国宝(上) の商品レビュー
極道の世界から歌舞伎の世界へ踏み入れることになった青年の成長譚。主人公のキャラクターは全く異なるが、マンガの「落語心中」を彷彿とさせる内容。文体は特徴的だが、戦後復興期、そういう時代もあったのかという気分に浸った。 後編も怒涛の展開のようなので、3人のこれからが気になる。歌舞伎の...
極道の世界から歌舞伎の世界へ踏み入れることになった青年の成長譚。主人公のキャラクターは全く異なるが、マンガの「落語心中」を彷彿とさせる内容。文体は特徴的だが、戦後復興期、そういう時代もあったのかという気分に浸った。 後編も怒涛の展開のようなので、3人のこれからが気になる。歌舞伎の世界の不文律(血縁、家柄による序列)は一般人では想像できない程の絶対的格差があると知った。主人公(と徳ちゃん)には報われてほしい… 急いで読んでしまったので、もう一度各章に登場する歌舞伎の演目含めて読み返したい。
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語り口調が独特で、読むのに少し時間がかかりました。 歌舞伎の世界を書いた本で、歌舞伎がわからなくても、説明があるのですんなり読めます。 その説明も、あまりしつこくなく、すうっと頭の中に入ってくる感じでした。 だんだん俊ぼんにイライラとしてしまった。
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2021.1.03 駅伝ではまさかの駒澤の大逆転 親が極道のボス 喜久夫 父親が殺され歌舞伎の世界へ とにかく華がある 代々続く歌舞伎の世界の跡取り 俊介 きくちゃんと共にレッスン そして逃亡からの復活 徳ちゃん きくちゃん大好き男 調子いいけど真っ直ぐな男 歌舞伎の世...
2021.1.03 駅伝ではまさかの駒澤の大逆転 親が極道のボス 喜久夫 父親が殺され歌舞伎の世界へ とにかく華がある 代々続く歌舞伎の世界の跡取り 俊介 きくちゃんと共にレッスン そして逃亡からの復活 徳ちゃん きくちゃん大好き男 調子いいけど真っ直ぐな男 歌舞伎の世界はよく知らないけど とにかく熱い!! 血筋なのか芸の技術なのか 後半へ続く!!
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読みにくい笑 大好きな吉田修一さんですし とても評判がいいので読むのをやめる選択肢はないですが そうじゃなかったら挫折してそう笑 ここ最近でも一番に 読むのにすごい時間がかかってしまいました。
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本作は吉田修一先生の作家生活20周年を記念し、刊行された作品とのことで、初めて本著者の作品を読んでみた。上巻の感想であるが読み応えがあった。 文体が「~でございます。」「~なものでした。」で、少し慣れない丁寧な口語で描写されているため、NHKの朝ドラを思い浮かべながら読み進める...
本作は吉田修一先生の作家生活20周年を記念し、刊行された作品とのことで、初めて本著者の作品を読んでみた。上巻の感想であるが読み応えがあった。 文体が「~でございます。」「~なものでした。」で、少し慣れない丁寧な口語で描写されているため、NHKの朝ドラを思い浮かべながら読み進める。 長崎の任侠ものかと、少しテンションが下がりながらも、作者の経歴を調べてみると、長崎出身であることを知り納得する。(が、長崎はあまり関係がなかった) 「任俠の一門に生まれながら、この世ならざる美貌を持った喜久雄。上方歌舞伎の名門の嫡男として生まれ育った俊介。二人の若き才能は、一門の芸と血統を守り抜こうと舞台、映画、テレビと芸能界の転換期を駆け抜けていくが――。長崎から大阪、そして高度成長後の東京へ舞台を移しながら、血族との深い絆と軋み、スキャンダルと栄光、幾重もの信頼と裏切り、数多の歓喜と絶望が、役者たちの芸道に陰影を与え、二人の人生を思わぬ域にまで連れ出していく。(吉田修一さん新刊「国宝」1万字インタビューより)」 歌舞伎は人生で1度しか足を運んだことがなく、一般的な知識しか持っていない。柳広司先生の「風神雷神」で、宗達の想い人が阿国であった設定で、その時に歴史的なことを少しだけ調べたくらいである。 歌舞伎の起源は、1603(慶長8)年、出雲の阿国による「かぶき踊り」が京都で始められたとされている。 柳先生の「風神雷神」では、この阿国と伊年(後の宗達)が恋愛よりもっと冷めてはいるが、そんな関係になる。そして、阿国が伊年の元を離れている間に遊女歌舞伎が人気となる、というような記載もあった。調べるところによると、歌舞伎の歴史は、阿国、遊女、そして少年が行う若衆歌舞伎を得て、今の成人男性が女形を演じる今の歌舞伎に至ったということを知る。商売(金儲け)を考え出す人の知恵と規制は、いつの時代からもあるのだなぁと感心した。 演目は、江戸時代の歴史的な出来事「時代物」、江戸時代の人々の生活「世話物」、そして、歌や音楽に合わせ踊る「舞踊劇」の3つに大きく分かれ、本作でも出てきているが、『仮名手本忠臣』、『道成寺物』、 『信州川中島合戦』、『勧進帳』、『曽根崎心中』などがある。 本作の中で演目の説明があり、それが参考になる。演目の読み方、ストーリーの説明を知ることができ、本作への興味が広がる。 本作の「丹羽屋」という屋号は、実際にはない。立花喜久雄は父親を殺された後、上方歌舞伎の名門「丹羽屋」の花井半二郎にお世話になる。美貌な容姿と、自身の努力もあり、半二郎の名を継ぐことになる。血族の関係が深い世界に飛び込んだ元任侠の息子。芸能界での栄光を垣間見たのも束の間、落ちた者に対する執拗な弱い者いじめ。成功への道から外れた喜久雄がいかして這い上がっていくのであろうか。
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凄い作品を 読んでしまったーと。 久しぶりに 登場人物と一緒に 時代を生き抜いた気がしたし 久しぶりに 上下巻一気読みをしてしまったし 久しぶりに 心地良い疲労感に包まれました。 ページを繰る手が 止まりませんでした。 何年かに一度 こんな作品に巡り会えるなら これ以上...
凄い作品を 読んでしまったーと。 久しぶりに 登場人物と一緒に 時代を生き抜いた気がしたし 久しぶりに 上下巻一気読みをしてしまったし 久しぶりに 心地良い疲労感に包まれました。 ページを繰る手が 止まりませんでした。 何年かに一度 こんな作品に巡り会えるなら これ以上の幸せはありません。 吉田修一さん。 どうか長生きしてください。
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うわ~めちゃくちゃおもしろかった!! 読み始めた途端、一気に小説の世界に引きずり込まれてしまった! すごい作品! 「俺たちは踊れる。だからもっと美しい世界に立たせてくれ!」 長崎のヤクザの親分の息子として生まれた立花喜久雄 父親の死、退学、そして縁のあった大阪の人気歌舞伎役者・...
うわ~めちゃくちゃおもしろかった!! 読み始めた途端、一気に小説の世界に引きずり込まれてしまった! すごい作品! 「俺たちは踊れる。だからもっと美しい世界に立たせてくれ!」 長崎のヤクザの親分の息子として生まれた立花喜久雄 父親の死、退学、そして縁のあった大阪の人気歌舞伎役者・花井半次郎の元へ 喜久雄はその美貌と芸を開花させ、半次郎の息子俊介と切磋琢磨する日々… しかし半次郎の跡継ぎ問題で2人の人生は大きく変わっていく。 失踪した俊介 一方、喜久雄は芸能の世界の壮絶なイジメ、舞台とテレビと映画の世界の変化、そして血族との深い軋轢、歌舞伎役者としての苦悩など…人生が大きく変わっていく。 そんな折、失踪した俊介が見つかり… 文章がちょっと古めかしいドラマの語り口なのもいい! 吉田修一さん、すごすぎる~ 読んでると頭の中にドラマがスタートした感じ 時代は舞台からテレビや映画に変遷する頃 この時代に生きた芸能やメディアの混乱がすごい そして様々な人の思惑も… も~ページをめくるたびに泣いたり笑ったり 下巻が楽しみすぎる~
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●2020年7月30日、読み始め。 ●288頁まで読んで、中断。 吉田修一さんの作品を読むのは、初。 吉田修一さんは、1968年長崎県生まれ。 この作品は、歌舞伎を扱っているので、その方面に疎い者には、わかりづらいものがある。 が、大筋はわかるので、そのまま読み進めることはで...
●2020年7月30日、読み始め。 ●288頁まで読んで、中断。 吉田修一さんの作品を読むのは、初。 吉田修一さんは、1968年長崎県生まれ。 この作品は、歌舞伎を扱っているので、その方面に疎い者には、わかりづらいものがある。 が、大筋はわかるので、そのまま読み進めることはできる。 時々、演目などを調べながら読み進めると、ちょっとした知識が得られる。 ●曾根崎心中 近松門左衛門作。1703年(元禄16年)竹本座初演の人形浄瑠璃・文楽。のちに歌舞伎の演目にもなる。相愛の若い男女の心中の物語である。 「此の世のなごり。夜もなごり。死に行く身をたとふれば、あだしが原の道の霜」で始まる。(ウィキペディアより)
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独特の語り口がぽんぽんと小気味よく、歌舞伎のことを何も知らない私でも、テンポよくすらすら読めました。 裏切りあり、いじめあり、波乱万丈。 毎日、血のにじむような稽古をして、芸事の世界は、儲かるときは、一瞬で、落ちれば、借金の海。 とても、並みの神経ではやっていけない、浮き沈みの激...
独特の語り口がぽんぽんと小気味よく、歌舞伎のことを何も知らない私でも、テンポよくすらすら読めました。 裏切りあり、いじめあり、波乱万丈。 毎日、血のにじむような稽古をして、芸事の世界は、儲かるときは、一瞬で、落ちれば、借金の海。 とても、並みの神経ではやっていけない、浮き沈みの激しい世界だと思いました。 歌舞伎は一度も観たことがありませんが、歌舞伎を目の前で観ているような気持ちにさせられる文章でもありました。 以下、途中までのストーリー。 1965年、昭和40年。 長崎の任侠一家の跡取り息子の立花喜久雄15歳、権五郎が抗争事件で亡くなって一年後。 父の後妻のマツを郷里に置いて幼なじみの徳次と恋人の春江とともに、大阪の歌舞伎役者の花井半二郎の家に住み込みでやっかいになり、半二郎の一人息子で同い年の大垣俊介と共に歌舞伎の世界に入ります。 二人共、半二郎に女形の才を見出されてその道に進みます。 「俊ぼん」「喜久ちゃん」と呼び合いながら、二人は同じ道を目指していきますが、父の半二郎が交通事故に遭ったとき、半二郎が代役に選んだのは、果たして俊介ではなく、喜久雄でした。 そして俊介は「探さないでください」と置手紙をして。そしていつの間にか、男女の仲になっていた春江も一緒でした。
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読書をサボっていました。 (ブクログも) 図書館が再開して、鞄へパンパンに詰めてきた中の一冊。 早く下巻が読みたい。 吉田さんの物語に対する熱が文字に追いついていないようで 読み手の体力をしっかり奪います、 何て贅沢。 人間って、何かが起こると ひとの中身が現れる。 でも何...
読書をサボっていました。 (ブクログも) 図書館が再開して、鞄へパンパンに詰めてきた中の一冊。 早く下巻が読みたい。 吉田さんの物語に対する熱が文字に追いついていないようで 読み手の体力をしっかり奪います、 何て贅沢。 人間って、何かが起こると ひとの中身が現れる。 でも何も無くても、日々の積み重ねで ふと顔を出す「一面」のようなものがあって。 その描き方がご馳走。 そして、主人公とそれを取り巻く人達が どういう「面(つら)」になっていくかを 詳らかに文字から浮かび上がらせています。
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