長いお別れ の商品レビュー
認知症が発症してから家族に迫られる介護の日々の十年。だんだん会話がままならなくなる、わがままを言い始めるリアルな生活なのだが何故かそんなに重く感じない。世話をする曜子さんがそれに無理してないように感じるからなのだろうか。愛情とか飛んで憎しみが募ってきそうなのに。実際はかなり大変な...
認知症が発症してから家族に迫られる介護の日々の十年。だんだん会話がままならなくなる、わがままを言い始めるリアルな生活なのだが何故かそんなに重く感じない。世話をする曜子さんがそれに無理してないように感じるからなのだろうか。愛情とか飛んで憎しみが募ってきそうなのに。実際はかなり大変なのも想像できるのだが、何故かこのままこの生活をみていたくなる。 そうくりまるなよ。語彙もなくなってきて日本語にもならなくなっても、何故か娘と会話が通じているようで何かを超えた愛なのかと思わされる。 あっさりと十年が終わってしまった時も、リアルにこんな感じなのかも。 娘達とほぼ同年代の自分にとっても近い未来に訪れるのかと身に迫られた作品だった。
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曜子さんが明るいので、重い内容なのに読みやすかった。 在宅介護、ここまでメンタル保ちながらうまくやれるものかな?介護する側が参ってしまいそうだけど。 網膜剥離の手術後、何とか早く治そうと医師の言葉通りうつ伏せを頑張る曜子さん、めちゃくちゃ可愛らしかった。一緒に退院できてよかった...
曜子さんが明るいので、重い内容なのに読みやすかった。 在宅介護、ここまでメンタル保ちながらうまくやれるものかな?介護する側が参ってしまいそうだけど。 網膜剥離の手術後、何とか早く治そうと医師の言葉通りうつ伏せを頑張る曜子さん、めちゃくちゃ可愛らしかった。一緒に退院できてよかったね。 ラストシーンも良かった。 「長いお別れ」って、良い表現だな。
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2024.8.27 認知症の父を持つ3人の娘とその妻のお話。 人間は何もできない状態から始まって、何もできなくなって終わってしまうんだなと思った。 介護している周りの家族も辛いけど、1番辛いのはきっと本人なんだろうなぁと思うと苦しい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
認知症だと診断された中学の校長だった東昇平を中心に彼の妻や3人の娘たち、そしてその旦那や孫たちが織りなす物語。 どんどん実社会がわからなくなっていく昇平を中心に暖かな話がぽんぽんと続いていきテンポよく読める作品であった。 最初の話は家がわからなくなり徘徊するようになってしまうところから始まり、どんどん物語が進むにつれて、症状が進んでいく。物語の進み方もいきなり年が飛んだりするが、それもまた自然に読めてしまう作品だった。
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同じような年代の両親を抱える身としてはホラー。この本のケースは暴力とかがないからまだマシで、それでも各家庭で納められる問題か、これからに向けていつまでも目を背けられる訳じゃないことを認識させられる。 女性らしい文章でした。
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これは今年1番読んでよかった小説になりそうです。(6月時点)そのくらい、素晴らしかった。 介護士をしておりますが、認知症の方の変わりゆく様子や発言などがすごくリアルでした。ご本人を取り巻く家族や周囲の人々の感情も、やはり当事者(中島さん)の方ならではのリアルな表現で惹き込まれまし...
これは今年1番読んでよかった小説になりそうです。(6月時点)そのくらい、素晴らしかった。 介護士をしておりますが、認知症の方の変わりゆく様子や発言などがすごくリアルでした。ご本人を取り巻く家族や周囲の人々の感情も、やはり当事者(中島さん)の方ならではのリアルな表現で惹き込まれました。 最後も、とても良かったです。 認知症の方が周りにいる方だけでなく、認知症とはどういうものか知るための1冊としてもとても良い本だと思いました。 介護福祉士で良かったと、そう思える本でした。
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「ロンググッドバイ」 すぐ「帰りたい」と言う校長先生だった父、一生懸命介護する母、なんだかんだと優しい娘達。 身につまされる。 今、これから先の日本の現状。 コミカルながら、問題定義された話 帰りたい。。時はいっぱいある
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老老介護の問題が赤裸々に描かれています。自分がアルツハイマーになったら、どうなってしまうのか?を考えさせられた。それにしても、昇平さんはいい奥様をもって羨ましい!
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中島京子さんの作品を読んだのは、本書『長いお別れ』が初めてです。 いつも立ち寄る本屋さんの文庫コーナーで、たくさんの本が平積みされていましたが、圧倒的に私の目を惹いたのが本書でした。 どこに目が留まったのか? それは、「心ここにあらずといった表情で、椅子に腰かけている年配の男性...
中島京子さんの作品を読んだのは、本書『長いお別れ』が初めてです。 いつも立ち寄る本屋さんの文庫コーナーで、たくさんの本が平積みされていましたが、圧倒的に私の目を惹いたのが本書でした。 どこに目が留まったのか? それは、「心ここにあらずといった表情で、椅子に腰かけている年配の男性」が描かれている表紙と、『長いお別れ』というタイトルでした。 帯には、次の文面が書かれています。 認知症の父と 妻、娘たちが過ごした お別れまでの切なくて あたたかい日々 なるほど、表紙の男性は認知症を患っているのだなと分かりました。 次に、裏面のあらすじには、 妻と3人の娘を予測不能なアクシデントに巻き込みながら、病気は少しずつ進行していく。あたたかくて切ない、家族の物語。 とあり、そのまま手に持ってレジに向かいました。 先ず、このような小説を読むと「家族の絆」を改めて感じさせてくれるのですが、それと並行して、家族(本書では妻と3人の娘たち)それぞれの生活の中での介護という(綺麗ごとではない、お金、時間、肉体的・精神的な負担)現実を、どのようなバランスで両立させることが最良なのか?人生の幸せとは?家族とは? をいつも考えさせられます。(答えは出ません) 次に、本書で最も印象的だったのは、夫への妻の愛情と献身(嫉妬すら感じるほど)です。 自分よりも(失明寸前になろうとも)何よりも、夫の身が最優先であり、夫を理解し、夫を本当の意味で助けられるのは自分しかいない(介護に当たっては娘にも闘争心を燃やしまうほど)という姿には、心を打たれました。(男性側の勝手な想いかもしれませんが) また、解説にも書いてありましたが、夫(父)の死をリアルには描写せず、海外に住む中学生の孫と、その中学の校長先生との面談の場面で締めくくるラストにはとても感銘を受けました。 亡くなった夫(父、祖父)が、中学校の校長先生を務めていたことと、単なる偶然では勿論ありませんね。 ラストの場面で、事実を聞いた校長先生が 「『長いお別れ』と呼ぶんだよ、その病気をね。 少しずつ記憶を失くして、ゆっくり遠ざかって行くから」 と孫に言うのですが、その時の校長先生は祖父だったのではと思ってしまいます。
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アルツハイマー型認知症、老老介護、 なかなか重めのテーマだけど、たまにクスッと笑いながら軽く読めた。 私、親元離れて上京して就職して、自分のこれからの人生プランだって白紙に近くて、どうなるのやら、どうするのやら。
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