営繕かるかや怪異譚 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「家」に憑いた怪異を、「営繕 かるかや」を営む大工の尾端が、当事者がその怪異と折り合いをつけられるように「修繕」する6つの怪異譚。 ―― https://bookmeter.com/reviews/73811135
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じんわりと恐い家にまつわる怪異譚。 救いもあるし、ホラーが苦手な人でも楽しめる。 個人的にはもう少し恐かったり、救いがなかったりっていう話しがあっても良かったかな。ホラーなので。
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家にまつわる怪異譚。 でも、単に怪異譚というのではなくて、営繕(建築物の営造と修繕)してくれます。 とはいえ、結構怖い。 「雨の鈴」なんて相当怖かった。なのに、切ない。 直されて、それはそれで彼女は行き場を失ったのだ。どこかに流れていき、またさまよい続けるのだ。 人...
家にまつわる怪異譚。 でも、単に怪異譚というのではなくて、営繕(建築物の営造と修繕)してくれます。 とはいえ、結構怖い。 「雨の鈴」なんて相当怖かった。なのに、切ない。 直されて、それはそれで彼女は行き場を失ったのだ。どこかに流れていき、またさまよい続けるのだ。 人と、そういう類のものが共存できることはほとんどない。理解しているけれど、怖いのだけど、切ない。 切ないことも、人の弱さなのだろう。 そして、その弱さにそういう類はそっと忍び込んでくる。 家は、生活であり感情である。 誰かを思うと同時に、憎む。そんな愛憎が煮詰まり歪みを生む。 生きているということの刹那を、そっと包み込んで大事にしている、そんな作品たちだった。 面白かった。
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平成31年4月奥さんの好きな作家を初めて読んでみる。 短編の怪奇小説。 自分に想像力がないのか。。。 怖さを想像できない。。 怖さを想像できない日常のお話。 ひゃー、わーって感じでなく、何か読み終わった後にじわーーーって残る感じ。 あそこに変なおじさんが。 ガレージに子供が...
平成31年4月奥さんの好きな作家を初めて読んでみる。 短編の怪奇小説。 自分に想像力がないのか。。。 怖さを想像できない。。 怖さを想像できない日常のお話。 ひゃー、わーって感じでなく、何か読み終わった後にじわーーーって残る感じ。 あそこに変なおじさんが。 ガレージに子供が。自分の世界の中にこの話が入ってくる。 想像してしまう。怖いわけでないけどね。
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怪異を払うでもなく、鎮めるでもなく。 そこにいるものと認めて、望むようにしてやる。 この世の者ではないのに、その者が暮らしやすいような家づくりをする。 そうすることで、その家に暮らす人みんなを幸せにする。 面白い。
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現代のホラーなのに、どこか昔話のようなおとぎ話のような感じがするのはなぜだろう?古い家が舞台になっているから? しんしんと静かな恐怖はあるけど、恐ろしいものを排除しようとするのではなく、折り合いをつけるっていう解決の仕方が好きだな。 嫌な感じが残らない。
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気持ちの余裕とはこういうことだと思う。 相手の背景まで汲んで折り合いをつける。 相手は人でも死者でもものでも。 そういう生き方をしたいと思った。 ホラーの描写は薄気味悪くてのめり込んでしまった。 「早く尾端さん来てー!」と思いながら読んでました。
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「主上,こんな所で油を売ってないで,早く十二国記の続きを書いてくれ」と思いつつ,お布施のつもりで買ったんだけど,面白かった. こんなホラーもあるのか.
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開かずの間から這い出ようとする者、屋根裏を徘徊する何か、死を運ぶ女等々。 ホラーの題材としては王道。王道的な展開がいくらでも予想でき、それを後押しするように、恐怖心をじわじわと掻き立てる描写が続く。 それでもキャッチフレーズの「絆を大切にするというのは、実はこういうことなのだ。」...
開かずの間から這い出ようとする者、屋根裏を徘徊する何か、死を運ぶ女等々。 ホラーの題材としては王道。王道的な展開がいくらでも予想でき、それを後押しするように、恐怖心をじわじわと掻き立てる描写が続く。 それでもキャッチフレーズの「絆を大切にするというのは、実はこういうことなのだ。」という言葉通り、どの短編も読後感が柔らかく、優しい気持ちになれる気がする。解決役としての営繕屋が、怪異を恐怖の対象として扱っていないからかもしれない。 個人的に、やっぱりホラーは長編よりも短編の方が好き。通勤時間等の空き時間に、少しずつ読むのに丁度良かった。
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とある城下町で起こる怪異を営繕かるかやが解決していく短編集である。いや、解決していくというよりも、何とかしていくといった感じだろうか。 営繕屋であるので、霊感があるわけでも拝み屋なわけでもない。しかし、どう対処したらよいかはわきまえている。それが住まいに起こる不便なら、営繕で取...
とある城下町で起こる怪異を営繕かるかやが解決していく短編集である。いや、解決していくというよりも、何とかしていくといった感じだろうか。 営繕屋であるので、霊感があるわけでも拝み屋なわけでもない。しかし、どう対処したらよいかはわきまえている。それが住まいに起こる不便なら、営繕で取り繕うことができる。そんな感じだ。 だから、はい、やっつけて終わり、というものではない。 小野不由美の書く話は、怪異を題材にしている。大仰でない語り口は、返って冷え冷えとした薄ら寒さを醸し出す。しかし、この話は、どこか暖かい。それは、必ず救いがあるから、ということだけでは無い。 人は、人として生きる以上、どうしたって悲しみや怒りといった感情を持つ。切り捨てるとはできない以上、抱えて生きることになる。 住まいも、生活していれば、傷が付いたり不具合が出たりする。そうした不都合や不便さは、営繕で対処ができる。そうして、共存していく。 それでいいのだ。
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