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教誨師 の商品レビュー

4.5

59件のお客様レビュー

  1. 5つ

    27

  2. 4つ

    18

  3. 3つ

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2024/09/16

死刑囚に向き合う教誨師という仕事。先輩教誨師篠田龍雄の後任として28歳で、教誨師の道を歩み始めた浄土真宗の僧侶渡邊普相氏の日誌とインタビューをまとめた(と一言で済ますのは気が引ける内容だが)ものである。大変な仕事だというのは、相手が死刑囚だということだけでも、想像して余りある。自...

死刑囚に向き合う教誨師という仕事。先輩教誨師篠田龍雄の後任として28歳で、教誨師の道を歩み始めた浄土真宗の僧侶渡邊普相氏の日誌とインタビューをまとめた(と一言で済ますのは気が引ける内容だが)ものである。大変な仕事だというのは、相手が死刑囚だということだけでも、想像して余りある。自分が死んだ後に発表してくれ、という固い約束。ほとんど誰も口にしなかった、死刑の現場、言いたくないこと、思い出したくないこと、苦しくてたまらないことまで、吐露してくれた渡邊氏に心から敬意を表したい。そして、それを勇気を持って綴った、作者堀川恵子氏にも感謝だ。 まず、思うことは、死刑の現実について、隠されすぎだということ。関係者の口は硬く、守秘義務ということもあり、闇の中に沈めるしかなかったが、やはり、国の名で、法律の名で、人殺しを(あえて渡邊氏と同じ表現を使うが)している以上、もっと公にすべきではないのか?簡単に「死刑にすればいい」というが、そこに至るまでに、何があるのか?死刑を前にした受刑者、死刑を執行する刑務官たち、立ち会う宗教者たち等に、どれほどの負担を強いているのか、国民は知るべきだと私は思う。それを知らずに死刑存続も廃止も語れないのではないか?と思う。向き合うのはつらい。だから隠す、のでは、死を穢れとして隠した、平安時代と変わらないとさえ思う。 登場する死刑囚一人一人、当然、生まれも育ちも違う。が、登場するほとんどが、親に捨てられたり、不遇な幼少時代を過ごしているものが多い。 事件は社会を映す。歯車がどこかで噛み合っていれば、殺人などという手段を取らずに済んだ人も多いのではないか?という気持ちも拭えなかった。

Posted byブクログ

2024/06/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

死刑について考えるときに、加害者と被害者にばかり目がいきがちだけど、死刑を執行する人がいる、ということにも目を向けなくてはいけないな、と気付かされた。 以前ツイッターで安楽死の議論があるが殺すことを医者に丸投げしていることに誰も気づいていない。自分は立場的にもし安楽死が可能になったら殺す立場になるだろうけど心底嫌だ、みたいな意見を見かけて、それを思い出した。 あと、加害者は心情的に自分を被害者だと思っていて(生い立ちの不幸などから)それを取り除かないと自分が殺した人への謝罪や反省の気持ちなんて持ち得ない的な事を渡邉さんが言われていて、なるほどと思った。確かにそうかも。 でもそれがいかに困難なのかも読んでわかった。 とにかく実際に現場に立って活動している人の言葉は重たいなと思った。 渡邉さんもすごいけど、師匠の篠田龍雄さんもすごかった。

Posted byブクログ

2024/05/06

常々疑問に思っていた死刑という制度について、改めて考える作品であった。 死刑についての話を考えると、気分が落ちてしまい嫌になるのに、どうしても気になって読んだ。自分には関係ないと思っている自分がいたが、これはやはり日本に生きる人が真面目に考えなければならない問題であると思う。 残...

常々疑問に思っていた死刑という制度について、改めて考える作品であった。 死刑についての話を考えると、気分が落ちてしまい嫌になるのに、どうしても気になって読んだ。自分には関係ないと思っている自分がいたが、これはやはり日本に生きる人が真面目に考えなければならない問題であると思う。 残忍な殺害が行われて、自分の親族がその被害者となったことがないからあくまで想像になってしまうが、その人が死刑になったからと言って自分の気持ちが晴れることもなければ、なんの解決にもならないと思う。 毎日後悔しないように生きていきたいと、生と死に対しても考える作品であった。

Posted byブクログ

2024/03/10

前半の具体的な死刑囚とのやりとりから中盤以降、老教誨師の苦悩に焦点が移る。アルコール依存症にまでなり、入院。死刑囚たちにそれを告白してから関係性が変わった云々。 終盤の重さ、真剣さ、真摯さは、浄土真宗の僧侶との長きに渡る対話がなせるものか。 良い本を読んだ。 今の所、堀川惠子のド...

前半の具体的な死刑囚とのやりとりから中盤以降、老教誨師の苦悩に焦点が移る。アルコール依存症にまでなり、入院。死刑囚たちにそれを告白してから関係性が変わった云々。 終盤の重さ、真剣さ、真摯さは、浄土真宗の僧侶との長きに渡る対話がなせるものか。 良い本を読んだ。 今の所、堀川惠子のドキュメンタリーに外れ無し。

Posted byブクログ

2023/10/11

50年もの間、死刑囚と対話を重ね、死刑執行に立ち会い続けた教誨師・渡邉普相。「自分が死んでから世に出す事」という約束のもと、語られた死刑の現場とその内実とは。 刑務所で服役中の囚人に対して、過ちを悔い改め徳性を養うための道を説く「教誨師」を長く務めた僧侶、渡邉普相さんの人生と...

50年もの間、死刑囚と対話を重ね、死刑執行に立ち会い続けた教誨師・渡邉普相。「自分が死んでから世に出す事」という約束のもと、語られた死刑の現場とその内実とは。 刑務所で服役中の囚人に対して、過ちを悔い改め徳性を養うための道を説く「教誨師」を長く務めた僧侶、渡邉普相さんの人生と告白を書いた本。 教誨師の目を通して書かれるのは、生死に対する無力感や人殺し(=死刑)の手伝いをしながら人を救う事に対しての苦悩。どんなに徳の高い宗教者やベテランの刑務官であったとしても、彼らもまた一人の人間であり、人の死に対して達観しきっているわけではないことを実感します。 恥ずかしながら、今まで死刑制度について、そこまで深く考えた事がありませんでした。それは、馬鹿みたいだけど、自分と周囲の善性について根拠のない自信があったからですが、そんな事を考えていたのが恥ずかしくなりました。死刑が執行されても、被害者も加害者も誰も幸せにしないと渡邉普相さんは語っていたそうです。そんなことになる前に、犯罪自体を減らす、犯罪者予備軍を減らす社会づくりを、今後は考えていかないといけないのかもしれません。 ただ”死刑囚”、”僧侶”、”被害者”、”被害者遺族”、”加害者家族”という名称だけでなく、そこに”個”を認識してしまうと、何の疑問も持っていなかった社会システムについての重みがぐんと増して、ましてや死刑囚個人と個々に向き合う事になる教誨師ともなればなおさらその苦しみはどれほどのものなのか。 言いたいことは色々あるのに言語化が難しくもどかしいですが、ただ、読んでよかったです。

Posted byブクログ

2023/06/21

50年に渡り死刑囚に教え諭し、死刑執行に立ち会い続けた教誨師への取材ルポ 教誨師 渡邉普相 「わしが死んでから世に出して下さいの」という約束のもとで語られた教誨の現場 教誨師は、死刑囚と対峙して対話を重ね、死刑執行に立ち会う宗教家 仏教系、キリスト系各宗派からボランティアで行...

50年に渡り死刑囚に教え諭し、死刑執行に立ち会い続けた教誨師への取材ルポ 教誨師 渡邉普相 「わしが死んでから世に出して下さいの」という約束のもとで語られた教誨の現場 教誨師は、死刑囚と対峙して対話を重ね、死刑執行に立ち会う宗教家 仏教系、キリスト系各宗派からボランティアで行われている 教誨を行うことと、どの宗派を選ぶかは死刑囚に委ねられている 教誨師は、面会の制限が厳しい死刑囚に会うことのできる数少ない一般人 本作は浄土真宗僧侶 渡邉普相への取材によって語られた内容が綴られている 浄土真宗といえば親鸞 そして、「歎異抄」であり「悪人正機」という説が本作で重要な意味を持つ 「善人なほもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」 渡邉普相は悪人正機をこう捉えていたようだ ----------------- 「自分は善人だと思い上がっているような偽善者が救われるというのならば、自分の内なる悪を自覚して苦しんでいる人間はなおのこと救われるのだ」 ----------------- 渡邉普相は広島で被爆した経験を持つ たまたま爆心地にせを向けていた、長袖の服を着ていた、帽子を被っていた等の偶然により大火傷を負いながらも死を免れた しかし、その経験は大勢の人を見殺しにして逃げたことへの悔悟を抱え、原爆症はがいつ再発するかという恐怖の怯える事となった 寺の子として生まれたが、継ぐ立場ではなかった幼少期 被爆の経験、 大学生の時には、身売りされて売春に身を落とした女の救済の思い そして、上京して出会った教誨師 篠田龍雄 渡邉普相は教誨師をこうも捉えている 真面目な人間に教誨師は出来ません 突き詰めて考えておったりしたら、自分自身がおかしゅうなります 「二度と外の社会に出て気分転換すらすることの叶わぬ死刑囚たちに、精神的な広がり(空間)を与えるよう努めるべきだ」という篠田隆雄 教誨師の役割とは何なのか? 死刑囚が社会から求められたものは更生ではなく、隔離され二度と社会に戻ることなく刑罰により死を迎える事 教え諭したところで社会的な意味はあるのだろうか? 教誨師として死刑囚と対峙することで、死刑囚の様々な面が見えてくる 発覚していない余罪についてはなすもの、文字を書けないくらいの生い立ちを語るもの、自らを捨てた母への恨みを吐き出すもの 裁判は淡々と進み、死刑が確定した後に教誨でわかる死刑囚の生い立ちや心境 渡邉普相は後に教誨は上段から教え諭すものではなく「聴く」事だと悟っている 聴く事で、死刑囚はどのような影響があるのだろうか? 死刑執行の現場 やっていることは「人殺し」であると断言している 法により死を与えることは、死刑が存在する限り誰かがやらなければいけない 死刑が執行されても、幸せになった人間は、誰ひとりもいない 加害者、被害者、被害者家族にしても その現場に宗教家を立ち会わせることが重要なのだという 本人が求めようが求めなかろうが、必ず教誨師を用意しなくてはならない 殺される本人のためだけではなく、殺す側の刑務官たちを含めて、人殺しの現場に宗教家がいる事に意味があり救いがある 教誨を繰り返した上での執行、宗教家が見届けることで心の救いになるという 宗教家が立ち会わなければ、それこそ本当の「人殺し」だとも この考えを聞くと教誨師という存在意義も理解できる 私は、教誨の目的とは? 救われる必要はあるのか? という疑問を持っていた 自分のやった行いに向き合わせる意味で教誨が存在するのならばともかく 死刑囚を救うという目的は必要なのだろうか? 犯人が悔い改めたところで被害者家族の感情に影響はあるのだろうか 生きることを否定された人間の精神的に救済する必要はあるのか? 悔い改めたとしても、その先にあるのは死のみ そんな矛盾を感じていた 死刑の是非は色々あるだろうけど 死刑執行の方法や、それを行う人へのフォローは確実に必要であると終える

Posted byブクログ

2023/04/17

教誨とは、受刑者が改善更生し、社会に復帰することを支援する仕事。しかし、本書が扱うのは「死刑」の教誨。これは大変な仕事と思います。 未来のある懲役囚ならまだしも、死刑囚に神仏の教えを諭したり、人生に絶望しきっているような人間の心を救うことが果たしてできるのか。本書は50年のあいだ...

教誨とは、受刑者が改善更生し、社会に復帰することを支援する仕事。しかし、本書が扱うのは「死刑」の教誨。これは大変な仕事と思います。 未来のある懲役囚ならまだしも、死刑囚に神仏の教えを諭したり、人生に絶望しきっているような人間の心を救うことが果たしてできるのか。本書は50年のあいだ、死刑囚と対話を重ね、死刑執行に立ち合い続けた教誨師・渡辺普相の生涯を描くノンフィクション小説です。 本書は死刑囚の人となり、死刑囚の日々の苦しみと孤独感、後悔や怒り、死刑囚との対話や交流における悩み、そして執行の際に見せる死刑囚の言動を詳細に描きます。教誨という仕事により、渡辺は悩み、アルコールの力を借りるようになります。 この本は死刑廃止論や存続論には全く触れていません。それでも、現在の死刑囚の処遇については疑問を抱くようになりました。また、渡辺の「本人が執行されても、幸せになった人間は、誰ひとりいません」ということばは重いです。 教誨師という仕事の苛酷さ、日本の死刑制度をある程度理解するには格好の本。一気に読みました。

Posted byブクログ

2023/02/12

読みやすく、面白かった。 死刑囚との対話を通して、死刑囚の人となりが理解できる一方で、彼らは死にゆく運命にある。死刑の描写も生々しく、辛いものがある。 死刑は残虐であるという認識はあったが、それは死刑囚に対してだけではなく、死刑に関わる人々にとっても残虐である。国家は、権力...

読みやすく、面白かった。 死刑囚との対話を通して、死刑囚の人となりが理解できる一方で、彼らは死にゆく運命にある。死刑の描写も生々しく、辛いものがある。 死刑は残虐であるという認識はあったが、それは死刑囚に対してだけではなく、死刑に関わる人々にとっても残虐である。国家は、権力によって人を殺すだけではなく、殺す人を作り出す。望んでなくとも、仕事として、人を殺さなくてはならない。死にゆく人を見届けなくてはならない。私自身に見えていなかった観点かもしれない。 しかし、この本の中では、死刑囚の心情に近づくが、被害者の心情に近付くことはできない。死刑が残虐なのは分かったが、被害者にとって、その償いとなるのはどんな刑罰か。

Posted byブクログ

2023/02/02

 昨年末に柚月裕子さんの『教誨』を読んで教誨師の仕事に関心をもち、本書を手にしました。  読後、「よくぞ本書を世に送り出してくださった!」と、著者の堀川惠子さんには敬意を表する以外にありません。  全く知らない異世界事実の重さに、圧倒されました。50年間にわたり、死刑囚と対話し刑...

 昨年末に柚月裕子さんの『教誨』を読んで教誨師の仕事に関心をもち、本書を手にしました。  読後、「よくぞ本書を世に送り出してくださった!」と、著者の堀川惠子さんには敬意を表する以外にありません。  全く知らない異世界事実の重さに、圧倒されました。50年間にわたり、死刑囚と対話し刑の執行に立ち会った教誨師・渡邉普相。本書に記されているのは、ひとりの僧侶の目に映った「生と死」、そして「教誨師としての苦悩」の告白です。  法治国家日本の「死刑制度」への疑問は、本書を読むほどに増します(個人的に死刑反対論者を公言するものではありません)。被害者遺族の心情も大切ですが、死刑廃止により凶悪犯罪の抑止力が落ち、増加の懸念が‥などあるでしょうか?  この問題には、死刑判決を下す司法、刑を執行する行政いずれにも高いハードルがありそうです。  そもそも、人は人を裁けるのか、人が人に死刑を執行できるのか、更には人は人を救えるのか‥。これらは、当事者でない圧倒的多数の私たちにとっては、全くの他人事です。だからこそ、本書の価値が高く、多くの方々が読むべき必読書だと思います。  ちなみにネット情報によると、世界的には死刑の廃止が進んでおり、(2021年現在)死刑廃止は108カ国(196カ国中)。10年以上執行がない事実上の廃止を加えると144カ国とのこと。ただ、死刑存続国は、先進38カ国加盟のOECDの中では日本のみ(※米国は50州中23州が廃止)だそうです。  死刑制度の是非についての議論が進むことを願って止みません。

Posted byブクログ

2022/11/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

教誨師という言葉、仕事を知らなかった。 死刑執行のとき、僧侶が立ち会うことは知識と知っていたが、これほどのことだとは。 P98 一方で、教誨師の存在が批判されるたびに持ち出される実話。 「自分は冤罪だからと再審を請求しようとする収容者に対しても『これは前世の因縁で、たとえ無実の罪であっても先祖の悪業の因縁で、無実の罪で苦しむことになっている。その因縁を甘んじて受け入れることが、仏の意図に沿うことになる』と再審の請求を思いとどまらせるような説教をする僧侶がいる。こんな世の因果をふりかざして、再審請求を妨げる僧侶が少なくない」 冤罪が確定して釈放された免田栄獄中記の中の文章。 P188 つまり教誨面接では、二度と外の社会に出て気分転換さえ叶わぬ死刑囚たちに、精神的な広がり(空間)を与えるように務めるべきだという。 半世紀もの間、死刑囚と対話を重ね、死刑執行に立ち会い続けた教誨師・渡邉普相。 「わしが死んでから世に出して下さいの」という約束のもと、初めて世間に知らされた死刑制度の現実。 その矛盾と苦しみを一身に背負って生きた僧侶の人生を通して、死刑の内実を描いた作品。 死刑囚に向き合う、ただ一人の民間人である教誨師は、その職務上、他言厳禁。 だからこそ知らなければいけないのに知られていない。 ご苦労が、悩みが多いと思う。 いつか分からない執行の日まで、死刑囚の精神的安定と自殺防止などの大変さが、教誨日誌で垣間見ることができる。 この本を読み、死刑反対、死刑囚に対しての同情が出てくる。その同情してしまう死刑囚の最後を見守る宗教者とは、なんと気持ち的に負担のある仕事であろうか。 スイスにある安楽死をできる施設のように点滴を入れてスイッチを自分で押す、もしくは医者が押す、そのような形に変えていくことはできないのだろうか。 今の形式では、まず見た目にも悲惨さがうかがえる。 渡邉が初めて恩師の篠田龍雄と執行に立ち会った日のこと。 何度も面会を重ね、仏教の教えを学び、写経や読経をし被害者の命日を弔ってきた死刑囚がついに 執行されることとなる。 刑場に立たされた死刑囚が直前になって、上半身をよじり「先生!私に引導を渡してください!」 と篠田に乞う。 浄土真宗に「引導」などない。 しかし篠田は迷いもせず、それを引き受ける。 「よぉっし!!行きますぞ!!死ぬるんじゃないぞ!生まれ変わるのだぞ!」 「喝ーーー!!!」 死刑囚の表情から恐怖が消え、「生まれ変わるんですね」と救われた表情を見せる。 「あんたが先に行くけど、わしもあとから行きますぞ!」 今世では死刑囚だったが、次に生まれ変わるときには、必ず人様のお役に立てる人間に と願っていたのか・・・。 渡邉も何度も壁にぶつかり、お堂にひっくり返って 「阿弥陀様、わっしは、また(死刑囚に)可哀想なことをしましたぜ・・・」と涙している。 後半、渡邉は自分がアル中であることを告白する。その事実は思いの外、死刑囚たちに受け入れられた。 人は神ではない。 好きで飲んでいる、とは言っているものの、それでなければやっていられないのだろう。 どんな形であれ、人が人の命を奪う(やらされる)ことに深く考えさせられる。 これは、ぜひ多くの人に読んでほしい。

Posted byブクログ