朝が来る の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ドラマも見て気になっていた作品 ドラマは終始イライラしたけれど、本は思ったよりはよかった。 どの程度取材したのか分からないけれど、今の特別養子縁組は、あんな感じなんだろうか。 養子先の家庭が生みの母を慕い、感謝の気持ちを持っているっていうのは違和感がある。私が親の立場なら子供は生みの親に会わせたくないし、私が子の立場なら生みの親を慕うことはない。 不妊治療での悩みや葛藤はよく描かれているけれど、子育て中の葛藤もあるはず。血が繋がっていないことによる弊害とか、差別もあるだろう。そういうことが全く書かれていない。 特別養子縁組したから、子どもできた、よかったねっていうただのお花畑話になってる。 そういう実際には当事者たちが感じている気持ちとかをもっと知りたかった。私が当事者の一人とて、親の気持ちが全くわからないから、知りたかったというのが本音。
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養子縁組という難しいテーマです。 子どもが欲しいが授からず、辛い不妊治療を経て、養子縁組をして子どもを迎え入れた夫婦。 反対に幼く無知なばかりに、予期せぬ妊娠と出産から人生を転落していく少女。 いくら無知とはいえ、悪い人につかまりすぎだし、借金の保証人うんぬんのところは、もっとど...
養子縁組という難しいテーマです。 子どもが欲しいが授からず、辛い不妊治療を経て、養子縁組をして子どもを迎え入れた夫婦。 反対に幼く無知なばかりに、予期せぬ妊娠と出産から人生を転落していく少女。 いくら無知とはいえ、悪い人につかまりすぎだし、借金の保証人うんぬんのところは、もっとどうにかできると思う。転落の仕方にリアリティが感じられないです。もっと差し伸べられる温かい手はなかったのか? それでも、辛い想いをして生きてきた少女の気持ちになると、ラストは涙が出ます。
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もしも自分の娘がヒカリの境遇だったら…どこで救ってあげられたかな。こどもと性と、どのように向き合っていけば良いのか、親として考えさせられました。
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産みの親、ヒカリと育ての親であるサトコ。養子として育てられる幼いアサト。2人の女性の境遇がバランスよく描写されている。ただ読み終えるとどうしてもヒカリに感情移入してしまう。懸命に生きるヒカリは等身大の衝動にかられとても純粋に描かれている。最後は美しく文体から、情景を想像させる。養...
産みの親、ヒカリと育ての親であるサトコ。養子として育てられる幼いアサト。2人の女性の境遇がバランスよく描写されている。ただ読み終えるとどうしてもヒカリに感情移入してしまう。懸命に生きるヒカリは等身大の衝動にかられとても純粋に描かれている。最後は美しく文体から、情景を想像させる。養子という制度の偏見をとても切なく、美しい物語として心に焼きつかせてくれる。
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二人の母親、本当なら出会わなかったかもしれない二人を引き合わせた朝斗。 苦しい中から希望溢れる朝を届ける存在である朝斗。 読んでる途中辛くなるシーンもあるが、最後は希望を持てる、きれいな物語だった。
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やっぱり辻村深月好きだなぁと思う作品 冷たさの中に暖かさ 救いようのない辛い現実にひかりがあるのがいい
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最近の辻村深月によく見られる女性を描ききった作品だと感じる。その生々しさから途中頁をめくる手が躊躇われるほどである。
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冒頭のエピソードで、また子育てイヤミスかとゲンナリしたが、そうはならない。ここから一気に持ってかれた。揺れても強い母親。父親もまた、たしかな人たち。 また後半分の愚かな小娘の薄っぺらい哀しみは少し冗長に感じたが、これもまたリアルだと思わせる。 最終盤は出来過ぎ。でもそうあってほし...
冒頭のエピソードで、また子育てイヤミスかとゲンナリしたが、そうはならない。ここから一気に持ってかれた。揺れても強い母親。父親もまた、たしかな人たち。 また後半分の愚かな小娘の薄っぺらい哀しみは少し冗長に感じたが、これもまたリアルだと思わせる。 最終盤は出来過ぎ。でもそうあってほしかったので満足した。
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2年ほど前に連続ドラマ小説としてテレビで見てから続きが気になって購入。 ひかりに焦点が当たったあたりから話の最後はきれいにまとまったものの、展開が思ったものとは違う方向に進み、物語の主旨がずれていくような違和感を感じてしまった。
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長い不妊治療の末に、民間の団体を通じて特別養子縁組を決意する栗原夫妻。 物語は主に、妻の佐都子の物語ののち、生みの親のひかりの物語、という二本立てで進んでいく。 ひかりの物語の間は、とにかく早くそこから抜け出したい一心で急いで読み進めたが、次に現れると信じていた佐都子の物語には...
長い不妊治療の末に、民間の団体を通じて特別養子縁組を決意する栗原夫妻。 物語は主に、妻の佐都子の物語ののち、生みの親のひかりの物語、という二本立てで進んでいく。 ひかりの物語の間は、とにかく早くそこから抜け出したい一心で急いで読み進めたが、次に現れると信じていた佐都子の物語にはたどり着けなかった。 なんだか尻切れとんぼで、裏切られたような感じがしてしまう。 帯に書かれた「このラストシーンはとてつもなく強いリアリティがある」と言う言葉の意味は凡人の私には全く分からず。 考えもなく思い込みだけで行動し堕落していく10代の子供を描いた物語は、いつも掴み所がなく、嫌悪感しか抱けない。 私に思春期の子供がいることや、それらを悪だと思い込んでいることが原因なのだろうとは思うが、申し訳ないけれどこう言う話は好きにはなれない。 ただ、以前最後まで読み切れなかった作品があったことから敬遠していたこの著者だが、この作品はとてもよかった。 また別作品を読んでみたいとは思う。 些細なことかもしれないが、この作品には「躊躇いなく」という言葉がやたらと使われている。何でもかんでも誰のことでも「躊躇いなく」と表現していることで、またか、と思った瞬間に登場人物が色褪せてしまったのはとても残念だった。
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