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死刑にいたる病 の商品レビュー

3.7

429件のお客様レビュー

  1. 5つ

    70

  2. 4つ

    182

  3. 3つ

    136

  4. 2つ

    19

  5. 1つ

    4

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2024/01/25

嘘か本当か、一見しただけでは決めつけることができないこの人間世界。 だから刺激的で、奥深くて、恐怖や悲しみ、楽しさが尽きることがないのだなと感じた。 さほどグロいシーンはなかった。 どちらかといえば心理的な描写の方が多かった。 読みやすかった。

Posted byブクログ

2024/01/22

今年一番をそうそうに記録しました。今まで読むことを迷っていたのがもったいないくらいです。読む手が止められず一気に読んでしまいました。ネタバレのない範囲で言えば綺麗なミスリードに久しぶりにしっかり引っかかりました。ラストもたまらないくらいゾッとしました。今年読んでよかった本の1冊で...

今年一番をそうそうに記録しました。今まで読むことを迷っていたのがもったいないくらいです。読む手が止められず一気に読んでしまいました。ネタバレのない範囲で言えば綺麗なミスリードに久しぶりにしっかり引っかかりました。ラストもたまらないくらいゾッとしました。今年読んでよかった本の1冊です。

Posted byブクログ

2024/01/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最初に、私はこの本を今、精神的に安定していない人に勧めることはないだろう。「生きる意味とは」や、「自分が評価されないのは、運が悪いだけだ」そう思ってる人間には誰かしら寄り添う人間が必要でそれにその人物が依存してしまうと思うからである。たとえそれが連続殺人鬼だとしても。  主人公である筧井雅也は鬱屈でどこか過去の栄光に縋ってしまう人間であった。そんな彼にある日手紙が届く。差出人は稀代の連続殺人鬼、榛村大和だった。「罪は認めるが、最後の一件だけは冤罪だ。それを証明してくれないか?」パン屋の元店主にして、自分の良き理解者であった大和に頼まれ事件を再調査する雅也は次第に大和に魅せられていく。そんな調子で物語が進むこの物語の雰囲気は一言で表すのならば不気味だろう。殺人鬼であり、ある親切な女性に保護された大和と主人公の母との不気味な関係性。主人公と大和の血縁関係を示唆する不気味さ。全てにおいて不気味なこの雰囲気はこの本を読み終わってもなお感じる事ができる。加えてこの作品には実在した連続殺人鬼の描写も出て来ており、それを読むのはとてもきつく、しんどいのだ。榛村自身の拷問の場面も細かく繊細に描かれており、文章を目で追うごとに私の気が滅入ってしまうほどだった。しかし私は少しずつ大和に魅せられてしまっていることに気づいた。主人公の雅也と同じように。まるで私が榛村の手の上で踊らされ、支配されているかのように。 だが、この作品の特性は決して作者の櫛木理子さんのキャラクター構築能力だけではない。この物語の進行速度こそがこの作品の特性であるのだ。たとえば、この物語の中盤に出てくる金山一輝という或元被害者がいるのだが、彼が出て来てから彼の身の回りの情報が丸裸になるまでの期間がとても短い。それにより、いかにも榛村が冤罪と主張する事件の真犯人が金山であったかのように雅也が、読者が錯覚してしまうほどにこの作者の誘導力はこの本の一ページ目を開いた時から顔を覗かせる。これこそがこの作品の素晴らしいところであると私は考えた。 この物語は榛村からの「支配」を中心に廻る。主人公も、主人公の友人も、そして読者自身も支配を受けるのである。あたかも連続殺人鬼が被害者であったかのように錯覚させるこの支配力は、この作品をもう一度読んでみよう、読者をそんな気持ちに駆り立て、好奇心へと繋がる。だからこそこの作品の不気味さは増大していくのだろうと私は考える。この本は私のおすすめリストに入るだろう。しかし、絶対にこの本は精神状況が不安定な時に読んではいけない。それはきっと榛村に魅せられてしまうからである。彼に魅せられるような事があれば、彼のようになりたいと思ってしまうに違いない、それほどこの本における榛村の支配力は絶大なのである。だからこそ、この作品は自分自身を俯瞰的に見る事ができ、精神状態が安定している状況で読んで欲しいと願う。そう考えさせられるほどにこの作品に私は魅せられた。

Posted byブクログ

2024/01/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

先に映画を観てから読んだので、ストーリーは知っていたが、小説は小説で雅也の心情描写をより楽しめた。 逮捕され、死刑が確実といわれながらも、拘置所の中から外の「獲物」を操り楽しむ榛村。 最後、雅也への洗脳は解け、榛村から解放されたように見えたが……灯里を通じてまだまだからめとられているようだ。最後までゾクゾクする小説だった。

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2023/12/29

映画を見てから、もっと知りたくなってこの小説を買ったけど、やっぱり殺人鬼の彼を嫌いになれなくて、それどころか好きになっていってしまった。彼の仕草、優しさ、温かさ、を感じて、夢中になっていた。洗脳、なのかな、こわい怖い。主人公が"彼"に魅せられていくのと同時に私...

映画を見てから、もっと知りたくなってこの小説を買ったけど、やっぱり殺人鬼の彼を嫌いになれなくて、それどころか好きになっていってしまった。彼の仕草、優しさ、温かさ、を感じて、夢中になっていた。洗脳、なのかな、こわい怖い。主人公が"彼"に魅せられていくのと同時に私も惹かれていって、すぐそばにこの物語を感じることができた。残酷だけれど、心に残る、響く、作品でした。難しい描写が多かったけど、私はすごく好きです。 映画を見た後だったから、あまりグロテスクな描写がなくとも頭で再生されて、映画→小説という順番は正しかったと思った。

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2023/12/14

真犯人を想像しながら読んでた 数人に絞り込み、こいつがこっちだなと予想を立て、意表を突くならここか?等と読み勧めたが、全部外れた 環境によるものか、それとも生まれきってのシリアルキラーなのか? 読み応えがあり過ぎた この作者の読んだのは初めてだったので、他の作品を読みたい

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2023/12/04

1人の大学生に届いた手紙❗️やはり連続殺人は病気ですね。でも彼は一つ一つ選択するうち残酷な真実に辿り着くのでした。連続殺人鬼の掌でゆっくりゆっくり転がされていくのは果たして1人ですむのかエピローグはちょっと怖いものがありました。理宇先生の頭の中を覗いてみたい心境ですね。

Posted byブクログ

2023/12/03

期待が大きかったせいか、、 主人公が犯人にだんだん引き込まれていくのが理解できず。 結局最後もそのオチしかないよね、という感じ。

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2023/12/02

会社では京極夏彦の鵼の碑をよみ進めているのだが、あまりにも重くて持ち帰るのが面倒で置いてきてしまった。。。 厚みは嬉しいのだけど、持ち運びには向かないのよね。。。 ということで、会社の方に、オススメの本と教えられ、購入していた本を読んでみた(*^▽^*) 最初はちょっと文章...

会社では京極夏彦の鵼の碑をよみ進めているのだが、あまりにも重くて持ち帰るのが面倒で置いてきてしまった。。。 厚みは嬉しいのだけど、持ち運びには向かないのよね。。。 ということで、会社の方に、オススメの本と教えられ、購入していた本を読んでみた(*^▽^*) 最初はちょっと文章が読み難い印象だったのだが、物語が進むに連れて気にならなくなってきた。物語の方に没頭してきたからだろう。 大学生の雅也は、小学生の頃は神童と呼ばれる程の優等生だった。 高校の時に挫折したが、何とか有名では無い私立大学に入学した。変にプライドが邪魔をし、こんな筈ではないと思っていた雅也は、友人関係も上手くいかず、鬱屈した日々を送っていた。 そんな時、24人もの少年少女を殺害したとして世間を震撼させている稀代の連続殺人鬼・榛村 (はいむら)大和から1通の手紙を受け取る。 雅也は中学時代に地元でパン屋の店主をしていた彼をよく知っていた。 そすでに一審で死刑判決を受けている榛村だったのだが、最後の一件だけは冤罪であることを証明してほしいと、雅也に依頼してきたのである。 雅也は、その願いを聞き入れ独自に調査に着手する。調査をしていくうちに、自然と雅也の印象が変わっていく、、、 ちょっとグロい表現があって、痛いのが嫌いな私にはキツかったが、物語は二転三転して、自分が予想した結末とは全く別の結末に落ち着いた(-。-; 最初のんびり、途中速度が上がり、最後はまたずるずる、、、といった感じだろうか(^◇^;) こういうサイコパスの気持ちは感情移入出来ないけど、相手を取り入ってしまうというのか、これがマインドコントロールなのか、、、そのあたりはゾゾっとした(^_^;)

Posted byブクログ

2023/11/22

「死刑に至る病」の原作。私が読んだのは「チェインドッグ」なんだけど、改題されたらしい。 映画では描ききれていなかった、雅也の内面がしっかり描かれていて、より暗さに深みが増した。 阿部サダヲは美青年かと言われると違う気がするけど、あの役は阿部サダヲにしかできない気がする。

Posted byブクログ