちにならずに読めるのが佐藤究作品の好きなところ。

Posted byブクログ