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主人公は猟奇殺人の一家に生まれた女子高生。家族はそれぞれの手法で、趣味的に「殺人」をしている。 そんなある日、兄が自室で何者か殺され、さらに母が謎の失踪を遂げる。殺す側の人間が殺される側に変わり、殺人女子高生の平穏な日常は一変する。 趣味が殺人の女子高生の話かと思って読んでい...
主人公は猟奇殺人の一家に生まれた女子高生。家族はそれぞれの手法で、趣味的に「殺人」をしている。 そんなある日、兄が自室で何者か殺され、さらに母が謎の失踪を遂げる。殺す側の人間が殺される側に変わり、殺人女子高生の平穏な日常は一変する。 趣味が殺人の女子高生の話かと思って読んでいたのだけど、中盤から話の方向性が一転する。そこに戸惑ったけれど、前半部の伏線が回収されるので、新しい展開でもついていけた。 解説にもあったけど、これは「人はなぜ人を殺すのか?」がテーマの小説。グロテスクな表現が多いので、読む人を選びそう。
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最初から、恐怖と奇怪の連続で、気持ちが悪くなるほどの残虐な表現が次から次へと出てきて、「もう(読むのを)やめとけ」と自分の脳が訴えかけてくるほどでした。 こんな状態だと、だいたいが撤退宣言をするのですが、なぜかこの本は、それでも読み続けました。読了後に思ったことなのですが、それは、たぶん、そこに引き込まれるほどの謎があって、その謎を解き明かしたいという気持ちが根強かったからだと思います。 この本の一言感想は、「脳の可能性を感じたし、その分、脳の怖さも感じました。」です。 そして、私の読書中の脳でもね。 この本で私が一番興味を持ったのは、実は、江戸川乱歩賞の選評です。 こうやって、ここに私の勝手な感想を書き綴っていますが、読み違えていたり、浅読みだったり、少数意見だったりすることも多々あると思うんですね。 でも、こうやって著名な方達の意見も様々なのだと思うと、少し書きやすくなりました(笑) この本は、小説を書く参考になる展開が多々あると思いましたが、中学生におすすめするには、あまりにも過激すぎるし、夜の読書にはおすすめしません。夢にでてきたら怖いからね。 私は、佐藤究さんの「テスカトリポカ」を読んで、別の作品も読んでみたいと思い、この本を手にしました。5年前に書いた本にさかのぼって、佐藤さんのキャリアを感じることができました。そういう読み方も、また、おすすめです。
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殺人鬼の家庭の女の子の話で ある日突然、兄が惨殺され、母が消息不明になり 父を疑った長女がそこから、家出をし 家族の謎を解き明かしていく流れ。 作者特有の良い意味の人間味の気持ち悪い部分や、人はなぜ人を殺すのかという哲学的な部分が絡み合って非常に面白かった。
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思わせぶりだけど、そんな凄惨な話ではない。意外性はあるものの、伏線回収出来ているかというと少々疑問。かといって、読み返すほどではない。アカデミーの発想とか面白かったのだが。
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家族全員シリアルキラー、という前提で読んだのですが、そういった猟奇殺人小説ではありませんでした。 殺人一家に生まれ、自分自身も連続殺人者だと思っていた少女。 ある日、自宅で兄が殺された上にその死体が消えてしまい、母親も失踪してしまう。 兄を殺した犯人を探そうとするが自分を取り巻...
家族全員シリアルキラー、という前提で読んだのですが、そういった猟奇殺人小説ではありませんでした。 殺人一家に生まれ、自分自身も連続殺人者だと思っていた少女。 ある日、自宅で兄が殺された上にその死体が消えてしまい、母親も失踪してしまう。 兄を殺した犯人を探そうとするが自分を取り巻く世界に違和感を覚え、これまで見ていた世界のほとんどが幻覚だったことに気付く。 彼女が知る真実とは。 前半とラストの描写がかなりグロテスクなので、苦手な方は読まない方がいいと思います。 全体的には面白いのですが、彼女が幻覚を見ながら過ごしていた時間は実際どうであったのか(特に彼女が殺人を犯す時)、 家族に対してはどのような感情を抱いていたのか、何故、最終的にあの選択をしたのか、そういった描写がないので理屈的には終着しても、読後にモヤモヤが残りました。 今年の江戸川乱歩賞は面白いといいな。 2017年5冊目。
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1、狂気を感じる。ハマる人にはハマる。 2、腑に落ちない、こじつけっぽい伏線が割とある。 3、一回読んだだけでは、全てを知ることはできないので、2度読みか考察などで補填するとより深く楽しめると思う。
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江戸川乱歩賞受賞作。 探偵小説を奨励するために制定されたという江戸川乱歩賞を受賞したことには賛否あったりするのかなあとは思いますが、個人的にはとても楽しめました。 崩れ落ちてゆく現実の中、手探りで進んでゆく亜李亜は「信頼できない語り手」で、犯人を見つけ出すという探偵的な目的から打って変わり、中盤以降は自己の内面を掘り下げるような、不確かなアイデンティティを確立していく、あるいは逆に破壊していくような哲学的なテーマへと話は移っていきます。 ミステリであり、哲学書でも成長譚でもあり、ある種生まれ変わりの話でもある。一言で言い表せないジャンルと魅力があり、一気に読んでしまいました。 また、文章にも独特のリズムがあって好きです。
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いやこえーよ! 精神がぶっ壊れててずっと幻覚を見てました、みたいのって本能的恐怖を感じる 少女も含め家族による殺人は一切起きてなかったらしいけど、鉛筆を突っ込まれた少女だけは存在してたらしくて草生える 佐藤究作品は、映画一本見たかのような満足度ですね 全編通して陰鬱な雰囲気で、デヴィッド・フィンチャー作品でも見てるのかと思いました 東伏見の舞台は個人的に微妙な気がして、スティーブン・キング的アメリカの郊外を舞台にして見たかったかな、と思ったり。いや東伏見に行ったことはないのだが 脳科学っていつ見てもSF的ギミックとして面白いよなあ、と それっぽさの次元が一段階上がる感じ 脳科学とかさっぱり分からんしそもそも脳とか研究してるのが生理的に怖いし、等の一般的に抱かれている忌避感が効果的に効いているのかな 新聞に殺人現場予告が出るのとか意味不明なのだが、背筋が寒くなるのが良かったですね。こういうのが一番怖い
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家族全員シリアルキラー。その娘は、ある日兄と母を喪失し、物語は転がり始める。父を疑い、世界を疑い、自身をも疑い始める。 人を殺すと言う行為には、どんな意味があるのか、あるいはそこに意味などないのか。原始から現在に至るまでの殺人を問うた、ひとつの小説。
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何となくそうなんだろうなという展開の話だったけど,哲学的なところは少し難解,というより理解(共感?)しがたかった.
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