風神の手 の商品レビュー
「風って、どうやって吹くのかな」 連作短編集なんかではなく、壮大な長編小説だった。偶然なのか必然なのか。いずれにせよ、全て運命。 誰かの過ちが今ある自分に繋がっていたら。何が良くて何が悪いのか。どんな些細な出来事でもそれが誰かの人生に大きく関わっているのかもしれない。正しく「...
「風って、どうやって吹くのかな」 連作短編集なんかではなく、壮大な長編小説だった。偶然なのか必然なのか。いずれにせよ、全て運命。 誰かの過ちが今ある自分に繋がっていたら。何が良くて何が悪いのか。どんな些細な出来事でもそれが誰かの人生に大きく関わっているのかもしれない。正しく「風神の手」。 美しくどこか温かいミステリだった、そんなミステリ書けるんか。 ただ私はもっと道尾さん独特の謎めいた感じのゴリゴリのミステリが読みたい。
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9月-6。3.5点。 遺影専門の写真館を中心に、中編がつづく。 それぞれ時代は違うが、繋がっておりラストへ向かう。 よくあるような手法だが、さすがに道尾秀介、読ませる。 でもなー、道尾秀介、ハートウォーミング路線ばっかりだなー。最近。 デビュー当時のドキドキ感が懐かしい。。。
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一つの章の中でも過去と現在があって、その中にもつながりがあるのだけれど、すべての章が同じように繋がっている。すごく入り組んでいるのだけれど、ちゃんもつながりあっていてすごいなと思わされた。
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小さな町の、遺影専門の写真館で行き会った人たちの物語。同じ町を舞台にしながら、視点を変え世代を超えすることによって、かつて起きた”事故”とそれに関わった人たちの人生が複雑に絡まる様子を丁寧かつ優しく描き出している。『光媒の花』もこんな感じだったような…このタイプの道尾作品は大好物...
小さな町の、遺影専門の写真館で行き会った人たちの物語。同じ町を舞台にしながら、視点を変え世代を超えすることによって、かつて起きた”事故”とそれに関わった人たちの人生が複雑に絡まる様子を丁寧かつ優しく描き出している。『光媒の花』もこんな感じだったような…このタイプの道尾作品は大好物ですね^^
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小さな町の写真館、そこは遺影専門の写真館。 遺影が必要になった時、人は自らその写真館に遺影を撮りに出かけて行く。 そんな話が一つ、そして別なところで発表された別な話が..... それらの話が、風神の手という本に吹き寄せられて行って、一冊にまとまった。 それぞれの小編は、別々に書か...
小さな町の写真館、そこは遺影専門の写真館。 遺影が必要になった時、人は自らその写真館に遺影を撮りに出かけて行く。 そんな話が一つ、そして別なところで発表された別な話が..... それらの話が、風神の手という本に吹き寄せられて行って、一冊にまとまった。 それぞれの小編は、別々に書かれ、しかも、結末に向けて見事な伏線となっていく。 そして、この物語は、ある小さな町のエリアから出ることはない。 なかなか面白い作品でした。
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読み進めて行くと、点と点が繋がって線になって、全貌が見える。そんなお話。面白いんだけど、イマイチ登場人物に感情移入出来なかったような…色んな人の視点で読むやつだからかしらん。
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バタフライ・エフェクトをお話にするとこんな感じ。 初めて知りましたバタフライ・エフェクトという言葉。 本を読むことは勉強なりますなぁ。 3世代にわたる連作短編集。 それぞれの話でそれぞれの味わいがある。 若い男女の恋の話、 少年たちの冒険の話、 家族の話。そして最後に年月を越えて 繋がる繋がる・・・ この繋がり方が優しい、優しさでできている。 果たして自分が生まれたことは。。 「あーちゃんに会えたからこれでよかったの」 そうね、そうだよねぇ。 今、自分がここにいることの奇跡を感じずにはいられない。 素敵なお話。 白いほうの道尾さん。
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人の運命を決定づけるような事件だって 元を辿っていけば、きっかけはほんの取るに足らない出来事が始まりだったりする。 何気ない一言が、ちょっとした偶然が積み重なって人の運命は出来上がっているのだろう。 この物語の登場人物たちも、人をだましたり 取り返しのつかない失敗をおかしたり、悪...
人の運命を決定づけるような事件だって 元を辿っていけば、きっかけはほんの取るに足らない出来事が始まりだったりする。 何気ない一言が、ちょっとした偶然が積み重なって人の運命は出来上がっているのだろう。 この物語の登場人物たちも、人をだましたり 取り返しのつかない失敗をおかしたり、悪事に手を染めたりするのだか、 長いスパンで見てみれば、そのことで幸せになった人やこの世に命を授かった人もいて 不幸だったはずの出来事が、時間と共に幸せに色を変えていくのだ。 私たちは、人の過ちや失敗を鬼の首でもとったように糾弾するけれど それは早計な事だよと耳元で誰かに囁かれているかのようでした。
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説明 内容紹介 遺影専門の写真館「鏡影館」がある街を舞台にした、 朝日新聞連載の「口笛鳥」を含む長編小説。 読み進めるごとに出来事の〈意味〉が反転しながらつながっていき、 数十年の歳月が流れていく──。 道尾秀介にしか描けない世界観の傑作ミステリー。 ささいな嘘が、女子高校...
説明 内容紹介 遺影専門の写真館「鏡影館」がある街を舞台にした、 朝日新聞連載の「口笛鳥」を含む長編小説。 読み進めるごとに出来事の〈意味〉が反転しながらつながっていき、 数十年の歳月が流れていく──。 道尾秀介にしか描けない世界観の傑作ミステリー。 ささいな嘘が、女子高校生と若き漁師の運命を変える――心中花 まめ&でっかち、小学5年生の2人が遭遇した“事件"――口笛鳥 死を前にして、老女は自らの“罪"を打ち明ける ――無常風 各章の登場人物たちが、意外なかたちで集う ――待宵月 久しぶりに道尾秀介さんの作品を読みました。 3話の各章の登場人物たちが意外な繋がりがあって面白かったです。ラストの章では登場人物たちが集まります。 人は皆、心の中になにかしらの荷物を抱え生きているという事と人の繋がりをとても実感しました。
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小説のタッチは優しく、そしてどことなくミステリー 章ごとの話が次第につながり~は最近のよくある技法だけど 時間軸を飛ばしながら最後を詰めていくのは読んでいて楽しい コナン・ドイルの引用をこの小説では「風」がそれであり 偶然の積み重なりは日常でもある事 次第に暗闇に光が灯されていく展開に最後まで引き込まれながら読めた作品
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