1,800円以上の注文で送料無料

オブリヴィオン の商品レビュー

3.8

63件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    30

  3. 3つ

    18

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2020/08/10

夏越の祓い。茅の輪くぐり、半年のケガレを落とし、この後の健康、厄払いを祈願する神事。主人公の森二の「俺は祓われたくない。いいことも、いやなことも、なにひとつ祓われたくない」覚悟の言葉。覚悟を持ち生きる人憧れます。

Posted byブクログ

2020/07/28

久しぶりの遠田さん作品。劣悪な環境からやり直した後に、最愛の妻を娘の前で殺してしまった吉川森二。何故殺したのか? 作中にでてくるバンドネオンのオブリビオンをYouTubeで聴きながら一気読みでした。オブリビオンの意味は忘却、赦し。これでもか⁉︎という程辛い苦しみを重ねてくるし、「...

久しぶりの遠田さん作品。劣悪な環境からやり直した後に、最愛の妻を娘の前で殺してしまった吉川森二。何故殺したのか? 作中にでてくるバンドネオンのオブリビオンをYouTubeで聴きながら一気読みでした。オブリビオンの意味は忘却、赦し。これでもか⁉︎という程辛い苦しみを重ねてくるし、「奇跡」という能力もあり合わない読者もいるようですが自分的には大好きな作品です。最後に出てくる「大丈夫?」で涙腺が緩みます。人を選ぶかもしれませんがお勧めです。時間をあけてから「雪の鉄樹」も読みたいですね〜

Posted byブクログ

2020/07/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

遠田さんの作品はいつも苦しい。けど、癖になる。 今回もずっと胸が苦しい。 最終的に救われたのか? 私にはよく分からない。 家族や唯を殺害したこともずっと苦しみ続けることには間違いないからな。

Posted byブクログ

2020/06/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2017年「本の雑誌が選ぶ2017年度ベスト10」第1位。 読んだ後、ブックカバーを外して表紙を見ると「あ、あの景色だ!」と分かる。 遠田潤子さんの物語を読むと内容は辛いけど、その辛いことの先に何があるのか気になってどんどん先を読みたくなる。 今回は色と音楽も影響していて、文字からそれらをイメージ出来るので遠田潤子さんの文才に感心する。 主人公森ニは妻殺しの殺人犯である。 しかし、なぜ殺害したのか…これがずっと気になるポイントである。 家族とは血が繋がっているから絆も生まれるが、血の繋がりがあるからこそ駄目になることもある。 常識って何だろう普通って何だろうと思うほど、驚きの連続でバイオレンスなシーンもあるから読む人を選ぶ。 それから地元志向なのか地名など変えずにそのまま。住之江競艇、生駒山上、住吉大社など。そこがリアルな雰囲気を醸し出し引き込まれる。 読書をする醍醐味というか、フィクションだから素直にそう考えていいと思ってるけど、この物語の登場人物たちを思えば日常生活のちょっとの嫌なことなんて何?と小さく感じてしまう。 オブリヴィオン=忘却、赦し。 どんなに悪いことをしてどんなに絶望しても 立ち直る権利はあるし、未来はある。 クセになる、遠田ワールド。 遠田潤子さんは『銀花の蔵』で第163回直木賞候補に挙がっている。ぜひ受賞して欲しい!!

Posted byブクログ

2020/05/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

よかった。あとがきで雪の鉄樹と同じ人と知った。なるほど。どっちも登場人物のなんとも言えない苦しい感情が伝わってくる。描写もうまい。エピローグ、結構長く書いてくれたな、って印象。この人の作品は他のも読みたい。

Posted byブクログ

2020/03/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

物悲しいストーリー。 主人公と圭介の関係性は好きで、ここから何故こんなことに と思いながら読んでいったが、誰も救われないまま ただ微かに未来が見えるような物語だった。 空とつながる奇跡自体は別に良いのだが 寧ろそれ以外の設定がリアリティに欠けるように感じた。 まだ冬香の父が圭介、程度の方が自分はリアリティを感じたと思う。 沙羅が救われそうなのは良かったし、冬香がぎこちないながらも 父への感情を持ち始めているラストは良かった。 圭介との友情も復活して欲しいところ。

Posted byブクログ

2019/11/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本の雑誌2017年ベスト1 北上次郎2017ベスト1というのに驚かされる。ワタシ的にはこれはアウトだ。主人公は自分の子どもが血がつながってないことが分かって、奥さんを殺してしまう。それで、自己否定的な発言、描写がずっと続く。それに自己憐憫的な部分が多いので鬱陶しい。さらに、体が衰弱するとボートレースの賭けが100%当てることができる能力というのが出てくる。そんなのアリ?そのことで父親が賭けに狂うことになって、さらに自責の念はます。SFというなら分かるが非現実的な能力で現実が狂ってくるというのは仮定の話にはお答えできませんの世界だ。 さらに小学生で妊娠させるなど不自然な話は続き、自責の念はどんどん増し、べちょべちょ感情過多のの日本映画みたくなっていく。これはいけません。

Posted byブクログ

2019/05/22

妻を殺し、刑期を終えて出所した主人公の前に現れた二人の兄。因縁浅からぬ二人と、いまだ消えない妻への思いを胸中に抱える主人公は、どんな運命を紡いでいくのか。 相当に悲劇的な過去を背負っている主人公の多い作者の作品ですが、この物語もまたかなりな重い枷をはめて生きていく姿が描かれます...

妻を殺し、刑期を終えて出所した主人公の前に現れた二人の兄。因縁浅からぬ二人と、いまだ消えない妻への思いを胸中に抱える主人公は、どんな運命を紡いでいくのか。 相当に悲劇的な過去を背負っている主人公の多い作者の作品ですが、この物語もまたかなりな重い枷をはめて生きていく姿が描かれます。そうしてなぜ彼が殺人罪を背負ったのか、過去に何があったのか、「奇跡」とはなんなのか…だんだんと詳らかになっていくにつれ、……すっきりすることはまるでありません。逆により現在の絶望が浮き立っていきます。あらゆる取り返しのつかなさを感じていくばかりです。 誰か彼を解放してほしい、救われてほしい。そう願います。けれど因果が過去にあるからには、彼は救われることはなく、枷を背負ったままなのです。取り払うことはできない。 けれどそれでも、傍に付き添う人さえいれば、這いつくばりながらでも生きていけるのではないか。そのほのかな希望が見えた最後は、かすかに安堵の息をつくことができました。 人間の因果が幾重にも重なって描かれた物語。読み終えて振り返ってみれば、二人の対照的な兄がいたからこそ、彼は過去を生き延び、そしてきっと未来を生きていくことができるのだろうと思える、象徴的な存在だとわかりました。

Posted byブクログ

2019/02/14

やはり「雪の鉄樹」「アンチェルの蝶」と似た、読み始めから人生諦めてる感たっぷりの男が登場し、過去と行ったり来たりしながら話が進んでいく。 こうなるには一体何があったのか?読んでいてつらくなるのだけど、遠田さんのぐいぐい引き込まれる文章でやめられなくなるのだ。 登場する誰もが秘密を...

やはり「雪の鉄樹」「アンチェルの蝶」と似た、読み始めから人生諦めてる感たっぷりの男が登場し、過去と行ったり来たりしながら話が進んでいく。 こうなるには一体何があったのか?読んでいてつらくなるのだけど、遠田さんのぐいぐい引き込まれる文章でやめられなくなるのだ。 登場する誰もが秘密を抱え、真実を伝えないことで起こったような悲劇の連鎖。 最後はどうか救われますように…と願いながら読ませてしまうのがこの作家の上手さなんだと思う。

Posted byブクログ

2019/01/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

190119*読了 暗い、辛い、悲しい…。でも、最後には少し救いがあってよかった…。暗さ9割、救い1割。 ここまでどん底な人達もきっと世の中にはいて、でもそれは自分の行動のせいだけじゃなくて、どうしようもできない運の問題でもあって、そんな不運の中で踏ん張ってどう強く生きるか…。うーん、辛いなぁ…。 暗い話ってやっぱり性に合わないのかも。 ただ、遠田さんの文章は読みやすかったので、途中でやめたい…と思うことなくするすると読めました。

Posted byブクログ