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路上のX の商品レビュー

3.7

103件のお客様レビュー

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2024/10/28

やっぱり桐野さんはすごい。今回も衝撃の本で思いっきり心がふさぎ込みました。学校での子供たち同士のリンチや暴力をいじめと呼び軽んじるように、少女への性犯罪を援助交際やJKなどとオブラートに包みごまかす日本社会。もちろんこんな無法社会を作り上げ放置し続ける自民党政府や文部科学省、教育...

やっぱり桐野さんはすごい。今回も衝撃の本で思いっきり心がふさぎ込みました。学校での子供たち同士のリンチや暴力をいじめと呼び軽んじるように、少女への性犯罪を援助交際やJKなどとオブラートに包みごまかす日本社会。もちろんこんな無法社会を作り上げ放置し続ける自民党政府や文部科学省、教育委員会、学校に根が深い闇があるのは事実ですが、最も重い責任を感じなければならないのは我々大人の男性国民全体でしょう。何十年もジャニー喜多川が公然と権力を握り続けた国なんてありえません。この本はあとがきも最後まで読むべきです。

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2024/06/12

桐野夏生さんの作品は読み出したら止まらない 女性は堕ちると這い上がるのは難しいことを実感させられる作品 サバイバルとあるが、自分の心や体を犠牲にしながら死ぬ選択をしなければただ無計画に1日を生きていくしかない 幼いし、浅はかな考えで騙され、逃げて、クズな大人たちにも腹が立つし、味...

桐野夏生さんの作品は読み出したら止まらない 女性は堕ちると這い上がるのは難しいことを実感させられる作品 サバイバルとあるが、自分の心や体を犠牲にしながら死ぬ選択をしなければただ無計画に1日を生きていくしかない 幼いし、浅はかな考えで騙され、逃げて、クズな大人たちにも腹が立つし、味方になってくれそうな警察の女性も親身とは言えない この子達のように居場所のない子はいるんだろうな‥と思うとせつなくなった

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2024/03/13

なんと言う話! 実際渋谷がそういう街なのか、JKビジネがそんな風なのか、知る由もないけれど。 真由、リオナ、ミト、物語なのにその後はどう生きていくのだろうか、と想像してしまう。

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2024/01/10

両親が失踪し叔父宅に預けられるが、そこでひどい扱いを受け、学校にも行けなくなった主人公の女子高生の真由。渋谷で生きていこうと決心するが、バイト先でレイプを受けたり、危ないスカウトに引っかかりそうになったり、渋谷での暮らしは過酷で落とし穴も多く待ち受けている。そんな中、同じく渋谷で...

両親が失踪し叔父宅に預けられるが、そこでひどい扱いを受け、学校にも行けなくなった主人公の女子高生の真由。渋谷で生きていこうと決心するが、バイト先でレイプを受けたり、危ないスカウトに引っかかりそうになったり、渋谷での暮らしは過酷で落とし穴も多く待ち受けている。そんな中、同じく渋谷でサバイバルする女子高生(世代)のリオナとミトと出会い、何とか協力しながら生きていこうとする。真由にもリオナにもミトにも、色々な事件・出来事が起こり、息をつかせないストーリーが展開する。 桐野夏生は、本小説を書くにあたってかなり調査を行ったはずだ。渋谷には(渋谷だけではなく、多くの繁華街には)、実際にこのような少女たちが、日々を生き延びようとしているのだろう。真由はもともときちんとした家庭の子であるが、リオナやミトは、親を含む周囲から虐待を受け続けてきた子たちだ。どこにも居場所がなくなり、JKビジネス、すなわち、「若さ」をお金に替えることが出来る渋谷を始めとする繁華街に多くの少女たちが集まっているのだろう。しかし、そこで生き残るのは簡単ではなく、過酷な経験をする子たちも多いということなのだろう。 この小説は、虐待ということのみがテーマというわけではないが、児童虐待の実態ってどうなっているのだろうかと気になり、ネットで簡単に調べてみた。以下、いくつかを引用する。 【引用】 ■児童虐待とは、「身体的虐待」「性的虐待」「ネグレクト(育児放棄/怠慢・拒否)」「心理的虐待」の4つに分類される。 ■全国225カ所の児童相談所が「児童虐待相談」として対応した件数は、2022年度で22万件弱であり、32年連続で「過去最多」を更新している。要するに、件数は増え続けている。 ■専門家や関係者らは「データはあくまで"氷山の一角"にすぎず、実際の件数はもっと多い」とみている。 ■子供を虐待する家庭・親には、例えば「人づき合いが苦手だったり、友人がいない等、子育てで孤立している」「生活が困窮していて貧しい」「離婚経験があり連れ子がいる」等のケースが多く見受けられる。 【引用終わり】 幼い子供はもちろん、この小説を読むと、高校生世代であっても、このような虐待の影響から逃れるのは難しいはずだ。 そのような実態が日本で実際にあることを念頭に置くと、かなり読むことがしんどくなる小説だ。しかし、これも、現代の日本の一つの現実。それを抉り取って小説にする桐野夏生という作家はすごいな、とあらためて思う。

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2024/07/06

久びさの桐野夏生さん。 心にズンッと響きます。 望まず風俗や水商売に 身を沈める少女たち。 子どもを食い物にする 不潔な大人たちの姿に 暗澹たる気持ちに。 そりゃ人間不信になる。 世間に喧嘩腰にもなる。 なんで私ばかりこんな 不幸なのかと拗ねたく なるのもわかる。 ...

久びさの桐野夏生さん。 心にズンッと響きます。 望まず風俗や水商売に 身を沈める少女たち。 子どもを食い物にする 不潔な大人たちの姿に 暗澹たる気持ちに。 そりゃ人間不信になる。 世間に喧嘩腰にもなる。 なんで私ばかりこんな 不幸なのかと拗ねたく なるのもわかる。 でもね、現実を認める しかない。 諦めて受け入れるしか ない。 さあ、そしてそこから どうやって生きるのか。

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2023/09/10

ごくごく普通の高校生活、を送るはずだった少女が渋谷の街で犯罪に手を染めていく__ 疾走感とは入り込ませる力がすごい。一気に読んでしまった。主人公、真由の潔癖さや頑固さに苛立ってしまうこともあるけど、それが「普通の」家で育った子らしさなんだろうなーと。世の中こんなに殺伐としている...

ごくごく普通の高校生活、を送るはずだった少女が渋谷の街で犯罪に手を染めていく__ 疾走感とは入り込ませる力がすごい。一気に読んでしまった。主人公、真由の潔癖さや頑固さに苛立ってしまうこともあるけど、それが「普通の」家で育った子らしさなんだろうなーと。世の中こんなに殺伐としているもの、、?と思ったけど、それはわたしが世間知らずなのかもしれない。自分も女子高生の端くれということもあってか(?)共感できる部分もあった。主人公の境遇がもとは「普通」だったことも相まって自分にも起こり得るのかもしれない…と引き込まれた。日常の中にあるあやうさが鮮明に切り取られている本だと思う。

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2023/08/23

ハラハラする出来事が次から次にあって、一気に読みました。登場人物は皆、それぞれに事情はあるだろうけど自分勝手。桐野夏生さん自身も、この人たちに愛を感じないで書いていたのかな、とすら感じてしまう。  家に帰ることが難しい10代。いろんな人間が、その辛さを知ることが大切なのかな。

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2023/04/28

 自分中心の、欲望のままに生きる人々のお話だった。  衝撃的な内容と感じてしまう自分は、ぼんやり平和に生きているのだと感じた。

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2023/02/11

読み終えた瞬間、大きな溜息が出た。 少女達の行く末と物語のラストが気になって一気読みでした。 真由、リオナ、ミト、三人の女子高生が経験する悲惨な出来事。 親のエゴがきっかけで味わう必要がない思いをする事になった少女達があまりにも不憫で可哀想過ぎた。 自暴自棄になったり嘘を繰り...

読み終えた瞬間、大きな溜息が出た。 少女達の行く末と物語のラストが気になって一気読みでした。 真由、リオナ、ミト、三人の女子高生が経験する悲惨な出来事。 親のエゴがきっかけで味わう必要がない思いをする事になった少女達があまりにも不憫で可哀想過ぎた。 自暴自棄になったり嘘を繰り返したりしながら、それでも生きて行く為に身体を張って必死の思いで突き進む少女達。 3人しか仲間がいない状況でも時にぶつかり合い罵り合う少女達の人物描写は秀逸。 息苦しく救いを求めながら読み続けた不穏な空気感漂う462ページだった。 ネグレクト、虐待、DV、レイプ、JKビジネスなど今時の世相が反映されていて救いようのない大人たちもたくさん登場します。 惹きつけられたのは、自分の生活とはかけ離れていながらも、きっと現実に存在しているリアルを感じたから。 桐野節が炸裂した読み応え十分な作品。

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2022/11/27

手に取ったら夢中で一気読み! 桐野さんの筆運びは淡々としていながら容赦なく、渋谷を彷徨う女子高生の生活の過酷さに胃がギリギリするような気持ちになり、しかし、その行動の危うさにヒヤヒヤしながら読んでいました。 日本って、世界一治安が良くて、一見、平均して豊かな国と見られているだろ...

手に取ったら夢中で一気読み! 桐野さんの筆運びは淡々としていながら容赦なく、渋谷を彷徨う女子高生の生活の過酷さに胃がギリギリするような気持ちになり、しかし、その行動の危うさにヒヤヒヤしながら読んでいました。 日本って、世界一治安が良くて、一見、平均して豊かな国と見られているだろうけど、いろいろな 形での地獄を生きている子どもたち(大人もだろうけど)がいるんだよなあ・・と改めて感じながら。 読み手の年齢によっても、受け取り方が違うかも。でもやっぱり、歳を取ってるということは、若い時期も過ごしているわけだから・・・私自身は女子高生の気持ちになったり、大人たちの気持ちになったりしながらページをめくっていました。 ネット検索で見ましたが、この作品、NHKで取り上げられた時に、行き場のない10代女性の支援活動をしている方(自身も経験者)が、 「この作品はまさに自分たちのこと。自分たちが言葉にできなかったことを、言葉にしてくれてる」と言っていたそうです。 小説の力って凄いよね。いつも的確な言葉で描いてくれる桐野さん。今作のラストも桐野さんらしい、スパッとした終わり方で、続きはこちらが考えさせられるものでした。結局は自分で切り開かねばならない。お話の途中で、真由が思うセリフ、印象的でした。 「さあ、どうやって生きる」

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