営繕かるかや怪異譚 の商品レビュー
家の障りを聞きつけて、営繕かるかやがゆく。「奥庭より」「屋根裏に」「雨の鈴」「異形のひと」「潮満ちの井戸」「檻の外」6作収録の短編集。 雰囲気でいうとあれに近い。 夏目友人帳や蟲師。妖じみた家の障りを祓うのではなく、いなす。障りの正体を掘り下げることもしない。あくまで現象として...
家の障りを聞きつけて、営繕かるかやがゆく。「奥庭より」「屋根裏に」「雨の鈴」「異形のひと」「潮満ちの井戸」「檻の外」6作収録の短編集。 雰囲気でいうとあれに近い。 夏目友人帳や蟲師。妖じみた家の障りを祓うのではなく、いなす。障りの正体を掘り下げることもしない。あくまで現象として扱い、それを躱すことで、家主の困りごとや不安の方を祓う。それ故に、かるかや・尾端が出てくると、物語はさっくりと終わる。一つ一つ味わい深い話ではあるが、明確な型がある。 風景が良かった。 「雨の鈴」の雨の町家も良かったし、「潮満ちの井戸」の寂とした裏庭も良かった。日差しはまろやかなのに、とってつけた洋風の花壇やパーゴラが屋敷全体には馴染まない。描写はないが、素人が敷いた煉瓦道も、所々浮きがありそうだ。ちぐはぐな座りの悪さが上手に描かれていた。どの短編も、すぐに舞台にダイブできた。 恐怖は良質。 「異形のひと」がシンプルに怖い。自分にしか見えていない孤独感も嫌だし、家中がびっくり箱みたいで落ち着かない。夜中に冷蔵庫を開けたらお爺さんが入ってたのなんて本当にぞっとした。子供の頃から、夕方一人で家にいるのが怖かった。見えていない範囲があまりにも広すぎて、見えていない所には、何か怖いものが蠢いているのかもしれない。それを否定できない。だから、家の中に家族が散らばっているほど安心だった。夕飯に呼ばれるまでの短い時間、異音を聞き逃すまいと耳をそばだてていたのを思い出した。
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古い家に関する名称をあまり知らなかったので勉強になりました。 どれも怖すぎず、最後には謎も解決される短編集なので安心して読めました。
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怖すぎず、救いがちゃんとある、気軽に読めるホラー短編集でした。 ゴーストハントで知った小野さんの作品ということで楽しみに読みましたが、まんまと引き込まれました。 城下町の古い町屋など、家の持つ雰囲気や空気感が自然に伝わる丁寧な描写で、どの話も短いのに十分没入できます。
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十二国記で小野不由美先生にハマってしまいこちらも読みました。 どのお話も、うすら怖くて不気味でした。 でも、ただ怖いだけじゃなく、最後に必ずなんとかなるという安心感が不思議な魅力のお話だと思います。 共通して登場する、尾端くんという営繕かるかやの青年が、いつもとても落ち着い...
十二国記で小野不由美先生にハマってしまいこちらも読みました。 どのお話も、うすら怖くて不気味でした。 でも、ただ怖いだけじゃなく、最後に必ずなんとかなるという安心感が不思議な魅力のお話だと思います。 共通して登場する、尾端くんという営繕かるかやの青年が、いつもとても落ち着いていて安心するからかもしれません… 彼が来たらもう大丈夫!という安心感。 そして各話の怪異にも、ただ人を怖がらせているわけじゃない事情もあったりして、切なくもなりました。 怖いのにさらに続きが読みたくなるという… 2巻も読みます…
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小野さんには絶大なる信頼をおいてるから、面白くないわけがない。 家をモチーフにした怖い本はたくさん出てるけど、これは怖さや興味深さ、読後感が秀逸だった。 連作で出ている事を読み終わった後に知ったので、次を買ってみようと思う。
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シリーズ1作目。建物を新築・修繕する営繕屋の尾端を中心とした連作短編集。ホラーを基調として、様々な怪異を祓うわけでもなく、ちょっとした営繕で解決するという構成になっている。強いエピソードがあるわけではないが、じわじわとくる怖さが程よく、とても読みやすい。
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「檻の外」が1番心に残った。 あの子は、ガレージから出られた後、彷徨っていないだろうか。 お母さんを探して恋しくて泣いていないだろうか それとも自分の足で自由に歩き回って、心豊かに過ごして、やがて成仏できただろうか。
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家にまつわる怪奇現象、6編。 どれもこれも入り組んだ古い路地に入った狭い戸建ての家。 井戸があって、生垣があって、なんとなく薄暗い感じで今にも何か出そう。 彷徨う霊はいるだろうねえ。
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雨の日に鈴の音が鳴れば、それは怪異の始まり。極上のエンターテインメント 叔母から受け継いだ町屋に一人暮らす祥子。まったく使わない奥座敷の襖が、何度閉めても開いている。 (「奥庭より」) 古色蒼然とした武家屋敷。同居する母親は言った。「屋根裏に誰かいるのよ」(「屋根裏に」) ある雨の日、鈴の音とともに袋小路に佇んでいたのは、黒い和服の女。 あれも、いない人?(「雨の鈴」) 田舎町の古い家に引っ越した真菜香は、見知らぬ老人が家の中のそこここにいるのを見掛けるようになった。 (「異形のひと」) ほか、「潮満ちの井戸」「檻の外」。人気絶頂の著者が、最も思い入れあるテーマに存分に腕をふるった、極上のエンターテインメント小説。 宮部みゆき氏、道尾秀介氏、中村義洋氏絶賛の、涙と恐怖と感動の、極上のエンタ-テインメント。
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ゾワッする怪異話、それをかるかやと呼ばれる大工さん?が解決?していく物語 読みやすく面白いシリーズ物
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