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教誨師 講談社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2018/04/13 |
JAN | 9784062938679 |
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商品レビュー
4.5
59件のお客様レビュー
死刑囚に向き合う教誨師という仕事。先輩教誨師篠田龍雄の後任として28歳で、教誨師の道を歩み始めた浄土真宗の僧侶渡邊普相氏の日誌とインタビューをまとめた(と一言で済ますのは気が引ける内容だが)ものである。大変な仕事だというのは、相手が死刑囚だということだけでも、想像して余りある。自...
死刑囚に向き合う教誨師という仕事。先輩教誨師篠田龍雄の後任として28歳で、教誨師の道を歩み始めた浄土真宗の僧侶渡邊普相氏の日誌とインタビューをまとめた(と一言で済ますのは気が引ける内容だが)ものである。大変な仕事だというのは、相手が死刑囚だということだけでも、想像して余りある。自分が死んだ後に発表してくれ、という固い約束。ほとんど誰も口にしなかった、死刑の現場、言いたくないこと、思い出したくないこと、苦しくてたまらないことまで、吐露してくれた渡邊氏に心から敬意を表したい。そして、それを勇気を持って綴った、作者堀川恵子氏にも感謝だ。 まず、思うことは、死刑の現実について、隠されすぎだということ。関係者の口は硬く、守秘義務ということもあり、闇の中に沈めるしかなかったが、やはり、国の名で、法律の名で、人殺しを(あえて渡邊氏と同じ表現を使うが)している以上、もっと公にすべきではないのか?簡単に「死刑にすればいい」というが、そこに至るまでに、何があるのか?死刑を前にした受刑者、死刑を執行する刑務官たち、立ち会う宗教者たち等に、どれほどの負担を強いているのか、国民は知るべきだと私は思う。それを知らずに死刑存続も廃止も語れないのではないか?と思う。向き合うのはつらい。だから隠す、のでは、死を穢れとして隠した、平安時代と変わらないとさえ思う。 登場する死刑囚一人一人、当然、生まれも育ちも違う。が、登場するほとんどが、親に捨てられたり、不遇な幼少時代を過ごしているものが多い。 事件は社会を映す。歯車がどこかで噛み合っていれば、殺人などという手段を取らずに済んだ人も多いのではないか?という気持ちも拭えなかった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
死刑について考えるときに、加害者と被害者にばかり目がいきがちだけど、死刑を執行する人がいる、ということにも目を向けなくてはいけないな、と気付かされた。 以前ツイッターで安楽死の議論があるが殺すことを医者に丸投げしていることに誰も気づいていない。自分は立場的にもし安楽死が可能になったら殺す立場になるだろうけど心底嫌だ、みたいな意見を見かけて、それを思い出した。 あと、加害者は心情的に自分を被害者だと思っていて(生い立ちの不幸などから)それを取り除かないと自分が殺した人への謝罪や反省の気持ちなんて持ち得ない的な事を渡邉さんが言われていて、なるほどと思った。確かにそうかも。 でもそれがいかに困難なのかも読んでわかった。 とにかく実際に現場に立って活動している人の言葉は重たいなと思った。 渡邉さんもすごいけど、師匠の篠田龍雄さんもすごかった。
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常々疑問に思っていた死刑という制度について、改めて考える作品であった。 死刑についての話を考えると、気分が落ちてしまい嫌になるのに、どうしても気になって読んだ。自分には関係ないと思っている自分がいたが、これはやはり日本に生きる人が真面目に考えなければならない問題であると思う。 残...
常々疑問に思っていた死刑という制度について、改めて考える作品であった。 死刑についての話を考えると、気分が落ちてしまい嫌になるのに、どうしても気になって読んだ。自分には関係ないと思っている自分がいたが、これはやはり日本に生きる人が真面目に考えなければならない問題であると思う。 残忍な殺害が行われて、自分の親族がその被害者となったことがないからあくまで想像になってしまうが、その人が死刑になったからと言って自分の気持ちが晴れることもなければ、なんの解決にもならないと思う。 毎日後悔しないように生きていきたいと、生と死に対しても考える作品であった。
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