エンジニアリング組織論への招待 の商品レビュー
より良いアーキテクチャで品質の高いコードを書くには、人々の思考・組織・ビジネスの構造こそリファクタリングすべし。問題の根源は不確実性。メンタリングで自立したメンバーを育て、アジャイルな状態のチームをつくり、マネジメントで不確実性を最も効率よく削減せよ。 研究者の実験や分析より、...
より良いアーキテクチャで品質の高いコードを書くには、人々の思考・組織・ビジネスの構造こそリファクタリングすべし。問題の根源は不確実性。メンタリングで自立したメンバーを育て、アジャイルな状態のチームをつくり、マネジメントで不確実性を最も効率よく削減せよ。 研究者の実験や分析より、現場の経験の方が勝るはず。論理化・言語化できれば。そんな人材がいた組織だから成長したんだ。
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しっくりきました。めちゃくちゃ参考になりました。 本のタイトルに「組織論」とありますが、実際には「ソフトウェア開発における不確実性がもたらす問題と、その対処方法」について書かれた本だと思います。「組織論」としてまとめられているのは、デマルコの「ソフトウェア開発における問題のほと...
しっくりきました。めちゃくちゃ参考になりました。 本のタイトルに「組織論」とありますが、実際には「ソフトウェア開発における不確実性がもたらす問題と、その対処方法」について書かれた本だと思います。「組織論」としてまとめられているのは、デマルコの「ソフトウェア開発における問題のほとんどは技術的なものではなく社会学的なものである」という考えや、コンウェイの法則という「ソフトウェアは開発する組織の状態に依存する」という考えがベースになっているからのようです。つまり、良い組織であればソフトウェア開発もうまくいくし、組織に何らかの問題があればプロダクトにもひずみが出る、ってことです。プロマネ(プロジェクトマネジメント、プロダクトマネジメント)やアジャイル開発、チームビルディングに興味がある人には、きっと役立ちます。 メンタリングやアジャイルなど、書いてある視点が多様すぎて、一見何について書かれた本か理解しにくいかもしれません。また、この本では、章ごとに、個人→ペア→チーム→組織の順で、不確実性による問題点が書かれているのですが、この、組織論でありながら個人や一対一のペアの話から組み立てられた章立てが、少しとっつきにくくしているところがあると思います。ただ、チームや組織の問題を理解するため必要な流れになっていて、最後まで読むことで、すっきりと全体を理解できると思います。(ですので飛ばさずに順を追って読むことをおすすめします) 簡単に要約です。 ソフトウェア開発における不確実性とは、なんのことでしょうか?不確実性は大別すると「未来のことがわからない」と「他人のことがわからない」の2つに分けられます。そして不確実性は、情報を生み出すことで潰すことができます。 前者の未来に対しては、経験主義・仮説主導をベースに行動から情報を得ていくことが必要とされます。論理的思考には盲点がありそれだけでは足りたないとされます。またシステム思考で全体を俯瞰し、問題を正しく認識しないといけません。 後者の他人に対してはコミュニケーションを取ることが求められます。ただそこには、情報の非対称性と、それによる限定合理性が働くため、簡単にはうまく行きません。 ・・・と、ここまでが第一章の内容で、個人の思考を変える必要性が説かれています。そしてこの考えがベースとなり、他者へのメンタリング、アジャイル、組織論へと段々と領域を広げて話が展開していきます。 エンジニアに限らず他職種の人にも役立つと思います。興味持たれた方はぜひ。
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# 書評☆2 エンジニアリング組織論への招待 | 不確実性の取扱には確かな裏付けのある方法で対応すべきだろう ## 概要 [ITエンジニア本大賞2019](https://www.shoeisha.co.jp/campaign/award/2019/result/)の技術書部門...
# 書評☆2 エンジニアリング組織論への招待 | 不確実性の取扱には確かな裏付けのある方法で対応すべきだろう ## 概要 [ITエンジニア本大賞2019](https://www.shoeisha.co.jp/campaign/award/2019/result/)の技術書部門の大賞に選ばれていることに興味を持って読んだ。 ちなみに,ビジネス書部門の大賞の「[イシューからはじめよ](https://senooken.jp/blog/2019/04/02/)」も読破し,書評を付けている。 エンジニアリングを使った製品開発をしている企業の組織論が述べられている。IT企業を念頭に置かれているように感じたが,抽象度が高かったので,一般企業にも通用する部分は多かった。 表紙にもあるように,組織での失敗は,不確実性の取扱にあるとして,思考方法,コミュニケーション,マネジメントについて考察されていた。 ただし,自分にとっては*あまり有用ではなかった*。理由は,大部分が著者の考えだけに依るものだからだ。一部,申し訳程度にデータの引用や他書の引用はある。しかし,本書の大部分はあくまで著者の考えに過ぎない。学術的な理論や根拠に基づいているものではない。そういう意味で,あまり信頼できないと思った。 また,内容がけっこう抽象的で,一般社員が活用できるような内容ではなかった。せいぜいリーダークラスが最後のマネジメントの部分を参考にできるかもしれないという感じだった。 特に,コミュニケーションの部分に関しては,本書よりも「[人を助けるとはどういうことか](https://senooken.jp/blog/2019/02/25/)」を読んだほうが効果的だと感じた。 不確実性の取扱が重要とあるのだから,対処方法も**著者の考えだけでなく,裏付けのあるより確実性の高い方法で対処すべきだろう**。 ## 結論 書籍のレイアウトはきれいに組版されており,内容にしては比較的読みやすかった。ただし,その肝心の内容が,いかにもコンサルタントや意識高い系の人間が好きそうな小難しくて,一見もっともらしそうなことがだらだらと書き連ねられている。 これらの内容に,学術的な根拠や裏付けがあるならばまだよかった。しかし実際はあくまで著者の考えに過ぎない。著者を信頼できるならば,意味はあるかもしれないが,そうでなければあまり有用ではないと感じた。 ネット上で*過大評価*されていると感じた。どこぞのよくわからん人間に新しく書かれたそれらしい意見よりも,多少古くてもしかるべき人間に書かれた信頼できる情報を当たったほうがよいと感じた。 パーマリンク: https://senooken.jp/blog/2019/05/01/
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不確実性にどう対処していくかの問題が、様々な視点から語られている。エンジニアじゃない人が読んだほうが良い気がしている。各々のトピックが発散していて少々まとまりに欠けるが、それもまた面白い。
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何度か読み返さないと知識を行動に変換するに至らない気がする ただ、内容はめちゃくちゃ良書なので、ちゃんと物理本で読めば良かった
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
開発組織特有の組織論かと思いきや、「組織論」をエンジニア目線で解いて(説いて)みました、という感じの技術者もスッと理解しやすい組織論のお話。 それでいて、昨今のキーワード(心理的安全性・システム思考など)を網羅しながら、個人・1on1・チーム・組織という複数レイヤーの課題に章立てでフォーカスしてくれるという離れ業を成している愛すべき良書。 一つで一冊本が出版されているぐらいのキーワードがわんさか出てくるので、それぞれが概要説明にとどまっている部分は、読者によって評価が分かれるだと思う。が、わからないところは調べながら読める私はむしろ推す!! 本文は下記の内容から始まる。 ・エンジニアリングとは「不確実性を効率よく削減していくこと」であり、「不確実性を減少させる知識」のことを「情報」と定義できる。 もうここで、新しい視点で仕事を見直せるかも、というワクワク感がある(笑 ・・・不確実性を製品開発で考えてみると、企画という初期段階では企画書は曖昧さが多く残るが、開発過程で情報(市場調査結果・仕様書・設計書・試験結果・分析結果)を生成することで、最終的なアウトプットである設計情報(図面)では不確実性がかなり低くなって創作される。って感じ。 本書では不確実性に対する様々なアプローチ方法が載っているが、共通していると感じたのは、多くのケースで問題は表面的な点(モノ、コト、ヒト)として認識されるが、本質の原因は線(人の関係性、プロセス、システム)を把握しないと見えてこない、という点。線を把握し上で、レバレッジが効くところにアプローチしないとモグラ叩きを永遠とやり続けることになる、と思った。 また、セクショナリズムがただの縄張り争いではなく、情報の非対称性と限定合理性によって暴かれるところはすごく納得した。ここでもシステム思考によって局所最適同士の対立が解決するとされている。 一方で、現実的な問題として現場の人間に「全体把握せーよ」は限界があると思う。なので、自分の手から離れた先も学習視野の範囲でフィードバック機構を働かせることが肝要だと思う。
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不確実性は時間的不確実性と通信不確実性の2種類 この本は身の回りから会社全体まで規模を少しずつ大きくしながら不確実性とどのように向き合っていくかを説明していく
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エンジニアリングという分類の組織で、ものを作り上げるにはどういった体制が必要か。その論理を書かれています。関係の無い世界にいる人間には分かりにくい、エンジニアリングという世界。その分かりにくさからくるコミュニケーションの問題やクライアントとの関係の解決をどのように行ってくるかとい...
エンジニアリングという分類の組織で、ものを作り上げるにはどういった体制が必要か。その論理を書かれています。関係の無い世界にいる人間には分かりにくい、エンジニアリングという世界。その分かりにくさからくるコミュニケーションの問題やクライアントとの関係の解決をどのように行ってくるかという方法論は、実は全ての仕事にも当てはまるものです。 一回で終わってしまうプロジェクトではなく、製品は生き延びて利益を出し続けないといけません。完結しないゆえに不確実性を内包するプロダクトに対する考え方。不確実性に対応する組織の考え方。そのためのコミュニケーションの具体的な取り方。それらを包括する、一本通った組織の意識共有をどのように行うかなど、今日の組織の在り方に勉強になるものがありました。
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プロジェクトマネージャ、プロダクトマネージャ必読の本! エンジニアリングは不確実性を減らすこと。そして、そのために必要な事を心理学や社会学的な視点から解説しています。 技術的観点よりもマネジメント観点からの、経営、組織論です。 って表題がエンジニアリング組織論ですもんね(笑) ...
プロジェクトマネージャ、プロダクトマネージャ必読の本! エンジニアリングは不確実性を減らすこと。そして、そのために必要な事を心理学や社会学的な視点から解説しています。 技術的観点よりもマネジメント観点からの、経営、組織論です。 って表題がエンジニアリング組織論ですもんね(笑) 思考方法、メンタリング、アジャイル、技術的負債、組織設計、アーキテクチャなど、マネジメント視点で不確実性を減らすために必要なことが語られています。 自律的な人材、自律的なチーム、組織を作り上げるヒントが満載です。 ソフトウエアをマネジメントする人や組織を管理する人が読んできたであろう複数の本の内容がこの一冊にコンパクトにまとまっています。 しかし、残念ながら、文章構成がイマイチで、全体的にまとまりがありません。(というかストーリが感じられません) なので、最終章は尻切れで終わってしまった感じです。 まとめとか、ないの? そんなわけで、★ひとつマイナスですが、良書であるのは間違いなし。 何度も読み返すべき本だと思います。 お勧め!!
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エンジニアマネージャーを目指す人は是非読むべき一冊だと思いました。ものを作り始める時にどれだけ最初の不確実なことをなくせるかが、進捗に遅れを出さずにプロジェクトをうまく回せるということが一番ひびきました。 ついやりやすいタスクから手をつけてしまいがちですが、なるべく難易度が高いよ...
エンジニアマネージャーを目指す人は是非読むべき一冊だと思いました。ものを作り始める時にどれだけ最初の不確実なことをなくせるかが、進捗に遅れを出さずにプロジェクトをうまく回せるということが一番ひびきました。 ついやりやすいタスクから手をつけてしまいがちですが、なるべく難易度が高いようなタスクから手をつけようという考え方に変わりました。 また人と人との関係の重要性をうたっており、まさにその通りだとしみじみ感じました。
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