ひと の商品レビュー
小野寺さんの作品は「タクジョ」に続いて2冊目。前回はタクシーで今回は惣菜屋さん。お仕事小説が得意なようだ。 本作品は両親が亡くなり、大学を中退してアルバイトとして惣菜屋に就職すると言う悲惨な状況ながら、それを全く感じさせない。タクジョと同様に主人公が素直で淡々と日常を送っているせ...
小野寺さんの作品は「タクジョ」に続いて2冊目。前回はタクシーで今回は惣菜屋さん。お仕事小説が得意なようだ。 本作品は両親が亡くなり、大学を中退してアルバイトとして惣菜屋に就職すると言う悲惨な状況ながら、それを全く感じさせない。タクジョと同様に主人公が素直で淡々と日常を送っているせいなのか、深刻にならずに読み進めることが出来る。 彼女らしきものも現れ、仕事の方も何とか先の展望が見えて来たところで終わっているので、将来の明るさも感じられて、読んだ後に心が温まって来る。
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両親を相次いで亡くして、大学も辞めざるを得なくなった青年。 新しいバイト先で出会った人、学生の頃の友人、両親の知人など、いろいろな人に支えられて、前に進んでいく。 積極的に支えてくれる人、さりげなく支えてくれる人…。独りぼっちに思えても、実はたくさんの人たちとのつながりの中で生き...
両親を相次いで亡くして、大学も辞めざるを得なくなった青年。 新しいバイト先で出会った人、学生の頃の友人、両親の知人など、いろいろな人に支えられて、前に進んでいく。 積極的に支えてくれる人、さりげなく支えてくれる人…。独りぼっちに思えても、実はたくさんの人たちとのつながりの中で生きている、と実感できるストーリーでした。 ラストで大きな決断をした主人公。その後どうなったかな。彼の思いが叶っていますように…
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初めて読んだ作家さん。 読みやすく、すぐに主人公柏木聖輔の気持ちに入り込めた。 人を頼っていい。 余裕がない時に他人に優しくするのはすごい。 周りには良い人ばかりではないが、悪い人ばかりでもない。 世の中捨てたもんじゃないと未来のために真面目にがんばろうと思わせてくれる一冊...
初めて読んだ作家さん。 読みやすく、すぐに主人公柏木聖輔の気持ちに入り込めた。 人を頼っていい。 余裕がない時に他人に優しくするのはすごい。 周りには良い人ばかりではないが、悪い人ばかりでもない。 世の中捨てたもんじゃないと未来のために真面目にがんばろうと思わせてくれる一冊。 またこの作家さんの本を読みたいと思った。
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改めて小野寺さん、好き。 両親とも亡くなって急に1人とか可哀想過ぎるとか思うけど、つい最近友達のお母さんが急に亡くなった話を聞いたばかりだったから、悲しいけれどそういうことは起こり得ることなんだと実感してる。 聖輔の周りにいる素敵な人たちも実際に沢山いると思いたい。 「おれ...
改めて小野寺さん、好き。 両親とも亡くなって急に1人とか可哀想過ぎるとか思うけど、つい最近友達のお母さんが急に亡くなった話を聞いたばかりだったから、悲しいけれどそういうことは起こり得ることなんだと実感してる。 聖輔の周りにいる素敵な人たちも実際に沢山いると思いたい。 「おれたちには頼れ」この一言が堪らない。
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読んでよかった! ひとって、いい人もいるし悪い人もいるし、いろいろなんだけど、この人に出会えてよかったっていう人に会えることが、人生の価値なんじゃないかな、って思った。自分も、出会えてよかったって思ってもらえるような人間でありたいな、って聖輔を見てたら思った。聖輔の周りの人、ホントにステキな人が多くて、心があったかくなった。でもそれって、聖輔が人としてステキな人だからなんだろうなぁ。 そして最後の聖輔、かっこよくてキュンとした^_^
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サクサクと読めた。おもしろかった。自分の学生時代を懐かしいと思い出し、そして、もう少しやりようはあっただろうと少し反省も。生きることは色々とある、良いも悪いもごちゃ混ぜで。何がどうなるかはわからないけど、その時その時に選択するのは自分。人を大切に、当たり前のことかもだけど、普段ど...
サクサクと読めた。おもしろかった。自分の学生時代を懐かしいと思い出し、そして、もう少しやりようはあっただろうと少し反省も。生きることは色々とある、良いも悪いもごちゃ混ぜで。何がどうなるかはわからないけど、その時その時に選択するのは自分。人を大切に、当たり前のことかもだけど、普段どれぐらいそれができているのか。町のお惣菜屋のコロッケを食べたくなった。あたたかな気持ちになれた。
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2019年の本屋大賞2位の作品。 人は、ひとりじゃない。 人と人との繋がりを、改めて確認させてくれるような、そんなヒューマンストーリーでした。 店を開くも失敗、交通事故死した調理師だった父。 女手ひとつ、学食で働きながら東京の私大に進ませてくれた母。 ――その母が急死した。柏木聖輔は二十歳の秋、たった一人になった。 全財産は百五十万円、奨学金を返せる自信はなく、大学は中退。 仕事を探さなければと思いつつ、動き出せない日々が続いた。 そんなある日、空腹に負けて吸い寄せられた商店街の惣菜屋で、買おうとしていた最後のコロッケを見知らぬお婆さんに譲った。 それが運命を変えるとも知らずに……。
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ラストの一行で…どん!と衝撃… 泣けた。 初めから最後までずっと、聖輔と一緒に砂町銀座商店街にいた気がする。 なんで自分ばかり、なんで?なんで?と自暴自棄になりそうなのに、この淡々と真摯に生きる姿勢はなんだろう。 今の私の心情には奥底まで聖輔が染み渡った。 結局「ひと」なんだな...
ラストの一行で…どん!と衝撃… 泣けた。 初めから最後までずっと、聖輔と一緒に砂町銀座商店街にいた気がする。 なんで自分ばかり、なんで?なんで?と自暴自棄になりそうなのに、この淡々と真摯に生きる姿勢はなんだろう。 今の私の心情には奥底まで聖輔が染み渡った。 結局「ひと」なんだな。 良かった。読んで良かった。
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悲しいことはもうすべて起きてしまった。 主人公は20歳。 けれど孤独。 故に何も頓着しない。 大切なものさえ、ひとつずつ手放していく。 まるで生前整理のように。 それが彼の悲しみの形なのだと感じました。 そんな彼が様々な人との出会いの中で、少しずつ空っぽの心を満たしていく。...
悲しいことはもうすべて起きてしまった。 主人公は20歳。 けれど孤独。 故に何も頓着しない。 大切なものさえ、ひとつずつ手放していく。 まるで生前整理のように。 それが彼の悲しみの形なのだと感じました。 そんな彼が様々な人との出会いの中で、少しずつ空っぽの心を満たしていく。 自分は1人ではないのだと気付かされていく。 最後、前を向いて走って、強い意思で譲りたくないと言っている姿に安堵しました。 ようやく20代男子の姿が見えました。 だって、僕は生きている。 幸せになってほしいです。
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【作品紹介】にある、「激しく胸を打つ」ような作品ではない。落ち着いていて、どちらかというと「じんわりと」という表現が合うような作品だと感じた。 良いことと悪いことが、皆平等に、同じくらい起きる人生だったらいいのに。
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