路上のX の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
親から捨てられ、生きていく場所を求めて渋谷の街で出会う真由とリオナ。リオナはJKビジネス出会った秀斗の家に寄生している。 行くところがなくなった同郷のミトは別れた彼氏の子供を身籠っている。意図せずして3人は秀斗を監禁する生活を送ることになる。 こんなにも養育する意識の低く幼い自分本位な親の元に生まれたらどうなってしまうだろう。最低限の教育も受けられず、ご飯も十分与えられず、味方にもなってもらえず、お金を稼いで生きていかなければとJKビジネスで街を彷徨う子供たちがいると思うと憤りしかない。 行き当たりばったりで自堕落でハラハラする街での出会い。そんな中高生を食い物にする汚い大人達がいる現実。自分を大切にする気持ちも消え、他者への恨み憎しみしかなくなるのは必然だ。 作品はフィクションだが、経済的に二極化が進んでいる日本の暗部を強烈に描き出している。 筆致の上手さ物語りに引き込まれ、一気読み。
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夜の繁華街には、私などか知りえない、居場所を失った若者が沢山いるんだろうなと痛々しかった。そしてそれに付け込む大人たち。女の子なら風俗や水商売に男の子なら暴力団関係や詐欺集団などに染まっていってしまうのだろう。 そんな若者にも需要があるから成り立つのであって、お金さえ出せば好き勝...
夜の繁華街には、私などか知りえない、居場所を失った若者が沢山いるんだろうなと痛々しかった。そしてそれに付け込む大人たち。女の子なら風俗や水商売に男の子なら暴力団関係や詐欺集団などに染まっていってしまうのだろう。 そんな若者にも需要があるから成り立つのであって、お金さえ出せば好き勝手やっていいと思ってる大人たちをどうにかしないと。
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もう本当に桐野夏生さんの本にハズレなし。今回も夢中で読んで丸一日引きこもり。 昨今よく耳にするトー横キッズと呼ばれるような子供たちの話。どうして家に帰りたくないのか?大人はどうしてもっと強引に子供を正しい道に引き戻さないのかと、もどかしい気持ちでニュースやドキュメンタリーを見てい...
もう本当に桐野夏生さんの本にハズレなし。今回も夢中で読んで丸一日引きこもり。 昨今よく耳にするトー横キッズと呼ばれるような子供たちの話。どうして家に帰りたくないのか?大人はどうしてもっと強引に子供を正しい道に引き戻さないのかと、もどかしい気持ちでニュースやドキュメンタリーを見ていました。多少強引な事をしてでも、今引き戻さないとこの子たちは負の連鎖から抜け出せなくなるのに。と。でも、その肝心な周りの親や大人がどうしようもないとしたら、まっとうな道に戻りたくても戻れない。 登場する大人(親や親せきも含め)はほとんどクズばかり。でも主人公(家出娘)も考えが甘かったり浅はかだったりで100%の同情はできない。ただ生まれてたった16年17年、その上、思春期の子供たちの心は壊れやすくて本当にガラスのよう。子供なんだから、そんな浅はかな考え方や行動しかできないという所が余計に現実味があった。 まだまだ大人のサポートが必要な年齢なのに、親に虐げられり暴力を振るわれたりして一人で生きていくしかない少女たち。その少女たちを食い物にする薄汚い大人たち。胸が詰まる思いで読了しました。ラスト少しだけ光が見えたのが救いでした。
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一家離散により叔父の家で世話になることになる真由。貧しさを理由に都内私立から荒れた公立校への転入させられ、小遣いの不足、ままならない食事、義母からのひどい態度。真由は家を飛び出す。 ずっとずっとずっと、読んでいて苦しい。未成年が故に住む家も、レイプの訴えも自由に(親に知らせず)...
一家離散により叔父の家で世話になることになる真由。貧しさを理由に都内私立から荒れた公立校への転入させられ、小遣いの不足、ままならない食事、義母からのひどい態度。真由は家を飛び出す。 ずっとずっとずっと、読んでいて苦しい。未成年が故に住む家も、レイプの訴えも自由に(親に知らせず)できない現状に「今すぐ助けてあげたい!」と苦しい。小説だけれども、これはどこかで起きている話だ。 学生時分の、狭い世界の辛さや自分のせいじゃないのになんでこんな目に?の虚無感が呼び起こされる。大人になってわかる。いくらでも助ける手段はあるのに、みんな見て見ぬふりしていたんだと。 是非あとがきのcolabo代表仁藤さんの文章まで読んで欲しい。読んで終わりじゃなく、子供達の苦痛を和らげるために大人が立ち上がらないといけない。
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あー、しんどかった。 負のスパイラル、止まらなくて、大人の身勝手の犠牲になる子どもが現実にいるのだろうなーと、苦しかった。 身勝手もいろいろだし、全ての子が道を踏み外す訳じゃないと思うけど、一度踏み外したらどこまでも堕ちていくんだと…とにかく怖い。 子どもの性を蝕む男性が一定数い...
あー、しんどかった。 負のスパイラル、止まらなくて、大人の身勝手の犠牲になる子どもが現実にいるのだろうなーと、苦しかった。 身勝手もいろいろだし、全ての子が道を踏み外す訳じゃないと思うけど、一度踏み外したらどこまでも堕ちていくんだと…とにかく怖い。 子どもの性を蝕む男性が一定数いることも、日々望まない性の対象となっている子どもがいることも、自分がそんなことないはずの世界にいることも。
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親の勝手な事情で親戚に預けられ、家にも学校にも居場所がない女子高生が、バイト先でレイプされ、一日一日を必死に生きて行く話。 最近、広瀬すずや山本舞香が出てるギャルの青春映画「サニー」を見たばっかりで、感動していただけに、真逆のストーリーで、ハラハラドキドキ。 でも実際に、いっぱ...
親の勝手な事情で親戚に預けられ、家にも学校にも居場所がない女子高生が、バイト先でレイプされ、一日一日を必死に生きて行く話。 最近、広瀬すずや山本舞香が出てるギャルの青春映画「サニー」を見たばっかりで、感動していただけに、真逆のストーリーで、ハラハラドキドキ。 でも実際に、いっぱいいるんだろうなあ、、、 何より、60代の作者が、この話を書いてるってことにびっくり‼️ まさに、ギャル✨
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自分を切り売りして生きることに抵抗がなくなってしまった女の子、抵抗したいけどその方法がなくて諦めている女の子、自らを商品にするだけの覚悟ができずに葛藤する女の子… たくさんの女の子が出てくるが、みんな歳不相応の苦労をしていて、読了後も重くて苦しい気持ちになった。 これは物語だと分...
自分を切り売りして生きることに抵抗がなくなってしまった女の子、抵抗したいけどその方法がなくて諦めている女の子、自らを商品にするだけの覚悟ができずに葛藤する女の子… たくさんの女の子が出てくるが、みんな歳不相応の苦労をしていて、読了後も重くて苦しい気持ちになった。 これは物語だと分かっていても胸が締め付けられて、どうか現実を生きる真由や涙華みたいな女の子たちが心穏やかに眠ることができる日が来ることを願ってしまう一冊だった。
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読んでいて、しんどい。 貧困、虐待、DV、レイプ。大人から様々なものを搾取され続ける女子高生たち。 そんなに悪い大人ばかりじゃないよと言っても、彼女たちから見れば大人(特に男)は、みんな同じなんだろうな。 そんな彼女たちは、どうしたら救われるのかな?救われるときは来るのかな。...
読んでいて、しんどい。 貧困、虐待、DV、レイプ。大人から様々なものを搾取され続ける女子高生たち。 そんなに悪い大人ばかりじゃないよと言っても、彼女たちから見れば大人(特に男)は、みんな同じなんだろうな。 そんな彼女たちは、どうしたら救われるのかな?救われるときは来るのかな。 最後の 「だから、一緒に生きようよ。 真由」 「うん。」 という文。 それだけが彼女たちが生きていける世界なのかな?
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10代の女の子が、家に帰れず一人で生きて行かざるを得ない状況になった時、生きていく術はあるのだろうか。貧困、虐待、DV、レイプ。彼女たちの意志とは関係なく、大人たちの「都合」で問題が表面化せずに、確実に追い詰められていく。大人の男の人に少女が買われるということの本当の闇は、たくさ...
10代の女の子が、家に帰れず一人で生きて行かざるを得ない状況になった時、生きていく術はあるのだろうか。貧困、虐待、DV、レイプ。彼女たちの意志とは関係なく、大人たちの「都合」で問題が表面化せずに、確実に追い詰められていく。大人の男の人に少女が買われるということの本当の闇は、たくさんの人たちの中にある「当たり前」と「仕方なくて」と「無関心」にあるように思う。どこまで、いつまで、ズタズタにされても笑い続けないといけないのだろう。騙されないように、寝首を掻かれないように、気を張っていなければいけない。何度も自分を殺して、諦めないとやっていけない。 この小説の終わり方は、強烈に胸が苦しくなった。溢れた涙さえ乾かして、彼女たちの生活は続いていくのだ。
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2021.05.28.読了 子供は親を選べない。まず、それ。 とにかく母親が悪い。もちろん父親、義父、さまざまな大人の男たちは最低だ!無責任だ! しかし少女と同性の母親が娘の気持ちを考えなくてどうする!母親は最後の砦なのだ。 主人公のひとり、リオナの17年は悲惨だ。だからリオ...
2021.05.28.読了 子供は親を選べない。まず、それ。 とにかく母親が悪い。もちろん父親、義父、さまざまな大人の男たちは最低だ!無責任だ! しかし少女と同性の母親が娘の気持ちを考えなくてどうする!母親は最後の砦なのだ。 主人公のひとり、リオナの17年は悲惨だ。だからリオナは達観……老成している。人一倍心が冷えているのは彼女だろう。祖母がいい味出していて、どうにか高校に行かせてあげたかったと悔やまれる。 もう一人の主人公、真由。15歳までは幸せに豊かに暮らした彼女をおそった突然の闇もまたキツかっただろう。そしてその結末として両親の行方を知る事になったが、わたし的にはこの母親が一番嫌い。 まず美魔女枠(笑)なのがキモい。レンアイとかまーじあり得ない。綺麗な母親(美魔女)を自慢に思っていた真由は未熟だ!母親はまずおっかさんであるべきなのだ。女を捨てろ!とは言わない。どんな女も心の中では死ぬまでオンナだ!(レンアイも心の中に留めておかなくちゃ!) でも、母親となった女は、まずはおっかさん優先であるべき。なぜなら、子供は親を選べないのだから。命をかけてその親の元に生まれてくるのだから。成人するまでは責任持たないとね。 少年少女よ!母親がピカピカのネイルし始めたら気をつけろ!善良なおっかさんは、トイレ掃除にハンバーグの肉捏ね、米研ぎ、と家事をする人ほど爪は短い。長い爪は不潔だ(笑) 余談 そもそも、母親が実年齢より10歳は若く見える必要はどこにあるの?と常々感じている。ひとは年を重ねて年相応の色気や深みがでるからこそ美しいのではないですか?最近はほうれい線にヒアルロン酸打ちまくってパンパン顔の芸能人が多いですが、そんなん安っぽい。もっと高貴な美しさを探究してもらいたいものです
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