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書店主フィクリーのものがたり の商品レビュー

3.8

84件のお客様レビュー

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2024/06/02

淡々と冷静に言葉を紡ぎながら、じんわりと胸を温かくさせる物語だった。 ドラマティックな書き方はされないけれど、登場人物1人1人にしっかり人生があるのを強く感じる。みんな、幸せも悲哀も力にして一生懸命生きてる。 特に主人公のA.J.フィクリーにとって、決して幸せなだけの人生ではな...

淡々と冷静に言葉を紡ぎながら、じんわりと胸を温かくさせる物語だった。 ドラマティックな書き方はされないけれど、登場人物1人1人にしっかり人生があるのを強く感じる。みんな、幸せも悲哀も力にして一生懸命生きてる。 特に主人公のA.J.フィクリーにとって、決して幸せなだけの人生ではなかったものの、優しさと愛によって支えられ続けた人だったんだなぁとこちらも幸せを感じた。 この本に挙げられているブックリストの本もしっかり読んだうえで、もう一度読みたい。

Posted byブクログ

2024/05/22

なんとも素敵な本。本好きにはたまらない。本の話だけでなく、プチミステリーとしても面白かった。 読み終わった後は何となく悲しい気持ちもありつつ、けど未来に向けて希望も感じられて、悲しい気持ちと嬉しい気持ちが入り交じった複雑な感情になった。けど、これが世代を越えていくってことよね。 ...

なんとも素敵な本。本好きにはたまらない。本の話だけでなく、プチミステリーとしても面白かった。 読み終わった後は何となく悲しい気持ちもありつつ、けど未来に向けて希望も感じられて、悲しい気持ちと嬉しい気持ちが入り交じった複雑な感情になった。けど、これが世代を越えていくってことよね。 本のことを心置きなく共有出来るパートナーがいる人生は良いな~と思いつつ、現実にはパートナー選びはそれだけですることはないので私のパートナーはほぼ本が読めない人だけど、それでもそれなりに幸せだから、結局本の虫は心置きなく良書を読み漁れる環境があれば幸せになれるんだと思う。本を読まない相手にひたすら読んだ本の啓蒙はしてるけど笑。 本書で紹介されてた本たち、いつか読んでみたいので以下は備忘として記載。 「おとなしい凶器」 ロアルド・ダール 「リッツくらい大きなダイアモンド」 フィッツジェラルド 「ロアリング・キャンプのラック」 ブレット・ハート 「世界の肌ざわり」 リチャード・ボーシュ 「善人はなかなかいない」 フラナリー・オコナー 「ジム・スマイリーの跳び蛙」 マーク・トウェイン 「夏服を着た女たち」 アーウィン・ショー 「父親との会話」 グレイス・ペイリー 「バナナフィッシュ日和」 サリンジャー 「告げ口心臓」 E·A·ポー 「アイロン頭」 エイミー・ベンダー 「愛について語るときに我々の語ること」 レイモンド・カーヴァー 「古本屋」 ロアルド・ダール

Posted byブクログ

2024/05/18

本を好きでよかった。この本に出会えてよかった。 そんな風に思えた作品。 島の小さな書店を営むフィクリー。妻を事故で亡くした彼は、とても偏屈で、とても孤独だった。ある夜、稀覯本「タマレーン」が盗まれてしまう。傷心の日々のなか、書店に捨てられた小さな子どもを発見し、育てる決心をする...

本を好きでよかった。この本に出会えてよかった。 そんな風に思えた作品。 島の小さな書店を営むフィクリー。妻を事故で亡くした彼は、とても偏屈で、とても孤独だった。ある夜、稀覯本「タマレーン」が盗まれてしまう。傷心の日々のなか、書店に捨てられた小さな子どもを発見し、育てる決心をする、という話。 捨て子のマヤとの親子愛、出版社で働くアメリアとの恋愛、お巡りのランビアーズとの友情。不器用なフィクリーらしい愛のかたち。 本を愛するフィクリーと彼を取り巻く人たち。みんな本が大好きで、書店主フィクリーが大好きで… ほのぼのした作品かと言われたら、少し違う。冒頭から、フィクリーはやさぐれていて。そんな彼を変えてくれたのは、マヤの存在。だから、消えた「タマレーン」の謎も、マヤとの出会いを思うと、これでよかったのだと思ってしまったり。なによりも、フィクリーが幸せそうなのだから、ね。 感性を共有する相手に出会えたこと。それは人生の宝物だね。本を読む行為は孤独だが、そこから広がる世界は、いつでも無限大だ。

Posted byブクログ

2024/02/27

「好きな本はなぁに?」と自分に問いかけた。 翻訳のせいか、原文はどうかわからないが、クセのあるリズムの文章が読み進むにつれてクセになった。 いろいろな衝撃的な事件はあるものの底辺にあるのは温かさ。応援したくなる。 各章の前にあるA・J・Fがあげる短編は読んだことがないものばかり...

「好きな本はなぁに?」と自分に問いかけた。 翻訳のせいか、原文はどうかわからないが、クセのあるリズムの文章が読み進むにつれてクセになった。 いろいろな衝撃的な事件はあるものの底辺にあるのは温かさ。応援したくなる。 各章の前にあるA・J・Fがあげる短編は読んだことがないものばかり。それらを読んでいたならもっとこの本が楽しめただろう。 2016本屋大賞 翻訳部門受賞。本屋大賞に翻訳部門があることを知らなかった。

Posted byブクログ

2024/02/10

読み終わったあと心が温かく、けどちょっぴり寂しくなる作品。 常に温かく楽しいだけの話ではなく作中には不幸なことも結構起こるけど、文章が良い意味で軽やかだからか悲しすぎない。 かといって軽い作品なのかというとそうではなく、文中には沢山の本の知識が散りばめられてるし本を通じて人が良い...

読み終わったあと心が温かく、けどちょっぴり寂しくなる作品。 常に温かく楽しいだけの話ではなく作中には不幸なことも結構起こるけど、文章が良い意味で軽やかだからか悲しすぎない。 かといって軽い作品なのかというとそうではなく、文中には沢山の本の知識が散りばめられてるし本を通じて人が良い方向に変わっていったり、色々な人が繋がっていくことが読んでいて嬉しかった。 存在しないはずの島の風景が目に浮かぶよう。 主人公A.Jが作中の最後の方に言った言葉は本が好きなら刺さる人が多いんじゃないかな。 本屋さんって最高!やはり街にひとつは本屋さんが必要だ。

Posted byブクログ

2024/02/04

頑固で偏屈な小さな島の店主が、娘と"出会い"、そして妻と出会い少しずつ変わっていく。 そして店主が心を開けば、島に住む人たちも惹かれていく。 頑固になるのは自分の意志がはっきりしているから、偏屈になるのはその分野を深く精通しているから。そんな彼さえも誰かの...

頑固で偏屈な小さな島の店主が、娘と"出会い"、そして妻と出会い少しずつ変わっていく。 そして店主が心を開けば、島に住む人たちも惹かれていく。 頑固になるのは自分の意志がはっきりしているから、偏屈になるのはその分野を深く精通しているから。そんな彼さえも誰かの愛は柔らかくしてしまう。

Posted byブクログ

2024/01/29

読了後は、左程心が揺らぐことはなかったが、夜中目覚め、(フィクリーや書店)一時代が終わり、そしてまた別の形で続くのね、としみじみ思った。それは当たり前のことなのだけれど、愛着を覚えた方がいなくなるのは寂しいものだ。

Posted byブクログ

2024/01/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

静かなトーンで物語が淡々と進んでいく。そして、一人の人の影響が周りへ伝わっていく。書店もそう。書店を中心に波紋が広がっていく。本屋をやってみたくなる。

Posted byブクログ

2024/01/09

#書店主フィクリーのものがたり #読了 フィクリーは大変価値のある一冊を失ったかもしれない。 しかし、それは計り知れない価値を彼に与えるきっかけになっただろう。 本への愛が伝わる小説であり、出てくる人物が愛おしい小説でもあった。

Posted byブクログ

2024/01/07

離島で本屋を経営しているフィクリーという男性の人生の話。 登場人物が大学院でエドガーアランポーを研究していて、妻の勧めで妻の故郷で本屋を始めた…という設定なので、本に関する知識がすごい。各章が有名な短編のタイトルになってて、章の前にフィクリーが述べた、短編に関する話が載っている...

離島で本屋を経営しているフィクリーという男性の人生の話。 登場人物が大学院でエドガーアランポーを研究していて、妻の勧めで妻の故郷で本屋を始めた…という設定なので、本に関する知識がすごい。各章が有名な短編のタイトルになってて、章の前にフィクリーが述べた、短編に関する話が載っている。そして話の中にも有名作品の話がたくさん出てくる。悲しいかな、自分にはそれら全てを理解する知識がなかったけど、もしわかったらもっと楽しめたと思う。 ストーリーは決して楽しいものじゃない、というかむしろずーっと物悲しい。なのに落ち着く話の展開。悲しい事実もすーっと受け入れられるというか。感動する話だと思うけど、泣かせようとしてないところがいい。読んでよかった。

Posted byブクログ